煩悩の持続性(メルセデスベンツ・ゲレンデヴァーゲン・300GDL) | 「クルマ離れをぶっとばせ!」

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クルマ好きが嵩じて彼女までポルシェに見えてきました。というわけでポルシェ買います!毎日クルマを探してます。それが人のお役に立つことも増えてきました。みなさまのクルマ選びのお役に立てたらうれしいです。

こんにちは。

 

むかしむかし、このブログを書き始める前にどこかで「夢のクルマ」というエッセイを書いた。

 

「モーターショーなどでショーカーではなく次期発表車のモックアップなどを見せられた時のテンションがマックスで、テストドライブの盗撮画像が80%テンション。販売実車のスクープが60%、店頭で見るときには40%、公道で走っているのを初めて見たときに20%になって、流通が安定してしょっちゅう見かける頃には平常心になっている精神の流れに名前はあるか?」と言った内容だった。

 

まぁ、「慣れる」ということですよね。

 

見慣れるんです。人は順応性の動物です。

 

いつまでもテンションマックスでは、脳も心臓もやられてしまいますから。

 

それと同じ要領で起こるのが、クルマを買った時の慣れです。

 

ショールームに現車を見に行く。家族会議。契約書にハンコを押す(僕はここが結構テンションマックス)。納車。初めてのドライブ。毎日の通勤に使う。

 

こんな流れで、マイカーに出会い、マイカーに慣れていきますよね。

 

僕はこの「慣れ」という自然な流れに逆らうクルマに魅力を感じるという特殊な性癖があります。

 

(「性癖」という言葉が「セックスの癖」という風に誤解を植え付けている関西芸人の言動には文句がありますが、また別の機会に書きます)

 

例えば「乗りにくいクルマ」です。いいですねぇ。乗りこなせるようになるまで慣れません。

 

例えば「見慣れないクルマ」。毎日見ているのに、見慣れないデザインをしている。街であまり見かけないのも理由。

 

例えば「いい匂いのクルマ」。これ結構大事なファクターです。ドアを開ける度にテンションが上がる。

 

こんな感じで、「慣れ=飽き」ないクルマが僕のクルマ選びの念頭にドンと構えています。

 

で、僕の車歴の中で飽きなかったクルマ。もう一度乗りたいクルマが今日の一台です。

 

ではいきましょう。

 

はい、これ!

 

メルセデスベンツ・ゲレンデヴァーゲン 300GDLです。

https://www.goo-net.com/usedcar/spread/goo/13/700051109330180628001.html

 

30歳くらいの頃にコロコロクルマを買い替える自分に嫌気がさした僕は「真剣に飽きずに一生乗れるクルマはなんだろう?」と考え、紆余曲折を経て一台のクルマに収斂していきました。

 

それが、このW460と言われる初代のゲレンデヴァーゲンだったのです。

 

当時(まぁ今もですが)ヒマさえあれば毎日毎日カーセンサーやグーネットを閲覧し続ける僕に嫌気がさした家族も、僕が考えたこの選択には賛成してくれて、まだ道路上であまり走っている姿を見かけることがなかったこのゲレンデヴァーゲンを購入することを後押ししてくれたのでした。

 

当時の収入からすると決して安い買い物ではありませんでしたが、今現在のゲレンデの価格高騰から考えると程度の割にずいぶん安くW460の230GEを購入することができました。

 

今日紹介する3000ccのディーゼルモデルのロングボディとは違い、2300ccの直列6気筒のショートボディでしたが、ボディカラーはこの個体と同様の「アンスラサイトグレー」で、当時ですら15年落ちくらいの中古車でした。

 

ちなみに「アンスラサイトグレー」というカラーですが「ただのガンメタでしょ?」と思ったら大間違いで、実物はものすごく深くて飽きの来ない良い色味です。

 

メルセデスを購入予定の方は是非アンスラサイトグレーもご検討ください。

 

で、今回この個体を見つけて、懐かしさで思わず記事にすることにしました。

 

では、見ていきましょう。

 

いいですね!ナローモデルです。

 

僕が乗っていたのはワイドモデルで、トレッドが広い後期モデルでした。

 

当時はナローモデルよりもオーバーフェンダー付きがかっこいいと思っていましたが、今ではナローモデルの方が断然かっこいいですね。

 

何よりシンプルです。

 

メルセデスベンツというメーカーの初期衝動ですから、悪かろうはずもありません。

 

それ以外は全く一緒。

 

ディーゼルでナローでロング。3カードですね。

 

このドアミラーも電動ミラーなんかよりも全然いいですね。

 

スペアタイアカバーもビニールでいいんです。

 

横開きのバックドア。

 

このチェック柄がいいんですよ。

 

ここに対面で二人座れっていうんです。無茶振りですよね。

 

ガソリンタンクはこの位置。

 

では、内装を見ていきましょう。

 

あー、元祖「男の仕事場」ですね。いいな!

 

マップランプです。こんなディテールもミルスペックです。

 

メーターの風貌も無反射ガラス。男心をくすぐります。

 

ナカミチのデッキが似合いそうですが、振動でやられるかもな。

 

なんともバウハウス的な意匠。

 

マニュアル式のデフロックレバーです。

 

購入時に「あなたがこのクルマを手放すまで、このレバーには触ってはいけません」と言われました。

 

まぁ、公道を走るだけだったら必要はないでしょうね。

 

こんなテキスタイルで覆われていますが、骨格はレカロシートです。

 

リアシートもなんとも事務的。

 

さて、いかがだったでしょうか?

 

これまた僕の嫌いな「価格応談」物件です。

 

心ある友人が問い合わせてくれたのですが、お値段はなんと620万円とのことでした。

 

この金額を高いと見るか?安いと見るか?

 

僕は「うーん、微妙・・・」とお答えします。

 

上で「ディーゼルでナローでロング。3カードです」と言っていますが、これに「5速マニュアル」が加われば「ストレートフラッシュ」になるので、この価格でも買いだと思います。

 

30年前に程度極上の中古の230GEをコミコミ230万円で買った経験のある僕からすると、いくら上モノだと言われても620万円は引きます。

 

ただし、620万円の価値がないクルマだと言っているわけではないのです。

 

価値は1000万円くらい払っても良いくらいあるクルマです。それはお約束します。

 

ただ、僕の価値基準に整合していないというだけのことです。

 

ちなみに、僕は一生乗るつもりで買った230GEをどうして手放したのか?

 

環状八号線走行時に、後ろから信号無視で突っ込んできたダンプカーに全損にされてしまったのです。

 

でも、その後僕のゲレンデヴァーゲンを見た人は誰も全損になったクルマだとは気づきませんでした。

 

後部のゲートが少し凹んだ程度にしか見えなかったのです。

 

しかし、ヤナセの修理の見積もりは800万円でした。

 

保険屋は当然払えずに、当時国内で最も高かった中古の同車の金額400万円を僕に支払い、「廃車にする」と言った僕のゲレンデを10万円で僕に売り渡しました。

 

390万円と事故車のゲレンデをしばらく乗りましたが、結局次のクルマの下取りに出してお別れしたのでした。

 

次のクルマは何を買ったのか?

 

それは、また次回以降のお楽しみです。

 

では、また!