そう、きのう金曜日の午後11時過ぎのこと……。

 

あす土曜日が期日前投票の最後の日であって、

あさっての本番の(/0\)イヤンハズカシ! 日曜日は寒波がマックスということらしい。

 

   隣の部屋のテレビではNHKが点いていて、

   ドキュメント72時間『奥能登・珠洲 海辺の銭湯』を放送していた。

 

いくら最強の寒波だからといっても、有難いことに大阪に降る雪は厳しくはない。

しかし、出来れば寒さは避けたい気持ちがあるので、国政選挙という天下国家の大事であれど、私の餌の買い出しのついでに期日前投票を済ませようと考えた。

 

まずはスーパーへ立ち寄り買い物を済ませ、市役所に赴き期日前投票を終えると、

役所内にあるATMで出金をして後、駅前で花を買えばいいかなどと考えながら、

隣室のテレビをちらりほらりと観ていたのだ。

 

   男女平等!、ジェンダー平等!と、かまびすしく騒いで久しいが、

   男性の湯船に裸体を撮影し放送はするが、女性に於いては仕込みの

   AV女優でもない限り、素人衆の裸体はテレビではさらされることはない。

 

   いまだって男性の取材班が、お尻丸出しのおとっちゃんの後ろを強引について

   いく。いや、後ろ姿だったら男性も女性もないじゃない! 

   オール女性の取材班でも、まずもって女性の湯船へ突撃は不可能なのだろう。

 

   いや、別に何が見たい見たくないの問題ではなく、男性が少しくみしやすいも

   のに見られている。撮影後、社に戻って編集する際、男女のスタッフで、

   「ここちん子ちゃん映ってますので、ぼかし入れます」とかやってると考えられ

   るし、無修正のマスターテープが永久保存されれば、将来、ぽこちんと世に出 

   ることもあるだろう。しかし……まあ、男であれば……いいか。

 

   しかし、この地方の、この銭湯は、震災の被災者や、復興のために駆け付けた 

   猛者たちの憩いの場でもあり、私のように、ちんぽ毛なちっぽけなことは考え

   ないのだろう。

 

   エンドクレジットになり、画面が銭湯の外観を映し出したのを見て……

 

         
 
    私は、急に不安を感じてしまった。銭湯のロゴマーク。
 
    漢字で書けば『湯』であり、カタカナで書けば『ユ』である、そのロゴは、
    子供と大人の象形にも見えるが、おそらくひらがなの〇であることは間違い
    ない。そのひらがなが、これを見てどんなだったかわからなくなってしまっ
    た。えーっと、中空に指で書いてみるも、はっきりとしない。
 
    字、忘れたん?
 
    いや、これであってるはずだ! 
    
    最近、字を書くことが減ったとはいえ、最近スーパーで恥をかいたこともあ
    り、さっそく卓上に散らばるレシートの裏に走り書きした。 
 
       
 
    ふぅ~う、脅かしやがって! 
    忘れないで~♪ よかった。
 
それで餌の買い出しだが、スーパーへはきょうのお昼前に行った。
その足で、市役所を訪れたのだが、予想をはるかに超える人たちが大蛇のようにロビーを占領していて、先頭はわかるが尻尾はどこにあるのだろうかと、ズンズン奥へ奥へと入っていったが見つからず、結果、途中のATMも集団にふさがれていて、人々の頭越しに中をうかがうと薄暗く、つまり照明が消えていることからすれば、役所内のATMは、土日はお休みだったことを知らされ、およそ100人は超える待ち人のお尻に並ぶことは諦め、投票は、あす日曜日の本番(/0\)イヤンハズカシ!で投票することにする。
 
 
   しかし『ゆ』って文字、やっぱり書いてみないとわからないよね。
   『つ』と『り』の同衾文字だね、こりゃ。
 
   レシートの裏のひらがな、『ゆ』が書けて安心したのか、あとまだ、
 
        ら り る れ ろ
        わ       を
        ん
 
   があるのです。参考まで……。
 
 
スーパーで恥をかいた話と言うのは、……またの機会と言うことで、
やっぱり今宵はこの歌しかないです。

 

  

 

 

吾輩は猫である。……と思うほど最近の私は寝ることに見境がない。

 

起きている時間以外は寝ているし、寝ている時間以外は起きている。

いや、それは当たり前なのだけれど、日中、寝入ってしまうことがある。

昼寝や午睡と考えればよいのだろうが、決まりやルールがない寝落ちである。

 

