中米の小国グアテマラへ行ってきました。10年ほど前グアテマラの先生方にオンラインでスペイン語を習っていたことがあり、以来ずっと行ってみたかったのです。
特によく先生方が話してくれた古都アンティグアのセマナサンタ(イースターの聖週間)のプロセシオン(聖体行列)が見たくて、最初は3月末の聖週間に旅行を計画しました。その後、聖週間中でなくても四旬節中であれば毎週日曜日にプロセシオンが見られることを知り、2月に計画を前倒ししました。
アンティグアのプロセシオン
これがそのプロセシオンです。十字架を担ぐキリストが乗った御輿を大勢の人で担ぎ、街中を練り歩きます。十字架を運ぶイエスの苦しみを追体験するように、御輿は少し進んだかと思うと押し戻され、ゆっくり進みます。写真では女性が担いでいますが、担ぎ手は何度も交代し、大抵は男性です。
こちらはマリア様の御輿。後ろにいるのはマグダラのマリアと使徒ヨハネ。十字架にかけられたイエスを遠くから見守った三人。この御輿はたいてい女性が担ぎます。
行列は何百メートルにも及びます。先頭を歩くのは子どもたち。ローマの兵士のようないでたちです。
ものすごい人数が行列に伴走します。地元の男性はみな揃いの紫色のローブを着ています。香炉を焚いているせいで煙がもうもう。
御輿に引っかからないよう、電線を長い棒で押さえる係も。
アルフォンブラ(絨毯)
アンティグアのプロセシオンを世界的に有名にしているのは、プロセシオンそのものよりもむしろ、アルフォンブラ(絨毯)と呼ばれる美しい路上アートです。
花や草、彩色されたおがくずなどで作られます。
住民がそれぞれ自分の家の前の道に数時間かけて描きます。
この絨毯制作のため、聖体行列が通る道は数キロに渡り、朝から一日通行止めとなります。
一つとして同じものがない絨毯が、何十、もしかしたら100以上、道に描かれます。
道に沿って曲がった絨毯も。
100メートル以上もある長い絨毯も。
絨毯の上に花が飾られていることも。
手作りのお人形。
お供え的な意味があるのでしょうか、果物やコーヒー豆、アブラヤシの穂などをあしらうことも。
制作風景
絨毯制作は、家族総出で朝早くから開始されます。
大人も子供も協力して一つの絨毯を作り上げます。
型紙を使えば、子どもでもきれいな模様が簡単に描けます。
すでに描いたところを壊さないよう、渡した板の上に乗って描く人々。
花も、型紙を使ってきれいに配置。
石畳のこんなにガタガタしたところにもアルフォンブラを描きます。大変そう。
最後は細かいシャワーで水を撒きます。水を撒くと絨毯の色がより鮮やかに見え、風に飛ばされにくくなります。
束の間のアート
御輿はこの美しい絨毯を踏んで通ります。
美しい絨毯は一瞬にして崩れます。行列が通るこの一瞬のために、人々は何時間もかけ、家族総出で作業するのです。
夜
プロセシオンは日没後も続きます。
この日の予定はこんな感じ。朝10時に近隣の村の教会を出発、午後アンティグア市内を練り歩き、元の教会に戻るのが夜中の11時。
夜通る道にもアルフォンブラは敷かれていました。夜のアルフォンブラにはろうそくの灯が。
こんな行列が6週間もの間、毎週行われ、最後の一週間は毎日続きます。今回はほとんどが地元の人でしたが、聖週間中は世界中から観光客が集まり、もっと混むそうです。地元の人から聞いた話では、宿や物価も値段が通常の3倍に跳ね上がるのだとか。聖週間を外して行って良かったです。
他の町のプロセシオン
四旬節にプロセシオンが行われるのはアンティグアだけではありません。
こちらはパナハッチェルという町のプロセシオン。アンティグアとは違い、ここでは毎週金曜の夜に行われるようです。行列が通る直前まで道は通行止めにならず、よってアルフォンブラはありませんでした。
灰の水曜日
四旬節は復活祭の46日前の水曜日から始まります。その水曜日は「灰の水曜日」と呼ばれ、額に灰で十字を描く習慣があります。
わたしも地元の人に混じり、パナハッチェルの教会で描いてもらいました。普通は2、3日つけたままにしておくのだそうですが、わたしは化粧を落とすときにうっかり額まで拭いてしまい、わずか1、2時間で消えてしまいました💦
マヤの土着信仰
グアテマラではカソリックの他にもう一つ、伝統的な宗教があります。それはマヤの土着信仰です。
マシモン
中でも有名なのが、サンティアゴ・アティトラン村におわす「マシモン」もしくは「サンシモン」と呼ばれる神様。「地球の歩き方」にも載っているほどメジャーですが、村の家々が毎年持ち回りでお世話を仰せつかり、家々を渡り歩くので、地元の人に連れていってもらわないと、今の所在にたどり着けません。でも観光客には極めて寛容で、入場料として一人5ケツァル(約100円)、写真撮影代として10ケツァル(約200円)お供えすれば、写真撮影もOKでした。
