335(倉庫の屋根裏部屋) | amesekaiのブログ

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 間奏

 
 倉庫の二階の上にさらに小さな部屋裏部屋があることに小夜と歩は『偶然にも』気がついた。

 二人がいつものように倉庫の中を尋ねると、その日はそこにあざりの姿はなく本のある部屋は空っぽだった。

 そういうことはちょくちょくあった。

 実際に初めてあざりを小夜が目撃したときも、あざりは初音家のメイド服を着て、外から倉庫に帰ってくるところだった。

 どこに出かけているのかと小夜はあざりに聞いたこともあったんだが、あざりは『秘密だよ』とだけ言って小夜の質問にきちんと答えてくれなかったのだ。

 そのときに感じたムカムカとした思いが小夜の中に蘇ってくる。

「なんだ。あざりお姉ちゃんは留守か。どうする?小夜」

 小夜のスカートを引っ張りながら隣にいる歩がそう聞いてくる。

「探索しましょう」

 歩の方を見て小夜はにっこりと笑うとそう言った。

「え?探索って、この倉庫の中を?」

「違うわ。この部屋の中をよ」

 小夜は歩にそう返事を返す。

「この部屋の中って、まずいよ。あざりお姉ちゃんは留守なんだよ?」

「あら?あざりがいないからこそ、チャンスなのよ。いつもみたいに邪魔されないもの」

 小夜は平然とそう言ってのける。

「で、でも、あとで怒られないかな?」

 しかし、のりのりの小夜と違って、あざりになついている歩はあまり乗り気ではないようだ。

「歩、この倉庫は誰のもの?」

 小夜は歩にそう質問する。

「小夜のお父さんとお母さんのもの、だけど」

「そうよ。私のお父様とお母様のものよ。あざりの持ち物ではないわ」