脳卒中の回復時期は、通常3段階に分割して考えられており、それぞれの時期は人により意見が異なりますが、概ね、発病後1ヶ月までを急性期、1ヶ月から6ヶ月までを回復期、6ヶ月以降を生活期(維持期)と呼びます。私を含めほとんどの患者が発病当初は治療メインで急性期病院に入院し、回復期に本格的なリハビリ目的で専門病院、専門病棟へ転院して、リハビリの結果自立度が上がり介助負担が必要なだけ下がると退院して、帰宅又は施設入所となりそこからは、一般的に生活期と呼ばれ、主に生活動作の回復完成を目指したリハビリテーションとなり、訪問、通所、自主リハビリで生活の合間に行うこととなります。

私は、急性期病院では、病状変化や排泄コントロール不良などで、充分なリハビリを行えませんでしたが、セラピストたちは皆ベテランで、体幹と肩筋肉を鍛え、装具について教えてくれた体育会系の男性OT、立位バランス感覚を鍛え、障害者として生き残る為の心構えを叩き込んでくれた女性PT、高次脳機能障害の発見指摘、顔面神経麻痺防止(明瞭発声の維持、摂食嚥下改善)に努めてくれ、病識醸成を図り、患者の気持ちに寄り添う指導をしてくれたセラピスト専門学校元講師の男性ST…といずれも幸い、人格者で高い技術を持った方々であったので、本格的リハビリに向けた基礎を作っていただく事が出来ました。

ようやく入院生活に慣れてきた4月下旬、主治医から「入院して1ヶ月になるので、脳の検査をして現状確認しますが、検査結果に問題なければ、症状は落ち着いているので、そろそろ専門病院へ転院して、早く本格的リハビリをした方が良い。」と言われ、ソーシャルワーカーが転院先専門病院の候補を幾つか紹介してくれました。候補はいずれも居住地近隣の病院でしたが、私はその事を、面会に来た妻に話し、2人で候補病院を調べて選定する事にしました。結果、全国展開するリハビリ病院グループの一つで、施設、設備が新しく、セラピストの人数の多い、現在入院中のリハビリ病院に決めて、入院(転院)を申し込みました。