「初めまして神様。私の名前は白月輝夜と申します」
深々と頭を下げるが、全く隙が見当たらない。彼女は全く油断をしていない。つまり、彼女は私の事を完全に敵だと認識しているのだ。
「白月輝夜、、あなたその力をどこで手に入れたんですか?」
「魔法の事ですか?それは勿論、魚に教わったんですよ」
「魚に?」
「ええ、私だけではありませんよ。この街には魔法使いが数名います。みんな魚から魔法を習得したんです」
「なぜ、魚はあなた達に魔法を授けたのですか?」
「それは、この街を嵐から救うためです」
、、、それがあなたの出した答えなんですね、魚。
「輝夜。私には行かなくてはならない所があるんです。ここを通してくれませんか?」
「残念ですがそれは出来ません。私はあなたを楽園に連れ戻すためにここに来たのです」
「輝夜、私はあなたと争うつもりはありません。ですが、あなたが私の邪魔をするなら、私はあなたと戦わなければならない事になります」
「私も引くつもりはありませんよ、神様」
「輝夜、あなたは私に勝てると考えているんですか?」
「私はそれほど愚かではありません。私は人間です。あたなは神様、戦えば勿論、私が負けます」
「なら、ここを通してください」
「神様、あまりわがままを言わないでください。あなたのいるべき場所はどこですか?あなたを必要としている人々は今、どこにいると思いますか?」
「それは、、」
「神様、楽園にお戻りください。そこがあなたの居るべき場所です」
輝夜の言っている事は正しかった。
でも、それでも、私は、、。
「、、、楽園に戻る事は、出来ません」
「それは何故ですか、神様」
私は輝夜に直ぐに答えを返す事が出来なかった。
王子様を探しに行く、、とは流石に言いづらい。
「理由はちゃんとある。照子は王子様を探しに行かなくちゃいけないんだよ」
私がためらった言葉を希が大声で叫んだ。
顔から火が出るくらい恥ずかしかった。多分、私の顔は真っ赤に染まっているだろう。もう、そんな事正直に言わなくてもいいのに、、希のバカ。
「王子様?」
「夢の中で照子を助けてくれた王子様だよ」
輝夜は額に眉を寄せて考え込むような表情をつくった。いや、もしかしたら呆れているだけかもしれない、、。
「神様、、希の言っている事は本当ですか?」
「、、ええ、本当です、、」
私はとても小さな声で輝夜の言葉に答える。
恥ずかしい、、。
「神様」
「、、はい」
「王子様を探すというのなら、私が神様のかわりに王子様を探しましょう」
輝夜はとても真面目な表情をしていた。そして、とても強い瞳を持っている。
夜雨と同じような輝きが、その瞳には宿っていた。