お疲れ様です。
今日も一日、
本当にお疲れ様でした。
みなさんは、
ふと、
「甘いものが食べたいな」
と思う瞬間、
ありませんか。
私は先日、
まさにそんな夜を過ごしていました。
夕食の片付けも終わって、
ようやくホッと一息つける時間です。
リビングのソファに腰掛けて、
テレビをぼんやりと眺めていました。
そうしたら、
なんだか急に、
冷たいものが食べたくなったのです。
冷蔵庫を開ければ、
きっと何かあるはず。
そう思って、
軽い気持ちでキッチンへと向かいました。
そこで、
私の目に飛び込んできたのが、
冷凍庫の隅に眠っていた、
一つのアイスでした。
それは、
ごく普通の、
どこにでもあるようなカップアイスです。
『スーパーカップ』
だったりします。
バニラ味の、
あの定番のやつですね。
これなら、
カロリーもそこまで高くないはず。
ちょっとだけ、
スプーンですくって食べるには、
ちょうどいい大きさです。
私は、
「まあ、これ一個だけだしね。」
そう心の中でつぶやきながら、
冷凍庫からそのアイスを取り出しました。
リビングに戻り、
テレビの続きを見ながら、
スプーンをアイスに差し込みました。
カチコチに凍っているかと思いきや、
絶妙な柔らかさです。
すっとスプーンが入って、
真っ白なバニラアイスが顔を出しました。
一口、
口に運んでみます。
ひんやりとしていて、
ミルキーな甘さが、
口いっぱいに広がりました。
「あぁ、美味しい…。」
思わず、
声が漏れてしまいました。
こういうのって、
やっぱり最高ですよね。
疲れた体に、
冷たい甘さが染みわたっていくのが、
よく分かります。
私は、
その一口ですっかり満足するはずでした。
本当は、
本当に、
それで終わるはずだったのです。
では、
いったいどうなったのか。
問題は、
ここからです。
ここで、
私の心の中に、
小さな悪魔がささやきました。
「ねえ、
せっかく美味しいんだから、
もう少しだけ食べてみたら?」
そんな声が、
聞こえたような気がしたのです。
私は、
自分に言い訳を始めました。
「いやいや、
半分だけ食べて残しておけば大丈夫。」
「そうすれば、
明日のお楽しみもできるし。」
我ながら、
名案だと思いました。
私たちは、
ついつい自分に甘くなってしまう生き物です。
『自分へのご褒美』
という言葉を、
都合よく使ってしまいますよね。
そして、
スプーンをもう一度、
アイスのカップへと伸ばしました。
二口目。
やっぱり美味しい。
三口目。
なんだか、
底の方が見えてきました。
ここで、
あることに気づきます。
「あれ?