一日の睡眠時間を見れば4~5時間くらいのものだろうから、合計では睡眠不足なのかもしれない。目覚ましのアラームが午前7時30分で、寝付くのが午前4時くらいと考えたら、日中30分ほど寝落ちしても、まあ不思議がないのかもしれない……。

 

(怠惰人の生活について)

 

ところで、紅白のオープニングにおける出来事で(エンディングでのものもあるが)

 

 

 

『おっさん、misiaさんのみ、み、耳にキスしとるんかい!』という疑問について、

 

被害者というか、当事者のひとりと言った方がいいのだろうか、misiaさんからの報告

 

があったのでここに紹介しておきます。

 

「あれはぁ、私がキャンディチューンとフルーツジィッパーさんのとこで、こう、わーって楽しんで盛り上がっていたんですけど、一応、フリをやってもいいしフリじゃなくて、こう、クラップだったり楽しんでいても、どっちでもいいですよって言われていたので、私はどっちかというと、フリじゃなくて楽しむ方でワァーって楽しんでいたんですけど、多分それを見た堺さんが「ミーシャさん」って、あのああいう時って、振付のお手本みたいな人が実は見えないところで踊ってくださってるんですよね。それで、もしわかんなかったらその人を見れば出演者は踊れるようになってるんですけど、であそこにいますからねって言ってくださったんです。つまり踊りましょうって、私に言ってくれてたんです、堺さんは。その時やっぱ遠くを見ているから堺さんはちょっと目を細めていらっしゃったから、難しい話を多分しているような雰囲気にもしかしたら見られたかもしれないです。違うんです。あれは踊りましょうって感じです。そういう話をしていましたが、ほんとなんか申し訳ないです。楽しく、はい、盛り上げておりました」

                                                              (MISIA 星空のラジオ 〜Sunday Sunset〜 #170より)

 

 

misiaさんがそう言うのであればそうなのだろう。

 

私としては『おかみさん。痴漢ですよ!』とまで言った手前、相手を呼びつけ肌と肌

 

がくっつく距離での耳打ちがハラスメントにならないのか、芸能界における上下関係

 

や旧態依然のしきたりなどの闇についてや、公然での釈迦に説法は、もしかしてマチ

 

ャアキ脳天ファイラーか、この説明では前橋市長の言い訳となんらかわらないので

 

ないのか、などいろいろと検証していかなければと思うことがやまとなでしこある

 

だが、misiaさんがそうおっしゃったのならこれで終わりである。

 

ただ私はおとなしく、お口きんちゃく。

 

            

 

 

今年に入ってまだ誰とも話してない。

が、おそらく新年最初の話し相手と言葉は決まっている。

 

「はい、お願いします!」もしくは「あっ、いいです!」

 

これはレジで袋の有り無しを店員に問われた場合の返答だ。

 

「はい、お願いします!」はコンビニでの返答であり、

「あっ、いいです!」はスーパーでの返答だ。

 

 

同じ3円5円のレジ袋でも、スーパーよりもコンビニの方が割安だ。なぜならコンビニでは店員による袋詰めの手数料も入っているからだが、なにより重要なのは、待っている次の客への気配りの心配がいらないことだろうか。

 

それに対してスーパーの袋代は正味の袋の代価であり、したがって自分が袋詰めするわけだが、まあ、多少の気配りはいるが、ゆっくり自分のペースで作業ができる。

 

一長一短、どちらを選ぶかは、我が食料事情によるのだが、まあ、スーパーに行くことになると思うので、今年最初の言葉は「あっ、いいです!」になると思う。

 

ちなみに去年の最後の会話は12月31日(水)午前10:58で「持ってないです!」だったろうか。そこはスーパーだったので原則に従えば「あっ、いいです!」となるわけだが、そのスーパーは店独自のポイントの有り無しを問うことをレジでの規則としているようで、レジ袋の有り無しで「あっ、いいです!」と答えたのち、次にポイントカードを持っているかどうか訊かれたので答えたのがそれである。

 

さて、せわしなくもなく、また、あわただしくもない年末を過ごす私は、当然のようにテレビを見ることになり、そうしてもちろん紅白歌合戦を見たのだが……。

 

開始早々、私は、心の中で叫んでしまった。

 

『おかみさん 痴漢ですよ!』

 

その気分のよろしくない行為を公然の中で見せつけられた私は彼女の今後を憂慮し、その行為をここに書き記すことにより、彼に反省と自戒とを求めることにしたのだ。

 

