七日に緊急事態宣言が出てから初めての週末ですが、街の風景は見たこともない閑散としたものとなっています。

 

緊急事態宣言後、海外メディアでは遅すぎるとか緩すぎるとかいろいろ書かれていましたし、日本でも現政府に何でも反対な人たちやメディアが批判していました。これに対しすぐに翻訳ブログに出てきたのがそうした海外メディアに反論する人々です。

 

また竹田恒泰さんも反論していましたね。これは何でも反対系の人達以外の日本人はみなわかっていたことを竹田さんがあらためて言葉にしたといえるかと思いますし、それがこの週末の風景かと思います。

 

一方で、欧米で急激に武漢ウィルスが蔓延してから、早くから症例が出ているのに爆発的な蔓延を抑えている日本に注目が集まったのも事実です。色んなことが言われていますが、なにしろ古来からの禊の習慣に繋がる衛生観念と、そしてマスクをすることが普通であること、また花粉症の人が多いことにより、この時期多くの人が元々マスクの在庫があるのが当たり前であったことも幸いだったと思います。私も普段はマスクをしていないのにもかかわらず、数年前に箱買いしたマスクがほとんど残っていたおかげで3月途中までそれで乗り切りました。それから、年初から武漢ウィルスの話題は流れてましたし、旧正月の辺りにも入国制限がされなかったことから、警戒していた人が多くいたことも大きいかと思います。おかげで今年は例年に比較してインフルエンザの罹患も少ないことがニュースになりました。それが、早くから入国制限をして油断していた米国などとの違いではないかと思います。米国では入国制限をしていましたが、日本や欧州経由で多くの中国人が入っていたことが最近言われていました。それから挨拶時に握手や抱き合ったりキスをする習慣の国々と違い、日本では基本身内でも接触は少ないですから、そうした週間の違いも大きいでしょう。また、満員電車が感染場所として出てこないのは、基本満員電車では喋らないことが大きいとも言われています。

 

この習慣の違いは本当に大きくて、今回家に籠っている海外の日本人のツィッターやユーチューブへの参入が増えているのですが、その内容を聴くと普通の日本人では驚いてしまうような衛生観念が多くて、特にイタリアで急激に感染が増えた時話題になったのが欧米の人はトイレの後で手を洗わない人が多いことで、これは男性だけでなく女性もそうだとスペイン在住のユーチューバーCristal Spainさんがおっしゃってました。日本ではどこでも水が出てくるという水資源に関しては恵まれているといるのが、こうした衛生観念の違いに出ているのかもしれませんが、現代世界、しかも先進国でもこれだけ違いがあることは世界の違いを認識するうえで重要なことだと思います。

 

またフランスのごみの多さについてもクリスタルさんは語っていて、これは私のパリ在住の友人が言っていたことと一致していますが、移民が急激に増えたことでそうなったと原因についても両者同じことを言っています。ただしスペインの主婦はとてもきれい好きとも言っていて、これは以前私がよく読んでいたイタリア在住のタカコ半沢メロじーさんがイタリア人について語っていたこと共通していますが、家の中と外での認識が全然違うとクリスタルさんがおっしゃっているので、公共衛生の考え方というのも大きいのかもしれません。

 

いずれにしても、終息した後にはこうしたことは世界中で究明され今後の教訓として改善されていくのではないかと思います。

 

ねこおぢ3さんが毎日アップしてくれるデータの今朝の分。わかりやすいです。

 

ただ、どちらにしてもまだ先行きが見えないながらも、日本は専門家の助言も入れてうまく対処されている国の一つだと思います。もちろん台湾のようにきっちりできればよかったのですが、そうしたことが法律等で制限されているからこそ、政府が対応に苦慮し、時間がかかりながらも根回しをして対策をしているわけですから、そうしたことを考えればここまで抑え込まれていることには感謝しかありませんし、それは私達が非常時には慌てず、最善の行動をしているからです。政府に不満があろうがなんだろうが、だからといって暴動を起こしたりする人などいません。そもそもそんなことをすれば、結局自分が被害を被るということを私達は理解しています。それで怪我人など出ればいらぬ医療関係者の負担を増やすことになります。

 

ではなぜ、日本人はこれが当たり前なのか?

