再開
ここは、どこ?
花は青色の中にいる。
さっきからずっとあっちこっちに飛ばされて、迷ってばかりで本当に困る。
これではまるで、森を見つける前の段階に戻されてしまったみたいだ。
花はとりあえず手足を動かしてみる。
すると自分の体が前に、後ろに自在に動かせることに気がついた。
これではここは『空』というよりも『透明度百パーセントの海の中』を泳いでいるみたいな感じだ。
体にまとわりつく密度も、あの闇の底や抜け穴のときと似ている。
この空には何かがある。
それは水だ。
ここは先ほど魚に教わった知識で考えると『空と水を混ぜ合わせて作られた空間』ということになるのだろう。
しかし、それを確かめようにも肝心の魚がどこにも見当たらない。
水槽の中に戻ったのだろうか?
それとも私と同じでこの空のどこかに飛ばされてしまったのかもしれない。
花はぐるっと体を一回転させてみる。
下も上もここにはない。
すべてが青色の世界だ。
こんな青空を見るのは一体いつ以来だろう?
空はずっと灰色だった。
太陽だって、もうずいぶん長い間見ていない気がする。
ん?太陽?
花はキョロキョロと周囲を見渡してみる。
しかし、太陽の姿はどこにもない。
なんだ。
花は落胆する。
ここが作り物の空で本物の空ではないことはわかっていたけど、太陽がないんじゃ興ざめだ。騙されたふりをすることすらできない。
とりあえず、早く森に戻らなくっちゃ。