半分残すのって、
逆に難しくない?」
カップの底のほうにあるアイスって、
なんだか中途半端に残すよりも、
綺麗に平らげてしまったほうが、
すっきりする気がしませんか。
私は、
自分の都合のいいように解釈を始めました。
「うん。
これは、
残して冷蔵庫に戻すよりも、
今ここで綺麗に食べてあげるほうが、
アイスにとっても幸せなはず。」
そう考えると、
なんだか自分が良いことをしているような、
不思議な気持ちになってきます。
アイスへの優しさ、
みたいなものです。
もちろん、
そんなわけはありません。
ただ単に、
自分が食べたかっただけなのです。
けれど、
人間の欲望というものは、
一度火がついてしまうと、
なかなか止まりません。
カップの底にあったバニラアイスを、
綺麗に平らげたとき、
私の心には、
奇妙な達成感が満ちていました。
「ふう、
美味しかった。」
これで終わり、
のはずでした。
でも、
みなさん。
私の胃袋は、
ここで満足してくれたでしょうか。
実は、
そうではなかったのです。
甘いものを食べたあとに、
何が起きるか。
想像がつく方も、
いらっしゃるかもしれません。
そう、
『塩気』が欲しくなるのです。
甘い、
しょっぱい、
甘い、
しょっぱい。
この無限ループの罠に、
私たちは簡単にハマってしまいます。
アイスを一つ食べ終えた私の口の中は、
すっかり甘党の王国になっていました。
すると、
脳がこう指令を出すのです。
「おい、
ちょっと待て。
このままでいいのか?」
「しょっぱいものが、
足りていないぞ。」
私は、
ソファから再び立ち上がりました。
さっきまで、
「もう動きたくないな」
と思っていたはずなのに。
人間の体というのは、
食欲の前には、
驚くほどの機動力を見せるものです。
キッチンに戻り、
今度は戸棚を開けました。
そこにあったのは、
お友達からいただいた、
ちょっといいおせんべいでした。
『醤油せんべい』
です。
個別包装された、
パリッとしたおせんべい。
「まあ、
これ一枚だけなら、
お茶うけにちょうどいいよね。」
私は、
自分にそう言い聞かせました。
本当は、
心のどこかで分かっていたのです。
「あぁ、
私、
今からすごいことをしようとしているな」
という予感がありました。
でも、
止められません。
おせんべいの袋をビリッと破り、
口に放り込みました。
パリッ。
香ばしい醤油の香りと、
ガツンとくる塩気が、
口の中に広がります。
「……っっ!」
美味しい。
さっき食べたバニラアイスの甘さを、
この塩気が完璧に、
見事に、
リセットしてくれたのです。
甘い。
しょっぱい。
甘い。
しょっぱい。
これは、
人間の味覚が作り出した、
最高の芸術作品なのではないでしょうか。
私は、
そのおせんべいをもぐもぐと食べながら、
ふと、
恐ろしいことに気づいてしまいました。
「待てよ。」
「このおせんべいの塩気を味わったら、
またあの甘さが欲しくなるのでは…?」
予感は的中しました。
おせんべいを一枚食べ終えた私の脳は、
再びこう叫びました。
「さあ、
バニラアイスの出番だ!」
私は、
もう一度冷凍庫を開けました。
しかし、
先ほどのアイスは、
すでに私の胃袋の中に消えています。
代わりに見つけたのは、
冷凍庫の奥底に眠っていた、
チョコレートのアイスでした。
『チョコモナカジャンボ』
です。
これは、
さすがに大きすぎます。
「いやいや、
さすがにこれはダメでしょう。」
「明日にしよう。」
私のなかの理性が、
かすかな声で抵抗しました。
でも、
その理性は、
あっけなく打ち砕かれました。
「いや、
チョコモナカジャンボの、
あのパリパリの皮の食感を想像してごらん?」
「今、
それを食べない人生と、
食べる人生、
どちらが豊かだろうか?」
謎の哲学的な問いかけが、
頭をよぎります。
気づいたときには、
私はそのチョコモナカジャンボの包みを開けていました。
パリッ。
モナカの皮が割れる音が、
夜のリ静かなームに響き渡ります。
中のチョコレートアイスは、
濃厚で、
少しビターで、
先ほどのバニラとはまた違った美味しさでした。
甘い。
しょっぱい。