では、それについて、どう話そうか……文句の一つでも言ってやろうか、と思うのであれば、ここはいっそぼやき漫才でやってやろうか……と思考しながら、こり固まった首筋に手をまわし、首を後ろ側へゴリとひねると、

 

「やっ、お前いつからおるんや!」

 

私の視界の端に、体育すわりの青山年男がいたのである。(アパートの隣人)

 

「あ、あのう、5分ほど前かられすけどね」

 

施錠もままならない古いアパートだから、勝手に上がり込んでも不思議はない。

 

「まあ、ええけど。どうせ暇やろ。そしたら俺の話し相手になってくれ、な?」

 

なかば強引である。というか完全に無理やりである。彼が何をしにやってきたのかは今は問わない。どうせ、何か食い物をあさりに来たのだろうと私は思っている。

 

しかしこの訪問は、私にとってはちょうどよかった。書き悩んだとき、かつて一度だが、人生幸郎、生江幸子の両師匠に私のネタで漫才をしてもらったことがある。いわゆる『ぼやき漫才』で当時の政府と隣国を揶揄したのだった。

 

 

ただ、代役を立ててしまうと自分が出てこれない。まるで私は傀儡子のように、自分の考えを人生幸郎と生江幸子に話させることになる。となると、少し寂しい。だから、突然の訪問者である青山年男を相手に、つまり、この男に愚痴るような感じで話せば、いやな話題でも、少しは気が楽になるのだ。

 

「ところで青年とは去年の12月28日以来やったかな?」

 

「ええ、そうれす。『すべて世は事もなし。』の記事以来れすけどね」

 

私の人類滅亡説を信じて全財産を使い果たした青山が、結果人類は滅亡しなかったことで文句を言いに来たのだった。

 

「じゃあ、ついて子ちゃんは、どうした?」

 

ついて子ちゃんとは、その日クリスマスの夜に青山に憑りついた幸運の女神である。

 

「部屋で、寝てますれす」

 

「ふ~ん。藪から棒で悪いんやけど、紅白歌合戦について話したいんや、お前、見たよな、紅白?」

 

「あ……あぁ。最初と最後とはばっちり観ましたれす」

 

「じゃあ、話しやすいわ。今回の紅白のテーマってしってるか?」

 

「そんなのあるのれすか」

 

「ああ、『つなぐ、つながる、大みそか』なんだけどさ、実際見ていてどう思った?」

 

「あ、何か段取りが悪そうで、変な沈黙の間があったようにおもいますれすね」

 

「そうそうな  げい、つ なが ない、大みそか』になってた。スタッフがカメラの前を横切ったりとかもあったな。司会進行役も、見ているこちら側も気が揉んでしまうような場面が多かった。でもな、これって上層部に対する現場スタッフのレジスタンスだっていううわさもあるらしいんだ」

 

「抵抗運動れすか」

 

「そうよ。aespaっていう女性グループの一人が以前、広島の原爆を模したキノコ雲ランプなる物を購入しSNSで『かわいい』とか言ってたのを掘り起こされて問題になり、抗議の署名が14万人以上になったのをNHKが受け取りを拒否し、その一人を除いた三人で強行出場させたんだ」

 

「レモやるとか言ってましたれすね」

 

「それもいうならデモやろ。おれは、これなんかするやろなぁ、とは思ったんや。例えば衣装やネイルなどに、静止画で拡大してわかるような何かを仕込んでくるだろうなくらいに思ってたんやが、反日の本家本元のNHKが、時刻を合わせて愚弄してきよったんやわ」

 

「どういうことれすか?」

 

「B29エノラゲイがリトルボーイを抱えて広島上空に飛来したのが午前8時14分で、投下し爆発したのが8時15分。紅白でaespa登場したのが午後8時14分で、歌いだしたのが8時15分。時刻を合わせてきたんやな。ほいで歌詞がえぐいんや。

 One look give 'em Whiplash (衝撃をお見舞いするわ)

 Beat drop with a big flash(ビートが落ちたとたん大きなフラッシュと一緒にね)

あと、この歌詞での日本人のメンバーのパートがどうとかこうとかで、さらに問題が大きくなってる」

 

「時間を合わせるというのは、主催者側の都合れすよね」

 

「そうよ。80年たっても、というか80年たったからこそ、戦後GHQが施したウォー・ギルト政策が実ってきたのやろうな」

 

「それは、なんなん♪」

 

