本日は105年前、日本からの人種差別撤廃提案がされたパリ講和会議の国際連盟規約草案委員会が開始された日です。

 

その第10回会合が行われた2月13日に人種差別撤廃が日本から提案されましたが、提案した宗教事項が削除されました。そこで最後に行われた4月11日の第15回会合において人種平等を連盟規約の前文に盛り込むべく修正提案し、これは採決され17票中11票の圧倒的多数で支持されました。ところが、議長のウッドロー・ウイルソン(米国大統領)が介入し、こうした重要案件については全会一致にすべしとして退けられたのです。

 

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この人種差別撤廃は、明治維新以来の日本の悲願でした。欧米列強が人種差別をしているのはアフリカ系ばかりではなくアジア系に対する差別も酷かったからです。アヘン戦争後の清では欧米人が主人のようにふるまい、チャイナ人は下僕のように扱われていました。長州藩の高杉晋作は藩命で上海視察をしておりその時の驚きと嘆きが文書に残されてるそうです。高杉は下関戦争後のイギリスとの講和交渉でイギリスを煙に巻いたことで知られていますが、それはそのような体験から下手な交渉は出来ないと臨んだからです。

 

 

また幕末に起きた尊皇攘夷運動はそうした情報も原動力となっているのです。

幕末明治を生きた五代友厚を描いた映画「天外者」では、幕末に日本が押し付けられた不平等条約や、さらに不平等な取引をしようとする列強を押しとどめる五代友厚が垣間見れますが、それが世界の現実でもありました。

 

近年復刊が続いている大川周明の『世界史』では、本の約半分が植民史となっています。戦前の日本人はそうしたことをきちんと学んでおり、だからこそこのパリ講和会議での人種差別撤廃、人種平等提案が両方とも退けられたニュースに多くの日本人が憤慨したといいます。

 

後に多くのユダヤ人を助けたことで知られる杉浦千畝はこの時早稲田大学の学生でした。また、太平洋戦争終結後もアジア各地に残って現地のために戦った方々はこうした歴史を学び憤慨していた方々です。また、特攻で戦った若い学生たちも、そうしたことを憂慮しており、日本が負けたらそうした差別を行ってきた西洋列強が日本にどのようなことをするか、という思いから戦われていたのです。そうした思いを記していた方々もいます。ただただ、日本が戦争を始めたから戦わされたなどという単純なものではないのです。私達はそうした先人達の子孫であることに誇りを持っていいのではないかと思います。

 

 

差別について考えさせられる本を何冊か。

 

差別という観点から書かれた本。日本と海外の違いについて書かれています。この本を読むと日本に日本人として生まれたことを感謝すると思います。

 

杉浦千畝を中心に人種差別と闘った日本人について書かれた本。デュラン・れい子さんは長年海外で暮らしておりその交流の中での会話がとても興味深い本を何冊も書かれていますが、この本の中での会話も興味深いものがあります。海外でこのように日本のことを伝えてくれる人がいることに感謝します。

 

当時の世界の状況、植民史が書かれている大川周明の『世界史』

 

 

このブログでは何度も竹田恒泰氏の中学歴史教科書について取り上げていますが、人気ブロガー伊勢正臣氏が検証してきた高校歴史教科書が一冊にまとまった『判定!高校「歴史総合」教科書 こんなに違う歴史記述』においても、こうした歴史の一端がわかりやすく書かれています。そして歴史教科書に置いての記述の違いに驚かされるかと思います。きちんと日本の歴史を教われば、先の大戦で先人たちがなにと戦ったのか?何を誇りとしていたのか?が理解しやすくなります。先の大戦の時代の先人達とは、こうしたパリ講和会議の時代を現代として生きていた方々です。

 

現在、幕末・明治・大正時代とは違った人種差別が行われており、大きな問題となっています。また世界では、人種差別撤廃といいながら新たな差別をする運動もあります。私達は先人達の例に倣って、見せかけの活動にまどわされることなく、こうした事に向っていくべきではないでしょうか?少なくとも、こうしたことを見て見ぬ振りはしたくないものですし、こうした事があるという現実と向き合ってその対応を考えていくべきではないかと思います。

 

冒頭の「1919」は日本の歌を作り歌われている山口采希さんが、人種差別撤廃と人種平等の提案した年を讃え歌ったものですが、この「若い日本」は采希さんのもう一つの活動、昔の素晴らしい歌を伝える活動で歌われている歌です。これは昭和37年に作られた歌ですが誇りと理想に燃えた歌です。誇りを培うことの一つは気高い先人達を知ることです。

 

 

若い日本

(1)
日本は いつでも 若いのだ
国が 桜の 花ならば
ひとり ひとりが 花びらだ

輝く誇りを持っている
気高い理想を持っている
咲こう 咲こうよ 咲き通せ
日本よ 日本よ 我らの日本

(2)
日本は いつでも 進むのだ
国が 火をはく 島ならば
ひとり ひとりが 溶岩だ

燃え立つ意気と情熱で
世紀を越えて進むのだ
燃えろ 燃えろよ 燃え通せ
日本よ 日本よ 我らの日本

(3)
日本は 大きく のびる木だ
たまに 嵐に 折れたとて
若い芽がある 枝がある

がっちり組んで堂々と
世界の上にのびるのだ
のびろ のびろよ のび通せ
日本よ 日本よ 我らの日本

 

日本は、一つ屋根の下みな仲良く暮らしたいと考えてきた国

 

 

 

山口采希さんの歌のメドレー
6:30~「1919」です\(^o^)/

 

なお、なぜか日本国内において日本人への差別、虐待が始まっています。日本の宝は、日本の素晴らしい未来を担い支えていくのは、日本人の若い人たちであるはずなのに、その芽が摘まれていると考えざるを得ない状況はおかしくありませんか?違和感は感じませんか?

 

 

 

 

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