甘い。
私の夜の暴走機関車は、
もう誰にも止められないところまで来ていました。
最終的にどうなったのか。
みなさんのご想像の通りです。
私は、
アイスを一個だけ食べるつもりが、
カップアイスを完食し、
おせんべいを二枚食べ、
さらにチョコモナカジャンボにまで手を出してしまいました。
深夜のキッチンで、
一人、
満腹になったお腹をさすりながら、
私は天井を見上げました。
「私、
いったい、
何をやっているんだろう……。」
そうつぶやいても、
時すでに遅しです。
食べたものは、
もうお腹の中にしっかりとおさまっています。
後悔の念が、
波のように押し寄せてきました。
あぁ、
明日絶対に顔がむくむな。
体重計に乗るのが、
怖すぎるな。
そんな当たり前の現実が、
頭をよぎります。
でも、
不思議なことに、
嫌な気持ちだけではなかったのです。
もちろん、
食べ過ぎたことに対する反省はあります。
でも、
あの瞬間の、
背徳感を味わいながら美味しいものを次々と口に運ぶ楽しさは、
普段の生活ではなかなか味わえない、
強烈なスパイスだったようにも思えるのです。
こういう時間って、
体に悪いと分かっていても、
たまには、
必要なのかもしれません。
ちゃんとした大人として、
普段は節度を守って生活しています。
食事にも気を使っているし、
夜遅くの間食だって、
本当は控えたほうがいいに決まっています。
でも、
人間だもの。
たまには、
こういうタガが外れてしまう夜が、
あってもいいのではないでしょうか。
すべてを完璧にこなそうとすると、
心が疲れてしまいます。
時には、
アイスを一個のつもりが、
結果的に大惨事になってしまうような、
そんなお茶目な夜があっても、
人生のスパイスとしては悪くないのかなと思います。
翌朝、
案の定、
鏡に映った自分の顔は、
少しばかりふっくらとしていました。
「あーあ……。」
と思いながらも、
私は苦笑いをしてしまいました。
そして、
朝のコーヒーを飲みながら、
「昨日は美味しかったな」
と、
こっそり思い出している自分がいます。
人間、
そんなに完璧には生きられません。
たまには、
自分を甘やかす夜があってもいい。
アイスを一個だけ食べるつもりが、
気づいたら冷蔵庫の主になっていたとしても、
それはそれで、
愛しい日常の一コマなのだと思います。
みなさんは、
こういう、
「やっちゃったな」
という夜、
ありませんか。
もしあったとしても、
自分をあまり責めないであげてくださいね。
私たちは、
毎日それなりに頑張っているのですから。
さて。
今夜は、
さすがに大人しく、
温かいお茶でも飲んで過ごそうと思います。
でも、
冷凍庫の奥を覗いてしまう自分も、
ちょっとだけ、
いたりして。
こういうのって、
やっぱり面白いですよね。
また何か、
日常のちょっとした事件が起きたら、
ここでこっそりお話しさせてください。
それでは、
また。
少し、話しは変わりますが、
最近、
お友達から面白いものを教えてもらったんです。
それは、
ある小さな雑貨屋さんでした。
住宅街の、
本当にひっそりとした場所にあるお店で、
うっかりすると通り過ぎてしまいそうな、
そんな佇まいでした。
でも、
一歩足を踏み入れてみると、
そこには、
なんとも言えない素敵な空間が広がっていたのです。
あ、
こういう表現、
よくありますよね。
でも、
本当にそうだったんです。
きらびやかな商品が並んでいるわけではありません。
むしろ、
ちょっと古びたものや、
どこか懐かしい雰囲気の雑貨が、
静かに並べられている。
ただそれだけなのです。
では、いったい、
どうしてそんな場所に惹かれてしまうのでしょうか。
それは、
効率とか便利さとか、
そういうものとは少し違う、
『時間』の流れた方がそこにあるからなのかもしれません。
世の中は、
どんどん便利になっています。
ボタン一つで何でも買えるし、
知りたいことは一瞬で調べられる。
すごくありがたいし、
助かっています。
私の生活も、
すっかり便利さに支えられています。
でも、
便利になればなるほど、
私たちは、
何か大切なものを、