「藤井風みたいに訊くなよ。つまりやな、戦争責任というか、日本国が完全体になってまた戦争できないように、例えば放送局であれば、日本国に反感・恨みを持つ外国人を毎年一定数以上は採用しなければならないとかいうこと。だから大手メディアの上層部は反日さんが多いということになる。まあ、しらんけどな」

 

「レモさん、ずるい。しらんけど、って」

 

「関西の人間は誰でも使う。この『しらんけど』を最後につけると、今までの話に対する責任がパッと消えるんや。そのためにも聞き手にも作法があって、あるツッコミを入れる。それで消えるんや」

 

「どんなれすか?」

 

「つまりやな『いや、知らんのんかーい!』 と大げさにツッコむか、あるいは『なんや、しらんのかい』と落胆気味にツッコむか。これで、話の真偽は不問になるということや。ほな本題に入ろか」

 

「えー! まだあるのかーい!」

 

「いよー、腕上げたなぁ。いまのそのつっこみ忘れなや。それでや、aespaの問題は、世間に任せるとして、俺がいちばん気がかりなのは、別にあって……お前、さっき紅白は最初と最後は見てるって言うてたよな。オープニングで、確か2番目に歌ってたのはなんていうグループやった

 

「FRUITS ZIPPERれすか」

 

「そうそう、そのフルーツの後ろ側で出演者が並んでたよな。真ん中に1メートルほどの隙間を開けて、向かって左側にmisiaさん石川さゆりさん郷ひろみさんかな、ほいで岩崎宏美さん。で、右側に堺正章さんとか男性が並んでいた。

 

        

 

 

だから中央から左にmisiaさん、右に堺正章さん。前でフルーツさんたちが歌いだすと、堺さんがmisiaさんを手招きし引き寄せ、彼女の耳元へ顔を近づけ……『おい、おっさん! なにやっとるんじゃい!』と思うだろう? 普通は」

 

                      

 

「いや、どうでしょう」

 

「するとだよ。『わたしの一番かわいいところにキスしてる』って歌っている。おっさん、misiaさんのみ、み、耳にキスしとるんかい! 俺は思わず叫んでしまった。『おかみさん 痴漢ですよ!』って」

 

「それ、聞き間違いじゃないれすか。彼女たちの曲のタイトルが『わたしの一番かわいいところ』っていって、歌詞に『わたしの一番かわいいところに気付いてる』ってところがありますれすから」

 

「じゃ、俺の聞き違い? キヅいてる を キスしてる に。まあ、そうかもしれない。でも、全国の皆の衆の目前でのあの行為は許されない。しかも、misiaさんちょと顔曇ったし、エンディングの時も同じ立ち位置だったから、またちょっかいだして近づいたんだけど、misiaさんが『映ってますよ!』とたしなめたのか、驚いて引き下がっていた。最初に、満足に返事がもらえなかったのだろう。自分が歌う番になって、ミスしてたよな。お前は、それ見てた?」

 

「多分、見てないれす」

 

「じゃあ、言うけどよ。ロッコンソーシャルと一緒に『モンキーマジック』の歌の時にだな、50センチくらいの奥行きの箱から2メートルくらいの棒を引っ張り出したんだ。いわゆる如意棒という孫悟空があやつるやつ。太くしたり長くしたり、あるいは逆にマッチ棒くらいにして耳の中にしまい込んだりできる如意棒を音楽に合わせて腰や首あたりでトワリングするわけなんだけど、途中で落っことして、それを拾い上げるのにもなんか緩慢で元気がない。はは~ん、やっぱりナンパ失敗しちょるということやね、と思ったわ。まあ、しかし御年79歳だから、いかに如意棒といえどままならないわけだから、少しは安心したわけよ。ただ彼は業界のプンスカピンであることは脅威でもあることだし、今後、逃げ切れるのだろうか……」

 

「やっぱり、それ見てなかったれす」

 

「そうか。青年はまだ若いから如意棒のほうも血気盛んで、いいよなぁ」

 

「なに、言ってんですか」

 

「で、翌日。テレビ見ていたら、会場から控室かな、そこへ行くための渡り廊下があって、取材陣が待ち構えてるんだけれど、福山さんがつかまって、その後ろを、ロッコンの二、三人が通り、続いて青色の着物姿の松島さんが通り、男性スタッフにガードされたmisiaさんが真っ黒な風呂敷に身を包んで、はにかみながら通り、しんがりもロッコンの紅いスーツに護られて、やっぱり、報道陣ではない、なにか芸能界の闇というか、そういう大きなものに見つかってしまった感があるのかなぁ」

