日曜日、私は皇居での記帳の後用事があり筑波へ向かい、夜遅く帰ってから天皇陛下御在位三十年記念式典の映像を拝見しました。
映像の最後に天皇陛下の御言葉がありましたが、衝撃を受けました。しかし、ツィッター等をみてもそのような話題はざっと見てもなかったようです。
皆さん、映像あるいは御言葉を全部拝読されましたか？
もしまだでしたら今からでも、ご覧いただけたらと思います。
宮内庁HPより
在位三十年に当たり，政府並びに国の内外から寄せられた祝意に対し，深く感謝いたします。
即位から30年，こと多く過ぎた日々を振り返り，
平成の30年間，日本は国民の平和を希求する強い意志に支えられ，近現代において初めて戦争を経験せぬ時代を持ちましたが，それはまた，決して平坦な時代ではなく，多くの予想せぬ困難に直面した時代でもありました。世界は気候変動の周期に入り，我が国も多くの自然災害に襲われ，また高齢化，少子化による人口構造の変化から，過去に経験のない多くの社会現象にも直面しました。島国として比較的恵まれた形で独自の文化を育ててきた我が国も，今，グローバル化する世界の中で，更に外に向かって開かれ，その中で
天皇として即位して以来
天皇としてのこれまでの務めを，人々の助けを得て行うことができたことは幸せなことでした。これまでの私の全ての仕事は，国の組織の同意と支持のもと，初めて行い得たものであり，私がこれまで果たすべき務めを果たしてこられたのは，その統合の象徴であることに，誇りと喜びを持つことのできるこの国の人々の存在と，過去から今に至る長い年月に，日本人がつくり上げてきた，この国の持つ民度のお陰でした。災害の相次いだこの30年を通し，不幸にも被災の地で多くの悲しみに遭遇しながらも，
今日この機会に，日本が苦しみと悲しみのさ中にあった時，少なからぬ関心を寄せられた諸外国の方々にも，お礼の気持ちを述べたく思います。数知れぬ多くの国や国際機関，また地域が，心のこもった援助を与えてくださいました。心より深く感謝いたします。
平成が始まって間もなく，皇后は感慨のこもった一首の歌を記しています。
ともどもに
平成は昭和天皇の崩御と共に，深い悲しみに沈む
しかしこの頃，全国各地より寄せられた「私たちも皇室と共に平和な日本をつくっていく」という静かな中にも決意に満ちた言葉を，私どもは今も大切に心にとどめています。
在位三十年に当たり，
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私は、映像を拝見しながら涙が出てきてしまったのですが、感動的な御言葉でそう感じた方がツィッターでも随分見受けられました。また、皇后陛下の御気遣いにも心が温まりました。
現在日本国憲法に、天皇は日本国の象徴である、とありますが、それは古来より日本ではわざわざいうべくもないことだと思います。それをわざわざ戦後憲法に記されてしまったのです。
今回陛下の御言葉の中で、象徴について語られていました。
天皇陛下がこの象徴ということをずっと考えて来られたというのは、陛下が日本についていつも考えておられるからなんだと思います。
そして、その象徴のくだりで、陛下は二度も「この国」という言葉を使われました。御言葉の前半と最後に「我が国」という言葉を使用されていますが、なぜここで「この国」という言葉になったのでしょうか？私が、陛下の御言葉を全文拝読するようになってまだ10年も経っていませんが、その間「この国」という御言葉をご使用になられたことはなかったと記憶していますので物凄く驚いたのです。
日本国内で一番「我が国」という言葉を自然に発しているのは、天皇陛下と皇室の方々だと思います。本来は、日本中が「我が国」という言葉を使うべきところを「この国」と言っているのが日本の現状です。でも、例えば「我が家」を「この家」といったら、どこの家のことですか？となりませんか？私達は「この国」という言葉を使用する度にどこの国のことを言っているのか？と疑問に思うのが本来の日本語です。
陛下はお言葉をとても大切にされてらっしゃいますから、今までそのような御言葉使いはなかったのだろうと思います。しかし、その陛下が「この国」という御言葉をお使いになられた。これは衝撃的な事ではないでしょうか？
陛下の御言葉にもありましたが、陛下は日々日本と世界の安寧を祈られて、私達はその安寧に護られてきました。しかし、陛下が我が国から離れてしまったら、日本はどうなるのでしょうか？
このブログでずっと書いてきましたが、日本＝天皇、天皇＝日本です。つまり天皇陛下がいらっしゃらなかったら、我が国は我が国でなくなります、つまり日本ではなくなってしまいます。
ところで、今回安倍総理を初めとする方々の祝辞に私は違和感を感じました。まるで「象徴」という言葉を使って作文しなさいと言われたかのように、どの祝辞にも「象徴」という言葉が入っていました。
憲法で象徴と書かれ、日々そこの事を考えて来られた陛下が「象徴」とおっしゃられるのと、他の人が陛下に対して「象徴」と申し上げるのは全く違うことだと思います。そして、今回私は陛下に対して「象徴」「象徴」と申し上げるのは失礼ではないかと感じたのです。いえ、今回だけではありません、報道他、機会ある毎に「象徴」と連呼されるのを聞く度に苦々しく感じています。
そして、今回陛下が「この国」とおっしゃられたのはこの「象徴」についてのくだりであり、そのくだりで陛下がおっしゃられているのは、我々国民のことなのです。
そこでは「この国」とはおっしゃられていますが、我々国民への陛下の大御心が一番表れている箇所でもあると思います。
しかしその箇所で御言葉を大切にされていらっしゃる陛下が「我が国」ではなく「この国」という御言葉をご使用になられたそのその文脈に注目すれば、ここに深い意味があるのではないかと思うのです。
大御心あふれる陛下に対して、我々国民はどうでしょうか？陛下と皇室の事を、つまり日本のことをちゃんと考えているのでしょうか？
私達は、もっと真剣に天皇と皇室＝日本について考えるべきではないのか？と改めて思うのです。