酒、煙草を好むと言われるこの神様。この時も葉巻をふかしておられました。
隣にはなぜかカソリックの聖人の遺体?が。
村全体が敬うマシモン像とは別に、この家が独自に祭るマシモン像が同じ部屋でやはり煙草をふかしていました。
バスクアル・アバフの丘
同じく「地球の歩き方」にも載っているチチカステナンゴのパワースポット。石の偶像がいくつか見つかった場所であることから、聖なる場所として儀式が行われるようになったのだそう。丘を登ると、ちょうど儀式の最中でした。
花びらを燃やし、その煙に願いを載せて空の神に届ける。左の男性がシャーマンで、右の女性が依頼主だそう。
土着信仰の割には祭壇に十字架。シャーマンは村に100人以上いるそうです。
今回のコーデ
2月のグアテマラは乾季、日本の初夏くらいの気候ですが、朝夕が冷え込むので、日本から着て行ったカーディガンやライトダウンが重宝しました。
冬の日本を出発したときの服装:
長袖カットソー:Uniqlo(極暖ヒートテック)
カーディガン:New Yorker
ダウンジャケット:Uniqlo(ウルトラライトダウン)
パンツ:Uniqlo(ウルトラストレッチデニムレギンスパンツ)
靴:アピタオリジナル マシュマロクッション スニーカー
バッグ:Lesportsac
【色番】D246 オンザドット(On the Dot)
【型番】87184 ミディアムウィークエンダー(Midium Weekender)(ボストン)
【色番】K038 ビッチィーディッチィー(Bitsy Ditsy)
【型番】7520 クラシックホーボー(Classic Hobo)(街歩き用)
アンティグアは石畳のため、靴はスニーカー一択。
荷物の中身
今回は3社の飛行機を乗り継ぐ旅で、いずれも荷物の大きさ・重さ制限がタイトだったので、軽いレスポートサックが大活躍しました。
夫:バックパックとボストンバッグ
【色番】D939 バーミースプリング(Balmy Spring)
【型番】87184 ミディアムウィークエンダー(Midium Weekender)(ボストン)
【色番】D939 バーミースプリング(Balmy Spring)
【色番】7990 ラージ ベーシック バックパック(Large Basic Backpack)(街歩き用)
わたしのボストンの中身はこんな感じ:
衣類は現地調達するので少な目。下着もこまめに洗うので少な目。
モノが探しやすいよう、チャック袋に分けて収納。
一番タイトな荷物制限はロスからグアテマラシティまでのアヴィアンカ航空。荷物オプションをつけなかったので、一人につきパーソナルアイテム1つ、重さ7キロ以内に収めなくてはなりませんでした。
まず衣類を入れ
次に小物。
バッグはすぐ取り出せるよう、最後に。
5キロに収まりました~\(^o^)/
夫の荷物も同様に。
衣類、一眼レフ、虫よけスプレー、アンメルツ、カロリーメイトなど。
最後にリュック。
でもこのあと、機内で食べるお菓子や、お土産などを入れたら、空港のチェックインカウンターでは二人分で12キロと表示されてました(笑)。
ホストファミリー(二か所)へのお土産。キットカットの抹茶ラテ味とフリクション。フリクションにはレフィルを一本ずつつけました。
問題は帰りです。帰国日の前日に重さを測ったらなんと! 二人で23キロ・・・!! そんなにたくさんお土産を買ったつもりもないのに、一体どうしてそんなことになってしまったんだろう?と不思議がりながらも、仕方なく 38ドル(5800円くらい)の荷物オプションを購入しました。
そしたらなんと・・・!! はかりの重さ表示がキロではなく、いつのまにかポンドに変わっていたことに、帰国日の朝になって気づいた。23キロじゃなく、23ポンドだったんです。つまり行きと同様、10キロくらい。とほほ・・・。荷物オプションなんて全然買う必要なかった・・・😿 無駄に38ドル払ってしまった~!!
旅のノート
海外旅行へ行くときは、いつも自分で作った旅のノートを持っていきます。
ページが入れ替えられるリヒトラブのツイストリングノートを使用。リングは大き目の径(70枚用)を使っています。表紙はインターネットで配布されていた画像をプリントアウト。いつでもメモできるよう、リングの中にボールペンを入れて持ち運んでいます。
ガイドブックのコピーや地図や、Eチケットやビザなど、何でもかんでも印刷して穴をあけ、ここにファイリング。
パスポートも専用のファスナーポケットに収納。ポケットをいくつかつけておくと、列車のチケットや搭乗券なども入れられて便利です。
次回はグアテマラの衣食住について書きます。