先日こんな見出しのニュースがありました。
政府、皇位継承策で識者聴取着手 菅氏「4月以降検討」明言 旧宮家男子に復帰の意向確認せず
2020.2.10 16:10産経ニュース
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は10日の衆院予算委員会や記者会見で、安定的な皇位継承策の検討について、既に有識者への意見聴取に着手したことを明らかにした。「事務方が有識者から個別にお話を伺っている」と述べ、最近の議論の動向を踏まえ検討を始めていると説明した。
立皇嗣の礼が皇位継承に伴う最後の行事だとし「この行事を終えた後に具体的にさまざまなことを詰めていきたい」と述べた。「静かな環境の中で検討が行われるように配慮していく必要があり、途中段階で逐一明らかにすることは差し控えたい」とも語った。
平成29年成立の譲位特例法は付帯決議で、「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」「女性宮家の創設等」を政府が速やかに検討し、結果を国会に報告するよう求めている。
そして、電車に乗っていて見たのが女性週刊誌の「〇〇皇太子をつぶしたのは誰か」という見出しです。
※実際には○○ではありませんが、ここでは記載しません。
こうしたニュースや、記事を見るたびに、日本人全体の無知に付け込まれていると考えています。私達は、日本について知らなすぎです。こう書いている私も、まだまだ知らないことがたくさんありますが、それでもこの10年ぐらい天皇、皇室についてだんだんと学んできました。そして天皇、皇室について知るとこうしたニュースや話題はおかしいとすぐにわかるのです。
天皇陛下の御代替わりでたくさんの天皇、皇室関連の本が出版されましたし、テレビでは特集も組まれました。しかし、中にはやはり日本人の無知に付入り、もっともらしいことの中に嘘を混ぜ込まれているものも多くあります。その第一が女性宮家です。宮家とは、皇位継承のために生まれた家ですから、女性宮家というのはありません。なんでもそうですが、わざわざ前に「女性」とつけるものはだいたい信用できません。現在女性しかいらっしゃらない宮家がありますが、女性宮家というのならなぜ現在女性しかいらっしゃらない宮家を女性宮家と言わないのでしょうか?つまり、こうした言葉を使用することで「女性」を前面に出し、まるで性差別のような印象操作をしているのです。
また「皇太子」についてですが、皇位継承順でいえば秋篠宮皇嗣殿下が事実上の皇太弟です。多分、わかりやすい「皇太弟」を使用したくなくて、御代替わりの際に皇嗣殿下という称号を正式にしましたが※つまりは皇太弟であられるということです。それなのに別の皇太子がいたかのように書くということは、現在の壬申の乱を招いているとみられてもしょうがないでしょう。壬申の乱とは、皇太弟の大海人皇子を差し置いて、天智天皇が皇子を優遇したのが一番の要因といわれています。しかし現代において、そのようなことがあるでしょうか?
現在皇室には十代の方がお二人います。多感な年齢のお二人に対して、こうしたニュース等が与える影響が大きいことを憂えます。まるで既成事実のようにこのようなことを書くのは止めていただきたいものですが、本来は我々がこうしたニュースや記事は非常識だとわかっていれば出てこないはずなのです。
※内閣法制局がここにも関わっています
現在の日本がおかしくなったのは、終戦が大きくかかわっています。この時、ウオーギルドインフォメーションプログラムが組まれました。
Guilt 犯罪→罪悪感
Infomation 情報→宣伝
Program 計画
つまり私達は、我が国をきちんと知り、また国語力も回復させる必要があります。そのためには我が国について書かれた本を読むことが一石二鳥です。その時に美しく書かれた本を選ぶと間違いがありません。最近昔の本の復刻本が増えていますが、こうした本は言葉遣いが美しいです。私は同様の本が何冊もある場合、作者が昭和初期以前の方がいたらそちらを選ぶようにしています。
また言葉遣いを大切に考えている著者の本があればそちらを選びます。
御歴代の天皇について、私がいつもそばに置いているのは、「歴代天皇で読む日本の正史」です。これは辞書的な本ですが、何冊か持っている御歴代の天皇の本の中で、一番の内容だと考えています。また、同じ著者で、皇位継承事典も出ています。この両方を読めば、冒頭のニュースの異様さがわかるようになります。
もっと読みやすいものなら「物語日本史」もいいかもしれません。
また最近話題の復刻版「初等科国史」。これば冒頭に、歴代の天皇の名前が書かれていますし、言葉遣いがとても美しいです。我が国の歴史に必ず存在しているのが神話から続く天皇です。天皇抜きに我が国の歴史は存在しえないのです。
天皇は祈られる存在です。この動画でまず語られるのは祭祀のことです。
私が宮中祭祀を知る第一歩とした本です。著者は言葉遣いをとても考えられていて、敬語の本も出されています。両方とも薄い冊子ですが、充実しています。
日本人として明治天皇から上皇陛下までの天皇については最低限知っておきたい。つまりそれは今上陛下にまで繋がる現在を知ることだからです。ここにも内閣法制局が出てきます。
皇室の危機とはどういうことなのか、世界の王室との比較も載せて書かれています。
比較することで物事はわかりやすくなります。世界を知ることで我が国の理解力が増すのです。
最後に、新井白石とは、江戸時代に皇統の断絶が危惧されたときに閑院宮家創設を江戸幕府に進言した学者です。閑院宮家より光格天皇が即位して、今上天皇まで繋がっています。明治天皇や昭和天皇が皇女を宮家に嫁がせたのも宮家維持を考えてのことだったでしょう。普通に考えれば、皇室離脱させられた宮家に皇籍にお戻りいただくのが本来の姿でしょう。