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 するとすぐに、その通路の先にある大きめのスペースを発見する。

 本のある部屋の一番奥の壁を背に、本棚の壁によって確保された確かに人が暮らすための隠れ家のような場所がそこには用意されていた。

 それを見つけて一瞬喜んだ小夜と歩だったが、その喜びはすぐに小さくなっていく。

 そこにあるのは見慣れた古い椅子と丸テーブルがあるだけで、生活感のあるものは何もおいていなかったからだ。

 目を引くものがあるとすれば、それはテーブルの上に置いてある『小さなランプ』だけだけど、それは小夜も歩も前にあざりが使っているところを見たことがあるもので発見と言えるほど目新しいものではなかった。

「ここがあざりお姉ちゃんの部屋なのかな?」

 歩が呟く。

「そう見たいね。何もないけど」

 小夜と歩は空間の中に移動する。

「クローゼットもベットもないね。あざりお姉ちゃん、いったいどこで服を着替えて、どこで眠っているんだろう?」

 歩はキョロキョロしながら小夜にそう聞いた。

「さあ、もしかしたら、服はこう、念じるだけで着替えられるのかもしれないし、睡眠も、もしかしたらとらなくてもいいのかもしれないわね」

「眠くならないってこと?」

「そうかもしれないってだけよ。あざりは魔女なんだし、私たちは魔女のことなんて何も知らないんだから、そう言い切ることはできないけどね」

 あざりは大切なことは何も話してくれない。

 それはきっと、私たちがまだ小さな子供だからだ。

 私たちがもっと大きくなれば、あざりももっとたくさんのことを私たちに話してくれるようになるのだろうか?

 そんな疑問が小夜は頭の中で考えてた。

「どうする、小夜」

 残念そうな声で歩が小夜にそう聞いた。

「あざりがダメダメっていうから、何かあるのかと思ったけど、拍子抜けだったわね。しょうがない。こうなったら、この部屋だけでなく、倉庫の中を全部くまなく探索しましょう」

 小夜はそう言い切ると強い眼差しで歩を見つめた。