少しずつ置いてきぼりにしているような気もするのです。
それは、
立ち止まる時間、
だったりします。
効率よく生きることは、
とても大切です。
時間は有限ですし、
やるべきことはたくさんあります。
主婦の毎日だって、
本当に忙しい。
朝から晩まで、
やることが次から次へとやってきます。
少しでも効率よく動かないと、
一日があっという間に終わってしまう。
だからこそ、
効率よく動くことは大事なんです。
でも、
だからこそ、
あえて効率的ではない場所に行きたくなる。
そういう矛盾した気持ちを、
私たちは心のどこかに持っているのではないでしょうか。
あの小さな雑貨屋さんで過ごした時間は、
驚くほど非効率なものでした。
店主のこだわりが詰まった雑貨は、
どれも手作りで、
大量生産はできないものばかり。
お値段も、
決して安くはありません。
すぐに役に立つものかと言われたら、
そうでもない。
ただそこに置くだけの、
小さな木彫りの動物だったり、
手触りの優しい布だったりするのです。
でも、
それを手に取ったとき、
なぜだか胸がフッと軽くなるような、
そんな温かい気持ちになったんです。
これは、
単なる買い物ではありません。
買い物という行為を通じて、
自分の心を整えていた。
そういうことなのかなと思います。
私たちは、
日々の生活の中で、
知らず知らずのうちに、
緊張しているのかもしれません。
ちゃんとしなきゃいけない。
時間を守らなければいけない。
周りに迷惑をかけないようにしなければいけない。
そんな小さな鎧を、
一枚ずつ着込んでいくように、
いつの間にか力が入ってしまう。
だから、
たまにはその鎧を脱ぐ場所が必要なんです。
冷凍庫の夜も、
小さな雑貨屋さんも、
きっと私にとっては、
その鎧をそっと脱ぐための、
大切な儀式みたいなものなのかもしれません。
そう考えると、
あの夜中のアイスも、
決して無駄なカロリーなんかじゃなくて、
心に必要な栄養だったと言い張りたいくらいです。
もちろん、
体重計に乗ったときの現実からは目を背けたいですけれど。
でも、
それも含めての、
私という人間なのだと思います。
完璧じゃなくていい。
ちょっとくらい脱線したっていい。
そんなふうに、
自分を許してあげられる隙間が、
日常には少しだけ必要なのですね。
みなさんは、
最近、
どんなふうに力を抜いていますか。
もし、
毎日が少し窮屈だなと感じているなら、
あえて目的のないお出かけをしてみるのも、
いいかもしれません。
どこか遠くの観光地じゃなくてもいいんです。
近くの公園を少しだけ遠回りして歩いてみるとか、
いつもは入らない小さな本屋さんを覗いてみるとか。
そんな、
ほんの些細な寄り道の中に、
思いがけない宝物が落ちていたりする。
私の場合は、
それがあの雑貨屋さんであり、
夜中のアイスだったというわけです。
こうして文字にしてみると、
なんだか私の生活って、
食べてばかり、
寄り道ばかりしているような気もしてきました。
でも、
それのどこがいけないのでしょうか。
誰も怒らないし、
誰にも迷惑はかけていない。
むしろ、
自分がご機嫌でいられるなら、
それが一番の親孝行であり、
家族にとっても平和なことなのではないかと、
勝手に思っています。
次にその雑貨屋さんに行ったら、
今度はあの、
少し不格好な一輪挿しを連れて帰ろうかなと、
今から密かに計画を立てています。
どこに飾ろうか。
どんなお花をいけようか。
そんなことを考えているだけで、
次の休日が待ち遠しくなってしまうのです。
日常は、
ほんの少しの工夫と、
ちょっとした寄り道で、
ガラリと色を変えてくれます。
特別なイベントがなくても、
毎日は十分に面白い。
そんなことを感じながら、
今日も私は、
これから夕飯のメニューを考えるのです。
今夜は、
さすがに野菜中心のメニューにしようかな。
でも、
食後のデザートくらいは、
やっぱり、
あってもいいですよね。
なんて。
こういう話をしていると、
キリがありませんね。
そろそろ夕飯の支度を始めないと、
家族からクレームが来てしまいます。
それでは、
また今度。
みなさんも、
素敵な休日をお過ごしくださいね。