日本には老舗企業が沢山あります。何百年どころか、千年を超えるところも多くある国です。

 

そんな古い古い老舗のお話です。

 

その老舗を存在するだけで長年けん引してきた何代目かが、高齢のため亡くなった時その老舗は大きな悲しみに包まれました。そして老舗には国内はもちろん海外からも多くの弔問がありお葬式は大きなものとなりました。その老舗内ではまさか世界中から何代目のために弔問する人がいるとは思わなかったほど多くの弔問があり、その存在感の大きさをあらためて知った時となりました。また老舗でありながら、その老舗として続く永い時を忘れていたのと何代目が存在した時間が長かったため、それ以前のお葬式を知る人もいなくなっていて古式ゆかしいお葬式に老舗そのものが驚くことにもなりました。

 

その何代目が亡くなった直後から、その息子が老舗を継ぎました。息子は偉大な父親を尊敬し、その父親にならって長年働いてきました。今では父親に劣らぬ存在感と尊敬を持って老舗に存在しています。しかしその息子もまた高齢になり、老舗をその息子に譲ることとなりました。つまり何代目の孫が老舗の後継者となるのです。

 

古い老舗のためその譲ることにも色んな手順が必要でそれを決めるだけでも時間がかかりましたが、やっと決まったのです。そして、譲られる前に老舗では長年の功績を称えた式典を大々的に行うことになりました。ところがその決まった日付をみたら、その式典の日はなんと父親のお葬式が行われた日だったのです。流石に父親の跡を継いだ亡くなった日ではありませんでしたが、あれほど大きな告別式を行って悲しみの中父親を見送った日がお祝いの日となっていました。

 

長い歴史を誇る老舗には色んなことがありましたから、なかなかちょうど良い日を見つけるのは大変なものですが、歴史あるからこそそうした記録もきちんとあって今まで確認してきたものでした。ところが、功績を称えお祝いされる日がそういう日であることは将来に一片の不安を植え付けるものでした。実はそれでなくても、他にも不安要素がありのです。伝統を誇る老舗には長年のノウハウがあり伝統を引き継ぐものですが、なぜか今回の譲る手続きには長い老舗の歴史にない伝統を引き継がない手順ばかりになっているのです。

 

老舗が永い伝統を誇ることができるのは、その時間に裏打ちされた伝統を持っているからです。伝統とは時代と共に変わるものではなく、時代の変化に対応しながらも変わらない価値観のことをいいます。これは一時の流れにまかされやすい人間の愚かさを超えて存在する叡智であり、だからこそ老舗は続いてきたのです。人は新しいものが好きですが、その新しいものが良いものとは限りません。その時良いと思えたものも長い目で見ればよくなかったということは長い歴史の中には沢山ありました。そうした歴史の中を生き抜いてきた知恵が伝統です。だからこそ、ここぞという時にこそ伝統を参考にし伝統を生かすのが老舗といえるのに、その伝統が生かされない引き継ぎには老舗内でも不安が囁かれてます。

 

それでなくても永い伝統を誇るこの老舗には羨むだけでなく妬みから問題ばかり起すご近所や、その老舗を乗っ取ろうとしたり、利用しようとしたりするところが、最近ではあからさまになっており油断できない時期ともなっています。しかも、その老舗内では永く続いてきた恩恵がありすぎてかえってそうしたことが分からなくなってしまったおめでたい人が多かったり、ご近所の話を鵜呑みにする人までもいる状態となっているのです。

 

 

この老舗はどうなるのでしょうか・・・?

 

 

 

もうお分かりだと思いますが、この老舗とは日本のことです。

 

 


 

天皇陛下御在位三十年記念式典

開催日時: 平成31年2月24日(日)午後2時から

 

 

この日程にした宮内庁と政府、そしてこれをそのまま許してしまった我々国民は天皇陛下に申し訳ありませんと謝れなければならないと思います。

 

天皇陛下はなにもおっしゃらないかもしれませんが、もしあなたが自分のお祝いをこのような日付にされたらどう思うか考えてみて下さい。

 

 

なお、20周年式典は即位礼が行われた11月12日に行われました。

今年は御代替わりの年でもありますから11月に行えないのはわかりますが、なぜもっと慎重に日程を組まなかったのか。そしてなぜ識者がこの日程についてなにも異議を申し立てなかったのか、理解に苦しみます。