『カルテル・ランド Cartel Land (2015) 』深いメキシコの闇を日本人は知らない | 日本と芸能事が大好きな Ameyuje のブログ

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米合衆国領土グアム島と仏領ポリネシアのタヒチ島とボラボラ島しか訪れた他国無し。比較対象が少ないのに「僕に一番合うのは日本」と思う。反日国に侮辱されても毅然とした態度をとらない現在の母国には「いやんなっちゃうな~」と立腹するけど、やっぱり日本が大好き。

私のブログでも、シルベスター・スタローンの主演映画「ランボー・ラストブラッド(2019年)」の舞台背景などに絡めて、これまで何度か「メキシコ麻薬戦争」に関連する記事を書いています。

WBCで侍ジャパンと熱戦を見せてくれたメキシコチームのエネルギッシュで明るい姿から、私は ふと 忘れてはならないメキシコという国のダークサイドを思い出し、その闇の一部を描いている この映画作品を思い出した次第です。



本作品はまさに「メキシコ麻薬戦争」を題材にしたドキュメンタリー映画になっています。

 

~あらすじ~
メキシコのミチョアカン州。小さな町の医師、ドクター・ホセ・ミレレスは、何年にもわたり地域を苦しめ続けている凶暴な麻薬カルテル“テンプル騎士団”に反抗するために、市民たちと蜂起を決行する。

一方、アリゾナ砂漠のコカイン通りとして知られるオルター・バレーでは、アメリカの退役軍人ティム・フォーリーが、メキシコの麻薬が国境を越えるのを阻止するため“アリゾナ国境偵察隊”と呼ばれる小さな自警団を結成していた。

二つの組織は徐々に勢力を強めるが、組織の拡大とともに麻薬組織との癒着や賄賂が横行してしまう。正義の元に掲げた旗は徐々に汚れ、善と悪のボーダーラインは不鮮明になっていく…。

映画監督のマシュー・ハイネマンはメキシコ麻薬戦争最前線に乗り込み、決死のレポートでメキシコとアメリカの魔の連鎖、そして、肥大化した組織がたどる皮肉な秩序の崩壊を暴いていく。

★太陽が輝けば輝くほどに、メキシコの大地に落ちる影は黒くなる★

ミチョアカン州(上地図の一番下の赤丸内)の州都モレリアは、東隣に位置するメキシコシティとは、México 15D 道路の経由で 297 km、自動車を使うと3時間58分ほどの距離を隔てています。

 

トランプスペードトランプダイヤトランプクローバートランプハート

 

監督 Directed by
 … マシュー・ハイネマンMatthew Heineman


プロデューサー Produced by
 Kathryn Bigelow … executive producer

 Matthew Heineman … producer
 Tom Yellin … producer 

音楽 Music by 
 Jackson Greenberg

 H. Scott Salinas

撮影 Cinematography by 
 Matthew Heineman

 Matt Porwoll

フィルム編集 Film Editing by 
 Matthew Hamachek 他3名


音響部門 Sound Department 
 Leslie Bloome...sound editor 他11名


カメラ電気機器部門 Camera and Electrical Department 
 Daniel Carter...camera operator 他2名


出版部門 Editorial Department 
 Marcus Lansdell...digital intermediate producer

 マーカス・ランスデル...デジタル中間プロデューサー 他3名

追加クルー Additional Crew 
 Jerry L. Dasti...legal counsel

 ジェリー L. ダスティ...法律顧問
 他8名
 

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出演者は全て本人として本名で登場

Tim Nailer Foley ティム・ネイラー・フォーリー
 … veterano americano アメリカの退役軍人 
:自警団“アリゾナ国境偵察隊”の創設者


José Manuel 'El Doctor' Mireles ホセ・マヌエル"ドクター"・ミレレス
 … leader and founder, Autodefensas
  自衛(警)隊のリーダー兼創設者

