【起稿2026年5月10日記事】

さて今日私は、散歩は止めて、午前中屋内で「歩行再建」リハビリを行いました。

昨日の記事に書きましたが、脳卒中罹患者の後遺症(障害)の種類・程度は様々です。


なので、罹患者の方によっては、私よりはるかに回復された「杖・装具無し完全独歩」の方もいらっしゃっる一方で、障害・生活環境の為に車椅子を利用出来無い私とは異なり、杖歩行は未だでも車椅子で生活されておられる方もいらっしゃいます。

しかし、今回の「リハぷちポイント」は、どのような状態にあれ、リハビリの中で、「運動学習」を行う面から、大きなウェイトを占める「歩行再建」について取り上げます。


※画像はイラストAC(https://www.ac-illust.com/)より引用しました。


「歩行再建」とは、意味は読んで字の如しですが、リハビリ用語で、特に脳卒中リハビリテーションにおいてよく用いられています。

私の現在の「歩行再建」リハビリの中には、昨日の記事に勿体付けて書いた「ぶん回し歩き対策秘密訓練」を含みます。


歩行再建をする為に、療法士等専門家は、「速度(速くスムーズ)」と「歩容(効率的で美しい)」という異なる方向性のリハビリを混ぜて繰り返し実施します。
また、それぞれのリハビリの中で複数の介入を行います。
私は、「こうした効果の異なるリハビリや複数の介入の成果は、やがて私のような罹患者の中で習合し、シナジー効果で歩行再建が成るのだ。」と体験的に感じています。

※因みに前にも記事に書きましたが、「人の歩行する姿」を「歩様」と書いている記事を見かけますが、私の使用している「歩容」と「歩様」では由来が異なり、「歩様」は動物(特に馬)に対して使う言葉で、人に対して医学的、美容的に使う言葉は「歩容」が正しいです。
この話の根拠は例えば...

「脳卒中片麻痺患者のバランス機能と歩容」
「理学療法ジャーナル(2000)」

東京蒲田の「足と歩行の診療所」HP👇


資生堂研究所主導「fibona(フィボナ)」
公式サイト👇


「歩様異常―神経科の立場からみた歩様異常」
「日本臨床獣医学フォーラム」 の開催サブタイトル

「JRA(日本中央競馬会)」公式サイト
/「競馬用語辞典」👇


さて、「歩容」矯正リハビリの必要性ですが、「効率的で疲れない運動」、「筋肉や関節を傷めない正しい運動」、「美しい歩行」を行う為に必要です。
私の場合、まだまだ歩容矯正の課題が多いのですが、現在は、「ぶん回し対策」、「健足の正しい使い方」を重点にしています。

私のような片麻痺者は、通常麻痺足の動きを注意しますので、「健足の正しい使い方」と聞く(読む)と「麻痺足の間違いでは無いか?」と思いますが、私は最近、歩行する上で特に、立脚期中~後期の麻痺足を振り出している間の足指を使った建足の「踏ん張り」、「姿勢制御」、「蹴り出し(底屈)」が重要と感じ、立位、歩行で健足の母趾荷重、小趾荷重、底屈背屈を行い、足底感覚(メカノレセプター)を意識してリハビリするように、取り組んでいます。


最後は、いよいよ「ぶん回し対策」です。




※画像はイラストAC(https://www.ac-illust.com/)より引用しました。


私のような片麻痺で生活、リハビリで歩行する者は、皆分かる「ぶん回し」とは、上に添付した画像のように、歩行で麻痺足を振り出す際に、左足麻痺なら時計回りに「C」の文字を下から書くように回して振り出し
、右足麻痺なら逆時計回りに「つ」の文字を下から書くように回して振り出す歩容を指します。

