原題:Will power Doesn't Work (意志力なんて役に立たないの意)
邦題:FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略
最近手招きされた本がこれです。いつの頃からか、一瞬で惹きつけられた本に外れはない!と思うようになりました。本の装丁が大胆ですが、呼ばれる本ってデザインがいいとかは関係ありません。まあ私はこういうデザイン好きですけれども。
これは別に何か感覚的な能力とかそういうものではないんです。神田昌典さんのフォトリーディングの講座に何度か行ったことがあるのですが、その時に脳の力を知りました。脳には計り知れない能力があってこうしたことを判断できるんです。つまり、脳には一瞬で目に入ったものを判断する能力があって、自分が考えていたり求めているものと合致するかどうか判断するということを潜在意識がやってくれているのです。だから、妙に惹きつけられて手に取るわけです。脳の能力はほとんどが使われていないというけれども、こうして使われているのに気づいて
いないというのが本当なのかもしれません。
現在は脳科学が発達しているので、昔はうまく説明できなかったものが科学的に説明できるようになっているから面白いです。
って前置きが長いけれども、この本も科学的に環境が人を作る、環境が人を操作するということを科学的リサーチで解き明かしている本。つまり環境が人を操作するから、「意志力なんて役に立たない」という原題なわけです。
HPから紹介を一部抜粋↓
その人の能力は、才能や出自、そして意志の強さとは関係しない。
すべて「置かれた状況」、すなわち「環境」によって決まる――
環境が人間の能力を規定する背景を
最新科学から経済理論、そして人類の歴史で証明し、
「どうすれば、生産性が最も高まる環境を自らの手で作ることができるか」
まで踏み込んだ快著!
(本書で明かされる衝撃理論↓↓)
・山に住むために「低身長」になった民族が存在する
・経済的ステータスは「住んでいる場所」次第
・「友達の友達の体重」が自分の体重に影響する
・「職場」では頭が冴えにくいのはなぜか
・引越で「7歳児の識字能力」「睡眠時間」が変化した
・持っているだけで「プレミア」がつく(モノが減らない理由)
・金銭を払うと、人は行動を起こさざるを得なくなる etc…
この本を読むと、「私は意思が弱いから・・・」と落ち込まなくてもよくなります。その代わり環境は変えなければいけない。そして、環境さえ変えさせすれば、自分が変われないいいわけはできなくなります。というか、どんどん環境によって自分が変わっていくので、自分も変わる覚悟ができていくとのこと。
印象を変えたかったら、髪形や服装、持ち物を変えるというのはそうすることでそれに合わせた環境を作りその一部となるためです。
これを読むと親が子供にいい環境を与えたいといい学校に入れるのも、友達は選びなさいね、っていうのも、住む場所を選ぶのも、全部環境が人を操作するからだということが理解しやすくなる。反抗期の子供が、自分の友達に文句言うなよなんて言わせたくなかったら、さりげなくこの本を置いておけばいいんじゃないかな?
たった一人、不愉快な人があるグループに入っただけで、そのグループが変わってしまうこともあるし、その反対もあるのは、その一人によってじわじわと人が変わっていってグループ環境が変わってしまうから。そういう経験、誰しも経験したことがあると思う。もし嫌な方に変わっていったら、そのグループから離れたほうがいいということ。
同調圧力なんていうのも、環境のなせる業。そういう圧力があるのなら、そうした環境から離れたほうがいいということです。
で、読みながら思ったのはやっぱり私は日本に生まれて良かったってこと。だって、他の国に生まれていたら現在のような安寧な暮らしができていたかわからないから。
日本は古来から、色んなものを海外から取り入れていたけど、よくないものは遮断してきた。そうした古来からの先人たちのおかげで今の私達があるといっても過言ではない。先人たちが今のような我が国の環境を長い時間をかけて作ってくれた、そんな国にいることは幸せだと思う。言葉使いも、習慣も、日本は素晴らしいと思うから。今回のようなわけのわからない病気が流行っても、不安でありながらも爆発的に日本で流行ることはないと思えるのは日本が他国と比較して清潔に気を遣う人が多い国だとわかっているからです。以前アメリカの医療ドラマの「ER」が流行った時に院内感染の原因を調べたら、病院で勤務している男性が(医者ではない)手を洗っていなかったからというストーリーだったことがあって、リアルが売りのドラマでそれってアメリカってそうなの?って衝撃的だった。
こうした言葉や習慣そしてそこから生まれる思考回路を多くの人が共有できるというのは環境でしか作れないもの。だからこそ、国の特質などというものがあるわけで、もちろん短所もあるわけだけれども、日本はおおむねいい国なんではないかと思う。まあ、もちろん自分の国だからそう思うのだと言われれればそうなんだけれども。最近は海外についての情報を多くの人が知るようになり、日本の常識が海外にとっては非常識、またその逆もあるということが知られてきました。そうした事実から見ても、日本はひいき目だけでなく幸せな環境な国だと思います。
そしてこの本の最終章では、歴史を知ることがいかに大切かが書かれています。歴史とは、家族の歴史、そしてもっと大きい家族、国家の歴史となっていきます。神話を教えなくなった民族が例外なく滅びたというのはこういうことだったわけです。
この章だけ見出しを紹介します。
14章 「古巣」は偉大 家系・創業史・ルーツ・・・歴史を知る人ほど有能な傾向
・「スラム街」をなかったことにしない
・「家族の歴史」を知ると有能になる
・子どもなら「自信感」が育まれる
・「創業の歴史」を知った従業員は意欲的になる
・人類を生んだ「歴史」と巨人
・自分がすごいから「出世」するわけではない
この章で書かれていることを要約すると、
・自分の家族についてよく知っている子は困難に直面した時にうまく対処できる傾向がある
⇒自分の人生をコントロールする能力がはるかに高い
⇒回復力があり、ストレスからの影響を和らげられることが証明された
⇒はっきりとした世代を超えた自我、つまり自分は自分よりももっと大きい何かの一部であると知っているとき自信をもつことができる。
・自分の原点を忘れてはいけない
⇒家族や企業などどんな形であれ組織は自分の起源の物語と繋がっているときにうまくいく。
こうしたことを科学的に証明される前から、先人たちは知っていたから、世界中に神話が生まれそれを語り継ぐ人たちがいたわけです。神話とはルーツの物語で長く語られるうちに神話のようになっていったのだといいます。だからこそ、創世神話がかっては世界中にあったわけです。ところが現在地球上で神話から続く国家で残っているのは日本だけです。これだけでも日本人としては誇らしいですよね。だからこそ、戦後そうしたことが教えられなくなりました。
せっかく最近は神話教育が復活したんだし、大人も神話を学びなおしたほうがいいんんだな、やっぱり!そして歴史もきちんと知ることがいいということ。まずは、家族の歴史から始めてもいい。
そして、自分を変えるためにも環境を整えるのが急務。シンプルな生活を営んできた日本人が物にあふれる生活を送るようになったら、ミニマム生活が人気になる。なんか、日本では周期的に過去に立ち返るようにできているのではないかと思うほど、面白いように過去に回帰するのが日本ですが、それも日本の環境がじわじわとそういう風にし向けているのかもしれないと思えてきます。
よし、環境変えるぞ!!
最後に冒頭で書いた「フォトリーディング」の本を。これは速読の本です。ただ、これは読んだだけではなかなか実践しずらい本でした。私は神田昌典さんの講座で集中的にやって体感できて感動したんだけれども。神社検定の勉強はこのフォトリーディングも使いながらやっていました。