Paco Valencia パコ・バレンシア
 … Autodefensas Comandante
  自衛(警)隊の司令官

Chaneque チャネク
 … drug cartel thug
  麻薬カルテルの凶悪犯

Caballo カバロ "馬"
 … drug cartel thug
  麻薬カルテルの凶悪犯

Enrique Peña Nieto エンリケ・ペーニャ・ニエト

Ana Valencia アナ・バレンシア
 … Manuel Mireles' wife
  マヌエル・ミレレスの妻

Estanislao Beltránin エスタニスラオ・ベルトラニン
 … spokesman, Autodefensas 自衛(警)隊の広報官

Janet Fields ジャネット・フィールズ
… Tim Foley's girlfriend ティム・フォーリーの彼女
 
Nicolás Sierra ニコラス・シエラ
 … Nicolás Sierra 'El Gordo' 'エル・ゴルド'として

Karla … カーラ

Alfredo Castillo Cervantes アルフレド・カスティージョ・セルバンテス 
 … Mexican political (as Alfredo Castillo)
  メキシコの政治家 (アルフレド・カスティージョとして)

María Imilse Arrué … マリア・イミルセ・アルーエ

Shawn Wilson … ショーン・ウィルソン
 

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先週末の土曜、3/18の AFP 時事通信で、メキシコ中部グアナフアト Guanajuato 州セラヤ Celaya で女性5名の遺体が発見されたというネットニュースを見ました。

セラヤの町は上に貼り付けた地図でいうと、ミチョアカン州モレリアの真北150km足らずのところに位置しています。

 

※ちなみに2019年以降、グアナファト州セラヤ市周辺では、在留邦人が車両強盗事件に遭う被害が多発しています。
その手口で特に多いのは、信号待ちの際です。 走行妨害を受け、停車したところを拳銃で脅した上、所持品や車両そのものを強盗するという凶悪なものです。

また襲われた際に犯人に抵抗して、拳銃で撃たれて大ケガを負うという事例も多発する傾向になっています※


(話を元に戻します)
すでに、今月セラヤ市内のイベント会場での仕事に向かう途中で、年齢 19歳から48歳の計6名の女性が何者か(後に武装した男たち、ギャング構成員と判明)に拉致されて行方不明となっていたそうです。

 

行方不明になっていた6名の女性達(現地の新聞紙掲載分より)



検察の報告では、当局は北東部タマウリパス Tamaulipas 州のギャング構成員とみられる容疑者6人を逮捕しているそうで、そのうち1人はホンジュラス人でした。

また、女性達を殺害した動機については捜査中で、現場鑑識活動が続けられているとの事でした。

私のブログ記事でも何度か書きましたが、公式統計でもメキシコでは一日に約10人の女性が殺害されています。

 

そして現在のグアナフアト州は、麻薬カルテルの「ハリスコ新世代 Jalisco New Generation 」と「サンタ・ロサ・デ・リマ Santa Rosa de Lima 」とが抗争を繰り広げる地となっていて、メキシコ国内で指折りの暴力事件多発地域となっています。

ギャング構成員が女性を拉致する理由は「強盗して金品を巻き上げる為」か、「家族に身代金を要求する為」か、「セックスの欲望を解消する為」だ…とはよく言われていることです。

女性が大量に殺された理由、その真実を知る為には、逮捕したギャング構成員が詳細を自白するのを待つしかありませんが、今回発見された5名の遺体は「ほぼ全身が焼け焦げていた」そうで、そのために遺体は「DNA鑑定」を経て、拉致された6名のうちの5名であることが確認されたそうです。
 

ネットニュースとは別の、3月17日の「CNNスペイン語版 現地報道」は以下の事を伝えています。

『 当局によると、犯罪グループはセラヤで行方不明になった6人の若い女性のうち少なくとも5人に火を放った

 グアナファトの検事総長カルロス・ザマリパ・アギーレは、セラヤ市で今月初めに行方不明になったと報告された 6 人の女性が殺害されたと報告した。

 ザマリパ氏によると、6 人の犠牲者のうち 5 人の遺体はフベンティーノロサスの自治体で焼かれているのが発見され、そこには犯罪グループに連行されていったという。

 彼は、行方不明者に対応する5つの「遺伝子プロファイル」がすでに確立されていると付け加えた 』

 

