ここで何度もお薦めしている評論家の江崎道朗氏ですが、氏の最新著書「コミンテルンの謀略と日本の敗戦」が凄いです。

 

日本で今最も聴くべき評論家は江崎道朗氏

 

 

以下、PHPの紹介です。(なんと今朝の時点で在庫切れ!8月10日発売なのに‼昨日のチャンネルクララのフェイスブックには第四刷が決定したとあります。)

 

ロシア革命が成功したあと、レーニンは世界革命を遂行すべく、「コミンテルン(共産主義インターナショナル)」をつくる。それは恐るべき思想と悪魔的手法に裏打ちされた組織であった。そして大日本帝国は、やすやすとその謀略に乗せられ、第二次大戦に追い込まれていく。なぜ、そうなってしまったのか?

 実は、その背後には、日本の「自滅的」な大失敗があった。リヒャルト・ゾルゲ、尾崎秀実らが暗躍していたことは、よく知られたことだろうが、彼ら以外にも、軍や政府内部に入り込み、ソ連・コミンテルンの都合の良いように動く人々がいたのである。

 どうして当時の日本のエリートたちは共産主義にシンパシーを覚えたのか? ソ連型の共産主義社会をめざす「左翼全体主義者」と、天皇を戴きながら社会主義的統制国家をめざす「右翼全体主義者」は、いかにして日本を席巻したのか? そして左右の全体主義の危険性に気づき、その勢力に敢然と立ち向かった保守自由主義者たちの姿とは――?

 コミンテルンの戦略を詳述しつつ、日本国内の動きの謎を解き、隠された「歴史の真実」を明らかにする刮目の書。

 【目次より】
●はじめに コミンテルンの謀略をタブー視するな 
●第1章 ロシア革命とコミンテルンの謀略――戦前の日本もスパイ天国だった 
●第2章 「二つに断裂した日本」と無用な敵を作り出した言論弾圧 
●第3章 日本の軍部に対するコミンテルンの浸透工作 
●第4章 昭和の「国家革新」運動を背後から操ったコミンテルン 
●第5章 「保守自由主義」VS「右翼全体主義」「左翼全体主義」 
●第6章 尾崎・ゾルゲの対日工作と、政府への浸透 
●おわりに 近衛文麿という謎

 

 

 

チャンネルクララでは特別番組が4回に渡って放映されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん江崎道朗さんの番組、ネットブリーフィングでも、語っています。

 

 

江崎道朗さん御自身が8月14日(発売4日後)にFBで紹介されていたアマゾンレビューなどの感想などがわかりやすいと思います。↓

 

Amazonランキング PHP新書1位。社会・政治7位、全体でも29位に。

おかげさまで拙著『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』、好調です。書店でも、大きなところでは平積みにしていただいているようで、ネットだけでなく、書店販売でも好調だと聞いています。皆さんのおかげです。

また、Amazonのレビューが発売後3日も経たずに、四つもありました。以下、代表的なものを。こうしたレビュー、感想は実にありがたいです。

...

本日も、ある尊敬する先生からお手紙をいただき、明治維新の捉え方や近衛総理の見方には異論があるので是非、議論をしたい旨、ご連絡をいただきました。ありがたい限りです。

《以下、Amazonレビューより引用》
タイトルだけ見ると、よくある「日本=善玉(被害者)、米ソ中=悪玉(加害者)」のように、コミンテルン謀略を筆誅している内容と誤解しそうだが、そうした単純図式を解説しているのではない。
筆者は、コミンテルン謀略に対し、それに嵌められて敗戦に向かった日本社会の構造を俯瞰し、むしろ明治維新後の日本社会構造と脆弱性を入念に語っている。

日本の脆弱性とは、

・明治維新後の日本人が、少数のエリートにとっての日本感と、庶民の日本感という対極の社会階層が生じてしまった事。
・エリートの多くはコミンテルンの台頭する以前に、社会主義にシンパシーを持つ者が多かった事。
・共産党は壊滅させたものの、転向者の多くが容易に、政府、官界、マスコミ、シンクタンク等に入り込めた事。
・軍部にも共産主義分子がいたこと(マルキシストであっても、ドイツ礼賛を隠れ蓑とできた)。
と、ここまでは保守陣営がしばしば上げていることだが、筆者は保守陣営の構造を解析し、

