日曜日に試写会で「ボルグ/マッケンロー」を観てきました。

 

ボルグ/マッケンローといえばテニス界のレジェンドで、1980年のウィンブルドンの闘いは伝説となっており、その試合に至るまでの二人の軌跡が映画となっています。

 

いやあ~、面白かった(^O^)/

 

何が凄いって、トップアスリートのトップであるが故の孤独や苦悶をここまで描いた映画って今までなかったと思うのですが、それが良く描かれている上に、当時の試合の様子の再現力が物凄かった。まるで同じ試合を再び観ているような気持にさせられる、そんな映画だったんです。これには原作があり、出版もされるそうなんですが、映画はその一部ということなので、原作本の発売も楽しみです。ということで、試写は角川書店の神楽座。かっこいい名前の試写室です。

 

 

 

 

このポスター、パッと見ボルグとマッケンローにそっくりです。友人も来る!と言っていたのですが、ドキュメンタリーだと思っていたらしくて、そうじゃないと知ったら見る気をなくしてしまったほどのそっくり度。(実際、友人は予定を調節する!と言っていたのに来ませんでした。惜しいことをしたな。)

 

パッと見だけでちゃんと見たらあれ?全然似てないじゃん!ただ似せてるだけ、と実際のボルグとマッケンローを知っていれば気が付きます。しかし、パッと見だけでもここまで似させるのは凄いです。そして、どうやったってあれほど記憶に残る闘いを行った偉大なテニス選手の動きが再現できるわけがない、とも思っていたのですが、映像マジックでそれもうまく再現しています。

 

テニスに興味があればどんな内容だろう?と思わず興味がひかれる題材、それほど、ボルグとマッケンロ―は特別な選手だったのですが、テニスに興味がなくても、アスリートだったりどんな分野でもトップにいる、あるいはトップを目指す人が共感を持ったり、考えさせられる映画だと思います。

 

↑映画↓本物のボルグとマッケンロ-。

 

ね?似てないでしょ?

 

特にボルグ=むさいイメージで美しいと思ったことのない私には、今回美しいボルグが売りなのが違和感でした。これはボルグではなくて俳優が美形なだけであって、美しいテニスプレーヤーといえばこの後出て来たボルグと同じスェーデンのエドバーグ(エドベリともいう)が、トッププレーヤーで初めて美しいと思えた選手です。またマッケンローの魅力はプレイはもちろん、この悲しそうに見える目、この目までは流石に表現出来てませんでした。ちなみにお父さん役の俳優の方がマッケンローに似ていて、私はこの配役いい!って思ってました。

 

 

 

それでも映画では、このパッと見似せた外観とカット割りをうまく使って、まるで本物のボルグとマッケンローが試合を行っているように見せることに成功しています。この映像のマジック、編集の技術は素晴らしい。そして、世界最高峰の試合を戦う選手達の、想像できないようなプレッシャー、緊迫感が画面のこちら側まで感じられ、じりじりさせられ、ラストのウィンブルドン決勝の再現では、実際にテニスを観戦しているような臨場感で最後には涙まで出てきました。

 

この映画の中で、悪童と言われたマッケンローが判定に怒りまくって悪態をついた直後にエースを決めるシーンがあります。これ毎回そうだったんですが、マッケンローは怒りまくった後に冷静にエースを取りまくった選手でもありました。通常は、怒りまくってコントロールが利かなくなって自滅する、そういう選手が一杯いますが、マッケンローはその真逆だったのもその特異性を表していると思います。怒れば怒るほど冷静になるということだったんです。しかし、ボルグはその反対、怒りを抑えることでそのパワーを生みだしていた。その対比がとてもわかりやすかった。

 

そうしたスポーツをする人の心理を見る上でも、この映画は、テニスに限らずあらゆるスポーツを行っている人に一度は観てもらいたい映画ではないかと思います。

 

ただ、この映画ボルグ/マッケンローとなっていますが、明らかにボルグの映画となっており、マッケンロー好きの私としてはちょっとそこが不満だったんですけどね。

 

ただ、ボルグは当時神ともいわれた選手。あまりにも短期間に色々とやり遂げたため、燃え尽きるように引退してしまったのです。その時の年齢は26歳。今だったらまだまだこれから、という年齢です。

 

映画の試写会前に、松岡修造さんが登場しトークを広げたのですが、まずは当時を知らない若い子達に当時のボルグ・マッケンローの凄さを伝えることから始めました。

 

生松岡修造さん、本当に格好良かった。しかもトークが上手いし、なんと開場時間から既に客席に来て、来場者と話しをしてしまう熱心さ。本当に魅力的な方でした。

 

そして、もちろんテニスの話は自身が体験してきているだけに、生々しく面白い。

 

トークは楽しく面白いし、場を盛り上げるのも上手くて、こんなに楽しい試写会初めてでした。

 

最後に写真撮影の時は、カメラマン毎にポーズや表情を変えていく細かさ。つまり、今回の試写会の写真が載っている媒体の写真は皆違うポーズとなっているはずです。目線を変えただけの写真ではないのです。

 

写真撮ってもいいんですよといわれ(早く言ってくれ!!)慌てて撮った修造さんの写真。(写りは悪いけど・・・)

 

これは動画用に動き回っている修造さん。

 

 

そして帰る時には、入口のポスターにトークイベントで使われた色紙にメッセージが書かれて置かれていました。

この字はちょっと大きいからそうは見えないかもしれませんが、トークイベントでさらさら書いていた修造メッセージの文字があまりにも美文字で驚きました。松岡修造さん、なにやっても凄い人です。

 

まだ乾いてなかったw