さらに、メキシコの地方紙を読むと、

 

検事総長は「司法解剖の結果、女性がほぼ完全に焼かれたことを示す骨を発見。発見された数百個の骨の破片は、死体が焼かれたあとで骨が粉砕されて散らばったことを示唆しており、これは麻薬密売グループの間では一般的な死体処理の方法です」と述べた。

 

…と、書かれています。

 

10年ほど前には人がドラム缶の中で焼かれて炭化していた事件があった

 

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ギャング構成員とは、カルテルの構成員であります。

普通、カルテルの構成員が女性を拷問にかけたり殺害したりする場合は、敵対するカルテル組織や、政府・司法の関係者の女性である場合が多く、何らかの「報復」を理由とする事が多いのですが、今回殺害された女性達は皆、どう見ても罪のない一般市民という感じで、犯罪者の知人がいるような女性には見えません。それに金品強奪されるほどの富裕層でもなさそうです。

 

そこから想像すると多分、麻薬中毒になっている下級ギャングどもが、単に性欲のはけ口として女性達を拉致し、目的を果たしたのちに少しでも証拠隠滅をはかろうとして遺体を炭になるまで焼いて粉々に砕いてしまった…ということかもしれません。

 

相手が今回のような「完全に堅気の一般市民」の女性でなければ、麻薬カルテルの死体処理方法というのは、下の写真のように、好きに切断損壊した遺体をそのまま、道路や街角にぶちまけて棄て去るスタイルが多いのですね。

 

 

いつものように、さらに余談を続ければ、国境の砂漠を越えて自由の国アメリカへ密入国を企てる女性たちもギャングたちの獲物になります。

 

上の地図中で一番北にある赤丸印は「鬼よりコワイ・チワワ州」で、その北にある合衆国との国境近くにあるのは 映画「ボーダータウン」の舞台になった「泣く子も絶叫する・シウダー・ファレス」です。

 

そしてこの国境の町を牛耳っているのがファレス・カルテル( Cártel de Juárez)であり、殺人、拷問、誘拐、恐喝、密輸、資金洗浄といった犯罪活動をしのぎにしています。厄介なのはこのファレス・カルテルは元警官や現職警官を構成員に持つ点と、市街戦の技能を持ったラ・リネア と呼ばれる武装ギャング部門を組織していることです。

 

このことは、新興カルテルの中では「メキシコ最凶」と恐れられる「ロス・セタス(Los Zetas)」と通じる点でもあり、セタスとファレスは友好関係を保っています。

 

ロス・セタスに立ち向かった女性弁護士N.S.レイエスの最後の姿

警告文の紙は、解体された遺体の胴部分を大きなナイフで貫いて留められていた

 

国境の町の支配者、ファレス・カルテルの構成員の中で人身売買でしのぎする者達はコヨーテとあだ名されているのですが、彼等は合衆国向けのドラッグの密輸と同時に、国境を越えてアメリカに行きたいと願う女性たちの合衆国への不法入国も手伝います。

 

女性達から数千ドルにも及ぶ不法入国の手助け料を巻き上げるのは勿論の事、行きがけの駄賃とばかりに、(報告によれば不法移民の8割超の女性達に対して)性的暴行を加えています。

 

そして、彼女たちの下着を戦利品のように砂漠の木にぶら下げて犯罪を誇示する…という習性があることもよく知られていて、地元の人々は子供用の下着までぶら下げられてるそれらの木々のことを「レイプ・ツリー」と呼んでいます。

 

中南米の国境地帯で多く観られる RapeTree

 

これも何度も私はブログに書きましたが、メキシコのやくざ者にとって「女性の生命」は枯れ枝よりも軽いのです。

 

レイプ殺人の被害者は女学生。通学途中に襲われた後、森に捨てられていた遺体

 

メキシコへの旅行を計画している あなた!

カルテルランドの中でも特に、

ボーダータウンに足を踏み入れることだけは

絶対に

やめましょうね!

 

執筆者への愛のムチを

頂けましたら幸甚ですニコ

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