・保守には、自由主義的保守と、右翼全体主義的な保守がいた事。
・前者は、天皇機関説、国体明徴運動によって、後者から排斥され、マスコミに扇動された世論に政治家や学者の多くが迎合した事。
・後者は、天皇は国家の主権者で絶対的な存在と主張する一方で、実際は天皇の意思を無視して恣意的に都合の良い解釈を正当化した事。
・後者は表向きはドイツ的全体主義の成功を成功モデルに(実際はコミンテルン謀略にまんまと嵌められて)国情に合わない政策を推進し続けた事。
などから、謀略に嵌まり敗戦に至るプロセスを、しっかりと述べている。文章は読みやすいが内容は濃密で、人名や関係機関も多岐にわたるため、読了するのに少々時間がかかった。左翼陣営はもとより、右翼や一部保守層にとって、心地の良くない内容も含んでいる。

読了して思ったことは、この本は戦前のことを論じているが、この謀略は脈々と現在も継続中なのではないかということだ。
自分は、かねてから護憲派の「改憲を論議することさえ許さない」状況や、「軍備は不要。話し合いで平和的に解決できる」と主張する一部野党勢力が、言論の府である国会内で平然と実力行使(暴力ずく)で投票を妨害する。国会前のデモに参加、扇動を行う、という有様に疑念を持っていたが、この本を読んでその一端を理解できた。

コミンテルン指令では「国会で自分たちの法案を通過させることが目的ではない。国会や議会制民主主義の信用を失墜させるための活動が目的である」。

なるほど、国民の安全や、生活の利便性よりも、自分たちの党利党略を優先させる政治家のいかに多いことか。
また、安倍首相が改憲を明らかにするや、マスコミを上げての首相、内閣批判が収まらない(軽重からすれば日本を核攻撃すると予告している事案の方が緊急の課題ではなかろうか)のも、謀略が浸透し続けている証左なのかもしれない。

最期に、筆者の余談で面白かったものを二つ。

1.特定秘密保護法について、筆者が当局の担当者に質問した。
「特定秘密を入手できる人物の多くは官邸にいる。もし、容疑者が官邸にいる人物だった場合、警察は官邸に乗り込むことは出来るのか?」
担当者は、絶句した。そんなことは想定していなかったらしい。尾崎秀実も官邸の一員だったのではないのか?
2.筆者は言う。朝日新聞は怪しからんから廃刊させろ!という意見があるが、廃刊させるなどはやってはいけない。理由は、「そういう新聞があることで、謀略の元締めが新聞社にどういう指令を出し世論工作しているかを知ることが出来るので貴重である。廃紙させたら、相手が何をやっているかウォッチできなくなるではないか。敵を知ることは孫子の鉄則である」

戦前のことやコミンテルンに関心のある人だけでなく、現在の政治の不毛さ、そう思える報道の嵐の理由に興味のある人にとっても、買って損はない本だと思う。

 

8月20日分も↓

 

先日、拙著『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』を読んだとして、インテリジェンス研究仲間のある大学教授からお電話をいただいた。

「フランクフルト学派と福本イズム、ミッツェンブルクのプロパガンダ工作、新教育運動、大正教養派といった問題に敢えて触れずに、大きな流れを描こうとしたことは成功していると思う。わかっているのに、敢えて踏み込まず、大局を論じることを優先させたことが今回の本を成功させているのではないか」と、お褒め(?)の言葉をいただいた。

確かにご指摘の通りで、本書でもページ数の関係で、泣く泣く割愛した部分がどれほどあったことか。

...

