③2019年度第二種電気工事士下期筆記試験問題の最初の方だけ考える(配電理論 問6~問8) | 日本と芸能事が大好きな Ameyuje のブログ

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米合衆国領土グアム島と仏領ポリネシアのタヒチ島とボラボラ島しか訪れた他国無し。比較対象が少ないのに「僕に一番合うのは日本」と思う。反日国に侮辱されても毅然とした態度をとらない現在の母国には「いやんなっちゃうな~」と立腹するけど、やっぱり日本が大好き。

 昨年度下期の第二種電気工事士筆記試験問題の第6問~8問は配電理論等の問題が出ていました。

 

【問6】

 

 

 この問題で使われている「単相3線式100/200V回路(1Φ3W 100/200V)」 は、私たちの家庭で使用されている代表的な配電方式です。

 問題図には書かれていませんが、3線のうち外側の2線間からは200Vの電圧が取れますので、テレビや扇風機といった使用電圧が100[V]の電化製品だけでなく、使用電圧が200[V]の大型エアコンやIH調理ユニットなども利用できます。

 

 また、下図の左端は100V交流電源が上段と下段に存在しますが、実際のこの部分は、高圧の6600[V]を低圧100[V]に降圧する「変圧器の2次側」になります(高圧側の描写は省略されています)。

 

 下図において 横向きに平行に流れる3線が電路としての電線になりますが、三線のうち、真ん中の電線は変圧器2次側で唯一接地されています。 

 

※補注 【電気設備技術基準 第12条第1項 より】(電気設備技術基準は経済産業省令)
 高圧または特別高圧の電路と低圧の電路とを結合する変圧器は、高圧または特別高圧の電圧の侵入による低圧側の電気設備の損傷、感電または火災のおそれがないように、当該変圧器における適切な箇所に接地を施さなければならない。(これがB種接地になります)

 B種接地工事を行う目的は、高圧または特別高圧電路と低圧電路が混触した場合に、低圧電路の対地電圧が危険電圧まで上昇しないようにするためです。 高圧電路が混触した時の、低圧側電位上昇の限度を150〔V〕以下として、接地抵抗値が決められています。

 (接地抵抗値の計算例:変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の1線地絡電流のアンペア数で150を除した値に等しいオーム数)

 

 

 このようにB種接地がとられた端子から負荷まで伸びる電線をNeutral Wire 中性線(N)とか、接地側電線と呼びます。中性線には絶縁被覆の色が白色の電線を使用します。

 また中性線を挟むように両側にある2本の電線を Live Wire 非接地側電線と呼び、それぞれの電線被覆の色は白以外の黒色や赤色の電線を使います。 中性線から見れば外側に在るので 外線 L1(LiveLine1) 、外線 L2(LiveLine2)のように表現することもあります。

 

【問6の解法】

 問題は、単相3線回路の中性線が断線したら、2つの抵抗負荷各々に加わる電圧はどうなるかということなので、 まず、中性線が断線した後の回路を書くと、下図の右側に書いた様な 直列接続された 100[Ω] と 20[Ω]の電気抵抗の両端 a点・c点間に200Vを加える回路になります。

 このとき、点a-b間に何ボルトが現れるか(100[Ω]の抵抗の両端の電圧は何ボルトになるか)?と聞いているので、

 「直列接続された電気抵抗全体a-c間に加えた電圧が、個々の抵抗に分けられる分圧現象」について思い出すと2点獲得できます。

 

 一般的に、電気の勉強を始めてすぐに、直流回路での分圧現象や計算式を学びますが、この問題では交流回路が使われています。 しかし 今回は2つの負荷ともに力率100%の電気抵抗であることから、 直流回路の場合と同じように 『全体電圧200[V]は、 接続される2つの電気抵抗各々の大きさに比例して分圧される』 ことになります。

 

 今回計算の対象となるのは a-b間にある100[Ω]の電気抵抗の両端に何ボルトが現れるかを求めるので、

 

 Vab = 全体電圧200[V] × 100[Ω] /(100Ω+20Ω) (←この桃色部分が分圧比率です)

     = 200×5/6 ≒ 166.666…

     ≒ 166.7 となり、 イロハニの解答群の中では最も近い

 

 問6の 答え. ハ.167   になります。

 


 

【問7】

 

 

 この問題は、上の図中にもヒントを書きましたが、 「三相3線式回路の電圧降下を求める式」というものがあり、

それは電圧降下v=√3Ir なので、式に値を代入して解く。

 

電圧降下v[V]=√3×線路電流 I ×線路抵抗 r 

 = 1.73×10[A]×0.15

 = 1.73×1.5 ≒ 1.73+0.86

 ≒ 2.59 となって イロハニの選択肢の中では 一番値が近い

 

 問7の 答え. ロ.2.6   

 


 

【問8】

 

 この問題は 毎年必ず出て来る 電線の許容電流 と、 電線を管の中に収めたり、ケーブルシースの中に収めたり(つまり管工事をしたりケーブル工事にしたり)する場合に、当該電線の元の許容電流値が減少してしまう(放熱悪化の為)その計算方法を憶えていますか? と問いかける問題です。

 

 電線の許容電流は ①のブログで紹介したように、よく使う単線ならばΦ1.6㎜からΦ3.2㎜の範囲と、より線ならば2スケから8スケまでの範囲を必ず暗記するようにしてください。 暗記すると他の問題でも応用が利くので6点ほど獲得できます。

 

 まず今回の問題は5.5スケの電線なので、 上の表から 49[Aアンペア]が電線を碍子引き工事したときに流すことが可能な値になりますが、今回はPF管(Plastic Flexible)という電線管に収めるので、放熱しにくくなるので、49[A]をそのまま流すことができません。

 

 そこで、最後に 管の中に収める絶縁電線の本数が3本で、電流減少係数は0.70とする★と問題に書いてくれているので、その値を元の許容電流に掛けて、答えを求めます。 最終の電線1本あたりの許容電流値は、

 

 電流値 = 49「A]×0.7 = 34.3[A] となって イロハニの選択肢の中では 一番値が近い

 

 問8の 答え. ロ.35[A]   になります。

 

 

というところで、 今日も3問しか確認できませんでしたが、ここで一旦おいて、またいずれこの続きを書きたいと思います。

 

ちなみに令和2年度「第二種電気工事士 下期筆記試験」の実施日は10月4日(日曜日)です。

 

 

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