1月19日、歌会始の儀が行われました。

 

 

この和歌を詠む独特の節回しの練習には「君が代」を歌われると以前竹田恒泰さんがおっしゃっていました。竹田恒泰さんの君が代講座では、御製、御歌それぞれの節回しで「君が代」を歌われています。

 

 

この歌会始は江戸時代末期の宮廷儀式を描いた「旧儀式図画帖」によれば、以下のように書かれています。

 

正月下旬には小御所で和歌御会始(わかぎょかいはじめ)が催されました。出席者には事前に御題(ぎょだい)が通知されており、各人の和歌を読師(どくじ)の進行のもとで、講師・発声・講頌たちが読み上げる披講が行われました。下位から高位へと順番に披講され、下位なら一遍、大臣なら二遍、摂家なら三遍、天皇の御製は七遍と読み上げる作法でした。

 

旧儀式図画帖より

 

宮内庁の歌会始のHPには既に奈良時代には行われていたことが、万葉集から知ることができると書かれています。

※こちらには歌御会は、「うたごかい」と書かれています。

 

万葉集といえば、令和の元号でも注目されましたが、7、8世紀に歌われた和歌の日本最古で最大の歌集であり、4516首という量で、世界最大・最古の選詩集となっているといいます。


古さだけでいえば紀元前のギリシャの叙事詩が有名ですし、中国にもあります。しかし、万葉集には世界にない特徴があるとドナルド・キーンさんが論じています。


一、題材が豊富であること。天皇の国見の歌から、恋の歌、生活の歌まで、その題材の豊富さは世界でも稀なこと。


二、語彙が豊富なこと。

 

三、作者が宮廷の詩人だけでなく、防人の歌や東人などの地方の人や、乞食者(ほかひびと)など多彩なこと。

 

私は、上記に三一文字に多くの意味を持たせているということも付け加えたいと思います。もちろん海外の詩でも、書かれている以上の意味があるというのは、読んだことがありますが、和歌にはそれ以上に多くの意味が持たせられているのではないかと思うからです。そして、そうした意味がわかった時、そこには感動が待っています。

 

ただ、そうはいっても私達が普通に読むとき、難しく考えずに読めばいいと思います。短歌であればたった31文字。意外に昔の和歌でもなんとなく訳なしで意味がわかるのが大和言葉の凄いところですし、語感は誰でも感じ取れます。言葉さえわかれば、誰でも千年以上前の人の歌までなんとなくでも理解できてしまうのですから、ただ素直に読んで楽しめばいいのだと思います。

 

深い意味等はもちろん研究者だよりとなりますが、万葉集は特に万葉仮名の解読に平安の時期から取り組まれてきたものであり、未だにその読み方にいくつかあるものや、解読できていないものもあるというのですから。

 

ねずさんの「奇跡の国日本がわかる万葉集」では、第一首の雄略天皇の御製や天智天皇、天武天皇、額田王の三角関係と揶揄されてきた歌が、今まで言われてきたような意味ではないということが書かれています。百人一首の時と同様、目からうろこでその言祝ぎは令和の時代にふさわしいのではないかと考えています。和歌は、特に御製は言祝ぎの意味があるからです。だからこそ、撰集に載る歌は言祝ぎの歌であるはずなのです。

 


後に生まれたひらがなで和歌は書かれるようになりました。だからこそ、平安以降の和歌は現代の私達でも読めるのですし、幕末好きな人たちが良く引用する坂本龍馬や高杉晋作の歌が現代の私達にわかりやすいのは和歌だからこそであり、和歌が大和言葉で書かれたものであるからです。和歌の集まりが、社交場だったと聞きますし龍馬は日本各地でその集まりに参加していたそうです。その和歌の集まりは身分に関係なく人々が参加していたのだといいます。

 

↓和歌の前での平等について

 

 

日本の歴史を知れば、和歌抜きに語れませんから、和歌に興味を持つのは自然なことではないかと思います。

特に今年は、大河ドラマで紫式部を取り上げており、和歌全盛期の平安時代に注目が集まっています。せっかくですから、和歌への興味がもっと広がればいいなあ、と思います。古来から身分に関係なく和歌を共有したように、時代を超えて共有できるものが和歌といえるかと思います。こんな素晴らしいものを知らないのは、日本人としてもったいないのではないでしょうか。

 

そして、きっと和歌の本を読んでいたら自分でも詠みたくなります。

来年の歌会始のお題は「夢」と発表されています。是非、是非、是非、応募しましょう\(^o^)/

詠進要領

 

竹田恒泰さんの歌会についての解説動画ですが、こちらでも応募しましょうとおっしゃっています。特にお子さんがいらっしゃる方は、親子で応募すれば、親が選ばれなくてもお子さんが選ばれれば親子で宮中に行ける!のだから、親子で応募したほうがいいともおっしゃっています。また、歌会に呼ばれなくても応募した和歌は天皇陛下が全部ご覧になるそうですから、これは送ったほうがいいです。ちなみに、私は今まで7回送っています。今年も頑張ります\(^o^)/

 

今年の入選最年少者は17歳。最高齢者は88歳。年齢にも幅がありますね。

 

君が代の原型はここから

 

明治神宮では御製と御歌がおみくじになっています。他にも和歌がおみくじの神社はたくさんあります。

 

笠間書院のこのシリーズは私のような初心者には入りやすい和歌のシリーズです。

 

おおらかな伏見院の御製の本

 

みんな大好き武将の歌も多く記載されています。

 

和歌といえば百人一首。ねずさんの解説は目からうろこで、これを読むと日本の歴史に興味が湧くと思います。

和歌を読み解くことで日本が見えてくる2冊。

 

御歴代天皇の御製から、御歴代の天皇を紐解くこともできます。

百人一首の人気を高めた大人気漫画の「ちはやふる」の実写版映画。

 

 

 

 

 

 

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