 

それは、日本が災害大国であることが大きいといえます。「国土が日本人の謎を解く」では、世界と日本の違いを災害死史観と紛争死史観という風に分けています。紛争などで人が死んだ場合、恨む相手がいるから恨んで恨んで恨みぬいて復讐をしなければならないと死を拒否することができる。しかし災害で人が死んでも、人は恨む相手がいない。自然を恨んでも恨みようがないし、復讐する相手もいない分より悲劇的であり厳しい死の受容をしなければならない。こうしたことが全てにおいて、違いとなって表れているのは、日本が地の利により他国との戦争や紛争が数えるほどしかなかったのに対し、様々な自然災害と戦ってきた国であることからです。そして世界の多くの国々は紛争や戦争が絶え間なく起きてきた歴史を持っています。

 

同書には残虐な大量殺戮上位20位が記載されていますが、世界の歴史上の大量殺戮の歴史のスケールは日本の歴史からすると考えられないほどのスケールです。

 

1位:第二次世界大戦(1939~45年) 6,600万人

2位:チンギス・ハン(1206~27年) 4,000万人

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20位:西ローマ帝国の滅亡(395~455年) 700万人

20位:中国内戦(1927~37、1945~49年) 700万人

 

これは「殺戮の世界史」からの引用と書かれていますが、そこに唯一記載の日本の虐殺は島原の乱(1637~38年)の37,000人のみでだそうです。著者のマシュー・ホワイトは戦国時代についても調べたそうですが、「研究者の全ては戦いを儀式的なものだったと説明している。戦いでは主に武士だけが殺され、農民・職人・芸能者のような庶民には死は及ばなかった」と述べているとのこと。これは私達からすると当たり前のことですが、こうして世界の歴史と比較するといかに違うかが浮き彫りにされることだと思います。

 

ただもしこのようなことが日本で起きながら、その他に絶え間なく自然災害も起きていたら、日本人はとっくの昔に絶えていたでしょう。もちろん世界中に自然災害はありますが、日本ではそうした災害が重なって起きるほどの厳しい土地であるというのが、日本の国土の特徴であるとして、日本人を育んだ国土について10の例が挙げられています。

 

1、不便な形ー複雑で長い海岸線と細長い弓上列島

日本地図をそのままヨーロッパに持ってくると、北は北欧にかかるあたりからポルトガルにまでかかっており、予想より長く大きいことがわかります。これは物の移送に手間がかかることや気候の違いも表しています。

 

2、一体で使いにくい四島に分かれた国土の主要部分

日本はご存じの通り、大きく四島に分かれさらに沖縄他数多い島嶼(とうしょ)部を持っているがために、全国的な物流・人流・商流を整備するために大きな労力をかけてきています。今では四島は繋がってきますが島嶼部を考えるとなかなか難しいといえるかと思います。

 

3、分断されるー脊梁山脈の縦貫

国土を1,000~3,000メートルの標高の高い山脈が縦貫しており国土を南北や東西に分断しています。これは雪国と非雪国を造っており機構による分断もあって人々の暮らしも分け交通網は太平洋側と日本海側に用意し整備する必要があります。また河川は短く急流となっています。欧米に国土の中央を大きな山脈が分断していることはなく、日本の大きな特徴といえます。

 

4、土砂・土石流災害が襲うー不安定な地質

我が国は地質が複雑で安定していない。国土面積の70%を山岳地帯が占めているため平野が少なく、国土を都市や耕地として使うことが難しい上に山岳地帯に風化した岩がとどめ置かれている。これが地震や豪雨が多いために簡単に崩落し土砂や土石流となって麓の集落を襲うという厳しい条件を生んでいる。山腹の麓に住宅を設けることの多い我が国での被害が多い要因となっている。

 

5、可住地が分散ー狭く少ない平野

山岳地が広いため我が国の可住地は国土の27%で、イギリス85%、ドイツ67%、フランス73%などとみていくと圧倒的に少なく、これが近代的な土地利用にも影響を与えており、しかもこれが分散している。東京や大阪の都市部は現在、まとまった平野に見えるがそれは長い間に河川改修してきた結果であって、長い歴史の中でこうした土地では何度も河川の氾濫を繰り返してきており、そういうエリアが日本中にある。こうしたことから、集中豪雨などによる被害が現在でも起きている。

 

6、近代的土地利用がしにくいー軟弱地盤上の都市

大都市のすべてが軟弱地盤上にあり洪水の危険がある。日本の大都市は全て大河川の河口部にあり大都市の形成の歴史も短いことから軟弱な地盤となっている。そのため近代的な土地利用を行うためには軟弱地盤であるがゆえに長大な基礎構造が必要であるというハンデがある。ヨーロッパやアメリカの都市が岩盤上にあるのと比べ厳しい条件となっている。