本当ならば、サヨク全体主義を無批判に受け入れることになった背景には、大正教養派と新教育運動などがあるわけで、その点についても書きたいところだったし、昭和期の日本浪漫派の負の部分にも切り込みたかった。しかし、本書は新書であって専門書ではなく、ページの関係で割愛せざるを得なかった。

本書の反響があって、売れれば、続編も書いてよいと出版社から言われているので、是非とも、Amazonで、レビューを書いていただければ幸いです。もちろん、辛口の批判、問題点指摘も大歓迎です。

ちなみに、PHPの書籍全体でも売れ行き3位となっていました。

 

 

8月27日にはこうありました。↓

拙著についてAmazonのレビュー。こういうレビューを読むと、思い切って書いてよかったと思います。

ご指摘の通り、「どのような批判がかえってこようとも、言うべきことは言おう」と思って書いた本だからです。それほど長生きできるとも思えないので、今回、身の程をわきまえず、これまでの保守論壇に挑戦状を突きつける格好になってもよいと覚悟して書きました。

もっとも、多くの先生方、それもかねてより尊敬している先生方から激励の手紙やはがきをいただいていて、私のつたない問題提起を受け止めてくださっています。

...

近現代史研究や保守の在り方について、新しい地平をなんとしても切り開きたいと願っているわけで、私の問題提起を受けて、新たな知見や研究が生まれていくことを大いに期待したいと思っています。

(以下、引用)
問題の書だ。
著者は保守派によく知られた研究者であり言論人だが、まるで「どのような批判や反応がかえってこようと言うべきことは言う」と言わんばかりに、戦前、戦時中の日本の右派の間違いを暴いている。
旧来の保守派言論人の歴史認識、歴史の語り口調からは決して見えてこなかった相である。

一見、複雑で難しそうな印象を与える、手に取りにくい書名だが、
意外にもわかりやすく、親切に解説されているので中学生くらいでも読めるかもしれない。
予備知識が薄くとも一気に読める。

意図的に史実から大衆の目をそらしたがる共産党党員は別だろうが、
真剣に、戦前から戦後近くまでの流れを網羅し学びたい、という人には必読の書であると思う。
レーニンから学べるようになっているので、そこから入っていって、
日本が全体主義に覆われていった黒歴史の思想的背景から学びたい人にもお勧めである。

なぜこの流れに竿を差せなかったか、と、暗澹たる気持ちにさせられるのだが、
固い文調から垣間見える著者の熱い正義感と、繊細な純情が読後感を救ってくれている。

 

 

 

 

私の簡単な感想を申せば、この本を読むと明治以降の日本の歴史がわかる!です。このブログで、日本の歴史が面白くなくわかりにくいのは、天皇と神社について語られなくなったからだと何度も書いていますが、共産主義登場以降の時代については、この書に書かれているようなこと、特にコミンテルンについて語られていないからだということを付け加えたいと思います。

 

この本の中で、私が特に衝撃を受けまた納得したのは、明治以降の日本は庶民の日本とエリートの日本に分かれ、さらにそのエリートが3つに分かれてしまっており、そのエリート達は急激な文明開化により、伝統の否定と西洋文明の受け入れにより深刻な内面の亀裂に悩まされていたことです。そう知ると、当時の識者に精神病等病に倒れた人達、自殺してしまった人達が多くいることも納得できるのです。また、夏目漱石や芥川龍之介など明治・大正文学の一面や文豪たちの心身の健康状態についても理解しやすくなります。そして、そこに入り込んで行った思想が共産主義なのです。その3つに分かれたエリート達を知らなければ日本は理解できないと思うのです。この本の最後は近衛文麿の話で終わるのですが、近衛文麿はそうした心身の分裂に悩まされた人の代表格だったのです。スパイだったのではないかと言われ謎に包まれている近衛文麿像がきっと変わるのではないかと思います。

 

 

江崎さんの動画や、講演ではコミンテルンについて、明治以降の日本の状況や、戦後の状況について、またアメリカやロシア、中国の政治動向など、何度も語られてきていますが、そうした話の内容が文字となったことでさらに分かりやすく、何度でもその内容が確認できるようになりました。もしまだ読まれていないようでしたら、是非読んでみて下さい(^O^)/

 

 

個人的には、これを読んで映画「アナザーカントリー」を久しぶりに観たくなりました\(^^)/

 

 

 

 

江崎さんが沢山受け持たれ寄稿されている正論SP2。何が凄いって、江崎さんはインテリジェンス関連はもちろん、天皇・皇室関連まで、また明治以降の歴史まで幅広くご存知である事です。

1495990008171.jpg

 

皇室存続に対する本当の危機感とは

 

 

 

江崎さんのご著書