何回もここでは書いているのですが、日本は本当に不思議な国です。何かの危機があるとそれを救うような現象が起きるということが何度もあるのです。

 

寺社の存在が危うくなっているのではないか?と考えているといつのまにか、仏像人気がじわじわと浸透してきたり、御朱印人気や艦コレ人気、パワースポット人気で参拝者がじわじわと増えたりしているのです。

 

特にその凄さは、じわじわと来ていること。つまり一過性のものではない、ということが凄いと思います。急激に人気となるものは飽きられるのも早いですが、じわじわと来るものはゆっくりな分、定着率も高く長く続くのです。まさに振り子の反動です。

 

そしてそれは現在の刀剣人気にもいえるのではないかと思うのです。


随分前、刀剣の危機について書いたことがあります。いつのことだったか確認してみたら2014年でした。この頃読んでいたのが女性の刀鍛冶の漫画『カナヤゴ』↓

現在の刀剣人気のきっかけといわれる刀剣乱舞のゲーム配信が2015年。もともと刀剣そのものは地味に人気があったと思うのは、私が最近気が付いて気に入ってしまった漫画『KATANA』が初めて描かれたのが2004年で、その後シリーズ化して今に至っていること。これだけ連載が続いているのは題材の面白さ、作者の物語力もさることながら、刀剣人気もあと押しをしていると思うのです。いえ、この『KATANA』以前にも、刀剣が題材に使われる物語は昔からあって、そもそも古事記には刀剣がいくつも登場しており、その代表が草薙の剣であり、三種の神器の一つであるのは日本の常識でしょう。

 

実は1巻がネット配信版しかなくて2巻から読んでいます・・・。

私が刀剣をきちんと認識するようになったのは子供の頃見ていた人形劇の『里見八犬伝』に登場した幻刀村雨か、あるいはいつ読んだかも覚えていない神話の草薙の剣のどちらかからです。一定の世代の人は、この二つのどちらかから始まった人が多いと思いますが、神話に刀剣が登場してきたという下地があるのはやはり大きいのではないかと考えています。

 

そして時代劇もの、時代小説や歴史小説に刀剣が登場する確率は高いです。特に侍の物語となれば必需品となります。最近は、ライトノベル分野もこうした時代ものを扱った小説が物凄く多いですから、刀剣が登場する確率も高いです。

 

刀剣もやはりじわじわと浸透して今の人気があるのだと思います。

 

そんな中、意外な語り手が刀剣の魅力を伝えていました。

↓刀剣 ふなっしーが刀剣にはまっており、自ら鍛冶体験までしながら刀剣について紹介しているのですが、とてもわかりやすいです。特に素晴らしいのが、ここ2年ばかりでずいぶんと刀剣を収集したふなっしーが、自分は買ったのではなく預かっていると語っているのがとても印象的です。ふなっしー、やっぱり素敵です。

3月10日まで視聴可能

 

 

番組中で紹介された刀剣屋さん。

 

ふなっしーが、刀剣を見るのにいい場所を紹介している中に山王日枝神社がありましたが、まさしく神社ほど全国で刀剣が保管(奉納)されているところはないのではないかと思います。

 

私がよく知っていてお勧めできるのは、熱田神宮と靖国神社ですが、他にも全国に刀剣が納められている神社はたくさんあります。

 

昨年熱田神宮にオープンした草薙館。刀を祀る神社だけに多くの刀剣が奉納されており(日本一?)、今までも宝物館で一部の刀剣が展示されていましたが、刀に特化した場を作ってしまいました。ただし、一部公開にならざるをえないのは神社の敷地を考えてみればしょうがないのかもしれません。しかしそれにしても、考えていたよりも小さいのであまり期待しすぎないでいくほうがちょうどよく、次に展示されるのは何か?と期待していくのがいいのかもしれません。なにより、実物の日本刀を握れる体験は貴重です。

靖国神社の遊就館の入り口と最初のコーナーには刀剣があります。かってはここで刀が造られていたこともあり、意外に多くの刀剣を見ることができる場所でもあります。また定期的に刀剣に特化した特別展も行っています。

 

刀剣、特に日本刀はまさしく日本製。こうしたものを護っていくことで現在の技術に繋がっているものもあります。まさかと思うような伝統技術が意外な現代技術に結びつきます。こうした技術を維持継承するためにも、こうしたものに興味を持ち続けることも必要だと思いますし、そうした興味が現代的なソフトで維持されていくのも時代の変遷であり必然とも思えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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