 

7、世界の大都市にない可能性ー大地震の可能性

いうまでもありませんが、全国どこででも大規模な地震が起こりうる可能性があり、例えばパリ、ロンドン、ベルリン、モスクワ、ニューヨークなどのような今後も大地震が起きないだろう大都市との大きな違いです。

 

8、水を治めきれないー集中豪雨

豪雨の特性が集中的である。また河川が急流で短いため脊梁山脈に沿って降った雨が一挙に海に注いでしまい、貯水が困難であり現在でも頻繁に渇水が起き、水道水、農水、工水の取水制限が行われている。最近は豪雨がゲリラ豪雨に激化しているため水を治め水に対応することが未だできていない。

 

9、建設コストがあがるー強風の常襲地帯

弓上列島が台風の通り道に沿うように存在していて、台風の常襲地帯である。そのため橋や建物の建設時にそうした強風も考慮して建造しなければならない。太陽光発電や風力発電を促進すべき問う声もあるが、我が国の場合こうした強風も考慮に入れずに進めることはできないため、高価なものとなる上、地震や軟弱地盤であることも考慮しなければならないという不利な条件が重なっている。

 

10、豪雪地に大人口ー広大な積雪寒冷地域

我が国の国土面積の半分以上が積雪寒冷地帯に当たる。国土面積の60%が積雪寒冷地帯にあり、かつ年間累積積雪量が4mを超える豪雪地帯に50万人を超える大都市が存在している。我が国より寒冷な地域に大都市が存在する例はカナダやロシアなども世界にいくつもあるが、これだけの豪雪地に大人口を抱える大都市が存在する国はどこにもない。

 

こうした自然条件は単独でも厳しいけれども、我が国の場合こうした条件が重なり合って存在しており、過去にあった自然災害は今後も起こりうることとして存在しており、覚悟と用意が必要な国であるということを多くの人が潜在的に意識しながら暮らしています。もちろん、自然災害は世界中にありますが、このような悪条件が重なり合って存在する国は稀有なのではないかと思います。そしてこうした国土に生まれ育った先人達が、たゆまぬ努力によって築き上げたのが我が国であり、繰り返し襲う災害にも負けずに復興していける私達のメンタルとなる思考法もそうした先人達が身に着け引き継いできたものであるといえるかと思います。そしてそうした国土では、欧米のような個人主義では生き抜くことはできないため、協力し合っていくことが当たり前のこととして根付いているのです。つまり、人のためにすることが、翻って自分のためになるということを当たり前とする社会です。

 

「FULL POWER」には、人は環境によって行動が規定されるとも書かれており、国土がその国の国民を作ることは自明のこととしてあることでもあります。国によってその国民性が違うのは、こうした国土がその国の人達に影響を与えているからです。民族の経験が民族の個性を規定する、その経験は我が国の国土内での経験です。

 

つまり、私達が何か行動する場合、我が国に合わせて考え行っているのであり、それが我が国に一番合っている方法であるということでもあります。もちろん、改善点もあるでしょうが、そうした国の特色を知らない他国の意見に振り回される必要はないということです。古来、新しいもの好きの国民である我が国はあらゆる外来文化を取り入れてきましたが、そうしたもので日本化せずに定着したものなどないといっていいでしょう。それは我が国にあうように改善してから取り入れてきたからです。

 

 

 

 

世界中が今経験している同時期の疫病の蔓延は、グローバル化し往来が瞬時にできる現代ならではの災難ですが、こうしたグローバル化した世界でさえ、国によってその広がりの特色があることが注目され始めています。隣国どうしでもその被害状況が異なることが多くあるからで、それは国が取り入れた制度によるものもあるようですが、その国の習慣等も大きいということではないでしょうか。

 

こうした目に見えないものは、だれか一人が頑張っても防げるものではありませんから、やはりこうした時こそ先人に倣って協力し合っていきたいものだと思います。

 

 

君達の末永い長寿(健康)を言祝ぐ言霊歌、君が代

 

 

追加:22:00、何でも反対の人達や不満ばかり言って攻撃している人達、またメディアなどの現況に対して、協力しようと声を出した山下達郎さんや三浦知良さんたち。