この「ぶん回し歩行」は、リハビリテーション医学において、「原因は一つでは無く、いくつかの原因が複数生じている可能性が高い」
とされています。
列挙すると...
①脚の協調屈曲の不調
麻痺足を振り出す際に、協調的に股関節や膝を屈曲する事が難しい為に、外側に開き麻痺足を浮かせることで、足と床の距離をあけて振り出す代償戦略が発現する。
これは、麻痺脚稼働の随意性が低下していることに加えて、姿勢調整制御の問題を含有しています。
②麻痺側荷重の不足
足を振り出すためには、「床反力」が必要になります。
「床反力」とは足で床を蹴った結果得られる反力で、物理法則の基礎「作用・反作用の法則」のような力となり、足は持ち上がります。
足を振り出すという動作は
、単に足を上に持ち上げているだけでは無く、足で床面を押し、蹴り出す瞬間やタイミングが存在することで、スムーズに実施されるのです。(私がよく散歩記事に書いている「足の底屈背屈」のサイクルの事です。)
また足で床を捉える、もしくは蹴り出すためには必ず一度体重をかけなければいけないということになるので、振り出しの改善には麻痺側下肢の支持、荷重を改善する必要があるのです。
③体幹の非麻痺側傾斜
麻痺足を振り出す際に、足が上手く持ち上がらない事で、必要以上に非麻痺側へ重心を乗せてしまうと、「平衡反応」と呼ばれる不随意のバランスの反応が生じてしまいます。
例えば、体を右に傾けていくと、体幹だけでは支えきれずに、左足が外側に開き体がそれ以上右に倒れないようにする反応が生じてしまいます。
また、この平衡反応での振り出しは、内反を引き起こし易いとされています。

なお、上記①~③は、筋肉の物理的変化に起因している場合、私のような感覚障害に伴う要素に起因している場合があります。
いずれの場合も、上記①~③の是正を意識したリハビリの反復が必要です。
(以上「ぶん回し歩行」の原因については、トータルリハビリテーション「トリア」のブログ等を参考に書きました。)

私は、回復期病院で療法士から「ぶん回し歩行」を注意されると、「私は女性では無いから、『美しい』歩行で無くても、兎に角歩ければ良い。何故『ぶん回し』は良くないのだろう。」と疑問に思っていました。(療法士の中にも、生活範囲内歩行を優先し歩容は後回しという考えはあります。)
また、回復期病院退院3ヶ月で復職し、4ヶ月就労した私は、その間は仕事、生活に必死で、効率の悪い歩容で疲れても、後先考えず根性で何とかするという、とんでもない毎日を過ごしていました。
無職となった現在は、あれこれ考え、リハビリ、生活に臨んでいます。
改めて「ぶん回し歩行」の弊害を調べると...
①一側性の負担
健側に頼ることで、麻痺側に十分な刺激が行き届かない可能性があり、これが続くと、筋肉の萎縮や関節の強張りが生じるリスクがある。
②疲労感
「ぶん回し歩行」は、全身の動きを制限する為に、通常の歩行よりもエネルギーを多く消費するとされます。
これが継続する事で疲労が蓄積し、持久力低下を招く可能性があります。
③膝痛の発現
つま先を外に向けて脚を伸ばした状態は、大腿内側についている薄筋を過剰に伸張し、この状態で収縮を繰り返すと、特に膝内側の薄筋付着部に炎症が起こり痛みを起こすとされます。
また、「ぶん回し歩行」では
、本来歩行の振り出しで股関節を屈曲する腸腰筋が使えず、恥骨筋で代償して振り出すため、筋に負荷がかかり、その周囲を通る閉鎖神経を絞扼することがあり、閉鎖神経が絞扼されると、支配領域である膝内側の痛みが発現する事があるとされます。
...という情報が、ネットにありました。
(以上、「ぶん回し歩行」の弊害については、「日本離床学会」公式サイト、「脳梗塞リハビリテーション名古屋」HPブログ等を参考にして書きました。)

さて、私の「ぶん回し対策」リハビリですが、私はマッサージ師さんの意見と自身の分析から、自らの「ぶん回し」は感覚障害に伴うものと自覚している為、まずは、「ぶん回しを抑制する意識付け」が重要と考えました。

そこで、先ほど説明した「ぶん回し」の逆に左麻痺足を稼働する反復学習をするようにしたのです。
つまり左麻痺足を振り出す際に、「C」の字では無く、「つ」の字を逆から書くように、左麻痺足を一旦右にクロスして左に戻す動作をします。
これは散歩等屋外歩行で実施すると危険なので、あくまで意識付けリハビリとして、屋内でのリハビリ、生活のついでに実施しています。
学習効果で意識付けがされたか、このところ散歩等で「ぶん回し」は発現していません。