空を見上げるととても大きな満月だった。
綺麗だな。
何やってんだろ、私?
「よっと」
声を出して立ち上がる。
さてと、家に帰るとしますか、、。
夜雨、帰ってきてるかな?
夜雨は居なくても美雨ちゃんはいるはずだ。どうしよう?夜雨の事、話しておいた方がいいよね?
でも、なんて言えばいいんだろう?
私がついていながら夜雨を一人にしてしまうなんて、、。
くそ、非常事態だったって事は言い訳にはなんないぞ、、。
あいつは無茶するんだ。
誰かがそばにいてやらなくちゃダメなやつなんだよ。
私は反省しながら夜道を一人で歩いていく。
訳あって私は夜とか暗闇が大っ嫌いだ。
でも、満月のおかげでいつもよりは怯えずに家に帰ることが出来そうだった。
ん?
なんだろう、あれ?
地面に何か丸っこいものが落ちている。
丸っこくて白っぽいもの。なんか大きな猫のような?犬のような?
私は道路の端っこに移動して、その変な物体を通り過ごそうとした。
しかし、私がその物体の横を通った時に、その変な物体はいきなり私に声をかけてきた。
「あの、、すいません」
「え?」
「あの、、すみませんが、、僕の話を聞いてもらえませんか?」
「、、なに、私に話しかけてるの?」
白いモフモフが地面の上で変な動きをする。
やだ、なにこれ?
「実は、、連れと一緒に来たのですが、はぐれてしまいまして、、ここは一体どこなんでしょう?」
ぴょこん、とモフモフから頭が飛び出した。
それは小さな男の子だった。
白いモフモフは着ぐるみというか、なんかそんな感じの服を着ている為、そう見えたみたいだ。
とりあえず、めっちゃ可愛かった。
お化けが怖くてビビって歩いていたのに、まさかこんな可愛い物体と出会えるなんて、、。
「えっと、ここは東区だよ。東区」
「東区のどの辺りでしょう?」
「中央区よりかな?東区壁の下駅の駅前通り。そこの一本裏の道がここだよ」
「、、実は僕、行かなくてはならない場所があるのですが、、」
「分かってる。お姉ちゃんに任せなさい。あなた、迷子なんでしょ」
「迷子?僕が迷子ですか?違いますよ、連れが迷ったんです」
男の子は立ち上がり服の誇りを叩いて落としている。どうやらさっきのは道の真ん中に座り込んでいたようだ。
「そうなの?ならさっきは何をしていたの?」
「寝っ転がって、月を見ていたんです」
座ってたんじゃないのか、寝っ転がってたんだ、、。可愛い。可愛いからどっちでもいい、、。
「なんで月を見てたの?」
「なんででしょう?僕にも分かりません」
「月を見てたらお友達とはぐれちゃったの?」
「そうです。気がついた時には、僕は一人になっていました、、。寂しいです」