2、3日前よく行く本屋を通っていたら一番前に源氏物語コーナーをせっせと作っている所でした。大河ドラマが決まってから、そして年末辺りから源氏物語ものや平安ものの出版ラッシュ状態でしたが、ザッと見100冊以上あったのではないかと思います。昨年は、家康、戦国もの、その前は鎌倉もの、と大河ドラマに影響されて出版物が増えることは今後も変わらないのでしょうか。私はNHKを観ていないので、今のドラマの始まった状況も不明ですが、この出版ラッシュには便乗させてもらって、面白そうな本をチェックしています。それにしても、その本屋のコーナーを見て、源氏物語関連は元々たくさんありますが、出版ラッシュ含めるとこんなにあるのか!と今更ながらその人気に驚かされました。たぶん、家康ものよりも、鎌倉ものよりも圧倒的に多いのではないかと思いました。

 

私は大塚ひかりさんの斬新な源氏物語についての解説本を何冊か読んでいるのですが、その大塚さんも新しい本をだしていましたが、今までの総集編的かな~と感じて今のところスルー中です。せっかくなので、新しい作家開発も必要か、と。面白そうに感じた一つには、ムック本で平安時代の物が図解と写真で丁寧に解説されていたもの。ムック本も何冊か出ているので、まだ検討中ですが、それを購入しようかと思っています。普通の解説書籍についてはただの便乗本(専門家ではなくライターがまとめた的な本)もあるようなので、見極めたいと思いつつ、当時の専門家の本も多くて、研究者にとっては稼ぎ時だなあ~なんて思いつつ、本選びを楽しんでいます。

 

そんな中、最初に購入したのが本日のタイトルロール『源氏物語の作者を知っていますか』。著者の高木和子氏は、何冊も源氏物語について書かれている研究者です。なぜ、この本をまず買うことにしたのかといえば、本をパラパラした時に、作者がコロナ禍を経て、今までただの昔の習慣・しきたりと感じていた、人と直接接しない、御簾越に会話をする、死を穢れとして死に立ち会わない、などという当時当たり前に行われていたことの見方が変わって、今のような最新の医学の知識のない当時の最大の知恵だったのではないかと思いいたった、という文章を読んだからです。なんでこんな習慣が?と思うようなことに深い意味があったりするものですが、現在の私達にはなかなか理解しがたいことにも、このような意味があったということを遠く離れた未来の私達でもこうしてわかる時が来る、そうしたことを書かれている作者が気に入ってしまいました。あるいはこうしたことが、稽古照今、古きを知って新しきを知ることに繋がるということなのではないか、と改めて考えさせられた文です。

 

また、早速始まった大河ドラマでそのゲスっぷりが話題になっている紫式部の父藤原為時が仕えていた師貞親王(後の花山天皇)についても、伝えられていることを全て鵜呑みにはできないと書いています。つまり、花山天皇は藤原兼家の策略によって出家させられたわけで、そうした政治的敗者に対して、自分たちを有利にするためそうした噂を流された、あるいは女性との関係を悪用されたというわけです。天皇になってからは意欲的だったそうで、それは法皇となって後、西国三十三カ所巡礼地を復活させるなどの活動をみても、うなずけるものがあります。

 

 

 

それから、以前から興味を持っていたのが冲方丁氏が描いた小説『月と日の后』。一条天皇の后としては定子と比較され、また仕えていた紫式部の存在が大きく、またその若さもあって存在感が薄いように感じていたのですが、86歳という長寿を全うし、二人の天皇の生母であり国母ともなった、実は物凄い存在だったんだと改めて思わされて、冲方丁氏の目の付け所はやっぱり凄いと思っていたので、これを機に読もうかとも考えています。冲方氏がどのように書いているのかにも興味があるので。

 

昨年11月文庫版が出ていました↓

去年の4月のインタビュー動画。

 

こちら大塚ひかり氏の新著『やばい源氏物語』。ラフな書き方と文体で読みやすいのですが、近年下品な文体(題材にあわせてかもしれませんが)になりすぎていました。ただ今まではっきり言われてこなかった古典について、現代的に紹介し始めた走りの作家ではないかとかんがえています。源氏物語から始まり、多くの古典についての著作があります。

検索したらもう一冊新著がありました。

以前から読みたいと思っていた『殴り合う貴族たち』の著者篠田信一氏の新著にも興味があります。

『あさきゆめみし』もまた読みたくなってしまった・・・原本には手が出ない・・・。

 

歴史に興味のある方は言わずもがなでしょうが、大河ドラマ好きやドラマ好きの方にはこの機会に、ぜひ天皇の存在が大きかった時代である平安時代について知っていただきたいなあと思う今年1年です。源氏物語や平安時代の研究者の著書がねらい目ではないか、と思います。

 

 

 

源氏物語より前の時代に初出の「君が代」の歌は人々に愛され、だんだんと今の形に整えられて機会ある度に歌われてきた人気の歌として、明治時代に国歌として歌われるようになり、後に正式に国歌となった歌です。

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