最近皇室関連のニュースが多くうれしい限りですが、ともすれば人気投票や比較的なことが起きたり、変な憶測記事やSNSが出回っていることは残念でなりません。それが皇統の分断を狙っているのではないかと思われるものであるからなおさら、そう感じるわけです。

 

そんな中、安定的な皇位継承をめぐる各党派の議論がGW前後に行われる予定だといいます。そうしたことを踏まえて、活発な憶測が出回っているのかもしれません。

 

そうしたことに私たちが振り回されないためには、やはり自ら知ることが肝要です。先日、『皇統を守る道』という冊子を見つけ読んだのですが、ここにはあまり知られていない旧宮家と皇室の今も続く繋がりが、『昭和天皇実録』よりわかりやすく引用されています。なかなか『昭和天皇実録』に目を通すことが難しくても、こうして旧宮家について取り上げてくださる著書があることで、旧宮家からの男系男子の養子縁組案がなぜ出てきたのかを理解しやすくなります。

 

 

以下のホームページに、本書の目次が記載されていますが、本書には皇室離脱された後も、天皇と皇室が、旧宮家との関係をいかに続けてきたかがわかりやすく書かれています。

 

このことにつきましては、このブログでは、お正月や天皇誕生日等の特別な日の予定を宮内庁のHPで拝見するようになって、そういうことなんだ、と理解するようになりました。つまり、長い間一般国民が忘れ去っていただけであって、御親族同士であられる天皇をはじめとする皇室と旧宮家の方々の繋がりが切れようはずが、なかったということなのです。

 

こうした年中行事はもちろん、記憶に新しい令和の代替わり行事においても、そして園遊会においても、旧宮家の席次は内閣総理大臣よりも上にあるのです。つまり御親族だからです。

 

私が天皇と皇室にだんだん興味を持つようになってから約15年あまりになりますが、その前の全く無知でいたころと違って、色んな事が理解しやすくなりましたし、大手メディアやSNSのおかしな風潮には我慢がならなくなってきました。そして、そうしたことが起こっているのは、私たち一般人の無知につけこまれているのだということも。だからこそ、しっかり知ることが必要なのです。日本の悠久の歴史は、探求するほどに無知を目の当たりするほど奥が深いもので、いつになっても終わりは見えませんが、少しずつでも知っていくことで日本を理解できるようになってきていると思うのです。

 

本書の終章は「安定的な皇位継承の実現のために、国民は今何をなすべきか」となっていますが、以下のように書かれています。本書を最初から読めば、この結びの章にも納得できるのです。

 

旧皇族の方々の覚悟と、国民の債務

・・・前略・・・

昭和二十一年冬、宮内省で開かれた重臣会議の席上、終戦時の首相・鈴木貫太郎が、十一宮家の皇籍離脱によって「将来皇位継承者がいなくなったらどうするか」と尋ねたのに対し、加藤進宮内府次長は次のように答えたというのです。

《かつての皇族の中に社会的に尊敬される人がおり、それを国民が認めるならその人が皇位についてはどうでしょうか。》

加藤はまた、皇籍を離脱しようとする十一宮家の方々に対しては、次のように進言しています。これは、われわれ国民が心に留めておくべき重要な歴史事実、と言わねばなりません。

《万が一にも皇位を継ぐべき時が来るかもしれないとの御覚悟の下で身をお慎みになっていただきたい。》

これは、驚くべき発言だと言わねばなりません。理不尽な占領政策によって強いられたこととはいえ、これから功績を離脱して一般国民になろうとする人々に対して、「万が一にも皇位を継ぐべき時が来るかもしれないとの御覚悟」を促しているわけですから。

・・・略・・・

旧皇族の方々は、GHQの政策により、一時的に皇籍を去ることを余儀なくされたものの、それは長い長い日本の歴史から見れば、一時の「変態」というべきものであって、いずれは「常態」に復すべき正当な理由があるということを、我々国民が正確に理解する必要があります。

本来、皇位継承権を持っておられた方が、理不尽な占領政策により、一時的に民間に下られたのです。しかし、これまで縷々申し上げてきた通り、旧皇族の方々と今の皇室は、依然として強いつながりが維持されていて、寛仁親王がいみじくも証言されたように、少なくとも皇族の方々にとっては旧皇族の方々に皇籍に復帰していただくことに対して、少しも違和感はないのです。

皇族の方が違和感はないのに、旧皇族についてろくに知りもしない国民の方が違和感があるからと言って、私たちがそれを妨げていいのでしょうか。いいわけがない、と思うのです。旧皇族の御子息の方々に、皇籍に復帰していただくことこそが、悠仁親王の後の皇位継承を安泰にするために、今最も必要とされていることなのです。

最後に、竹田恒泰氏の言葉を紹介しておきましょう。

・・・略・・・

《万が一、何らかの方法で旧皇族の皇籍復帰が求められる事態に至った場合は、一族としてその容貌の応える覚悟を決めておかなくてはいけないと考える人が、大半を占めていることを明確にしておきたい。

ただし、一族の中には、自ら進んで皇族になることを希望する者はいない。皇室から、そして国民から求められた場合には、責任を果たしていかなくてはいけないと覚悟している者が複数いて、その数が増えつつあることは確かである。》

このように、旧皇族の方々は、ご自分では敢えて口にされませんが、重大な「御覚悟」を内に秘められておられると思って間違いありません。あとは、我々国民の側が、旧皇族の方々が皇籍に復帰しやすいような環境を整える、そのことが必要とされているだけではないでしょうか。

例えば、皇室典範の第九条は「天皇及び皇族は、養子をすることはできない」として、養子縁組を禁止していますが、この条項を改正して宮家が旧皇族の子孫を養子にできるようにすることは、現実的な方法の一つだと思われます。出来るだけ自然な方法で、旧皇族が皇籍に復帰できるよう、国民の英知を傾けたいものです。

旧皇族及びその子孫についての国民の理解が、今後一層深まり、皇籍復帰の機運が高まることを願ってやみません。

 

本書は薄い冊子で読みやすく、宮家の歴史から、皇籍離脱した十一宮家や現在の旧宮家の略系図までもあり、現在の状況もみやすくなっています。今後のニュースなども、これが手元にあれば理解しやすいのではないかと存じます。

 

 

 

 

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