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「それって、大切な話?」

 こくんと花は頷いた。

「わかった。いいよ。じゃあ、少し先に僕の作ったベンチが置いてあるはずだからそこで休憩しながらその話をしよう。それでいい?」

「ええ、いいわ」

 花は笑顔で歩にそう返事をした。

 しばらくすると、歩の言った通り道の脇に置いてあるベンチが見えていた。そのベンチの形に花は見覚えがあった。入り口の門付近で座ったベンチと今目の前にあるベンチはそっくりだった。

 歩が素手でベンチの上に積もった雪を払う。雨が降ったにもかかわらず雪はベンチの上に残っており、また冷たく凍りついてもいなかった。

 歩の手の動きとともにパラパラと粉雪は舞い落ちて、ベンチその機能を取り戻す。

「花、座って」

 歩が手で花を催促する。

「うん。ありがとう」

 そう言って花は荷物を持ったまま、ベンチの上に腰を下ろした。

 花はその両手に白い鳥かごを持ったままだった。

 鍵は予想通り歩の持っている小さなん鍵で空いたのだけど、鳥はなぜか鳥かごの外に出ようとはしなかったのだ。

 なので花は少し悩んだが、今まで通り鳥かご自体を持ち歩くことにした。(大きくて邪魔だけど、重さ自体は羽のように軽いから問題ない)

 花は自分の太ももの上に鳥かごを置いて抱きかかえるようにしてベンチに座っている。肩にかけていた白いボストンバックは自分の座った場所の隣に置いた。(歩の座る場所の反対側)

 歩はカンテラのぶら下がった深緑色のリュックを背中から下ろすとそれを足元に置いてベンチに座った。花と歩はお互いの肩と腕が少し触れるくらい接近する。