 

「レモさん、もうついて子ちゃん目を醒ましてるとおもうので……」

 

「ちょ、ちょっと、待った! 絶対、お前に訊いてもらいたいことがあるんや」

 

「えぁ、まさか~。嘘でしょう」

 

「いつもさあ、君は怒るけど、ほんとうなんだから仕方がない」

 

「じゃあ、はやく言って、はやく帰してください」

 

この話になると青山は腹を立てる。つまり、予知。私だっていやなのだが、真実なのだから仕方がない。誰かに話さないと収まらないのだ。

 

わかった、わかった。紅白で永ちゃん見ていて思ったんだけど、地震起こった場合って、どうするんだろうかって。女性侍らせて、グラスもって、この状態でちょっと大きめのが来た場合、どうするんだろうって。それから時間たって、ミセスが歌ってるときにオシッコ行って、戻ってきたら地震速報出ていた。いや、わかる。十人に二、三人は思っていることだわ。これだけなら言わない、俺だって。紅白が終わって、だいぶんと時間がたって、さあ、寝るとするかってことで、テレビにチャンネルを変えてたわけよ。両国でさだまさしさん、メン・イン・ブラック2、そうしてぐるナイおもしろ荘は出演者すべて出てお終いか、で消そうとしたのだけど過去の優勝者のネタをもう一度ということで、エレキテル連合が放送されたのだった。年末はお笑い番組が多いので、テレビがついていたら誰かが漫才をしている。女性の漫才を見て、確か、あれ何て名前だったかなぁ、ここ何年も見ていないし、『ダメよ!ダメダメ!』は覚えてるけど、相方はなんていったのかな、などと朝の番組で考えていたのが、チャンネルを変えてのわずかの時間に遭遇したのである。これを偶然とするには、忍びない。 

 

「うん。わかった。ほしたら線で消して箇条書きで言うわ。

①矢沢永吉の時に、強い地震が来たらどうするのやろ、と思った。

              ↓

       ミセスの時、地震が発生した。

 

②朝、女性の漫才を見て、ふと思い出した漫才師がいるが、もう数年も見てないので     

 名前さえ思い出さない。

              ↓

 夜、チャンネルを変えた僅かのタイミングで見ることができた。

 『ぐるナイおもしろ荘』で紹介された現在半農半漫才師のエレキテル連合。

 「いいじゃないのう」「ダメよダメダメ」

 

 なんか箇条書きは、やっぱり楽やなぁ」

 

「ほしたら、もう帰ります」

 

青山は、炬燵の上に置いてあったみかんを二つ持ち、立ち上がりかけた。

 

「あとひとつだけお願い。これは正直泣きそうなことや。俺、1月の2日の朝にカレンダーを新しいのに替えたんやわ。去年の1月を見ると、27日から30日まで線が引いてあって、2時から3時の間ドライアイス替えとか、29日午後2時打ち合わせとか、31日六時~とか書き込みがあって、これはほかせないよな……と思いながら替えたんや。で夜、10時過ぎてテレビつけると、家ついて行っていいですかとかいう番組で81歳の男性が食器洗っていて、それから同じような壁掛けのカレンダーを替えたのか、たぶん月がかわったからめくったんやろうな、そうしてカレンダーにメモした用紙をクリップで挟んでいた。亡くなった奥さんのメモらしいのだけど、ずっとカレンダーに挟んでもう六年たつのかなぁ。ほかせないんだよ。朝の俺のカレンダーと夜の男性のカレンダーって同じで、今こうして書いてて涙出てきたわ……。付き合わせて悪かったな、もう帰って。ありがとう」

 

ちなみに今日1月3日(土)の昼頃にスーパーへ行きましたが、今年からレジになったのか新顔さんで、レジ袋については訊かれなかったので、今年は、まだ、誰ともしゃべってない、ということになります。

  

 

    浮世舞台の花道は  表もあれば裏もある

  花と咲く実に歌あれば  咲かぬ花にも歌ひとつ

 

    “  さみしいね  女ひとりで生きていくのは…… ”

 

 

───居酒屋で、カウンター越しに女性客と───

「おやじさん、これは?」
「葉山牛のステーキです。私からです」

閉店前の、恐らくは最後の客になるだろう女性に、
私は霜降りのよいところをミディアムに焼いてプレゼントしたのだ。

「おいしいわね!」
「そいつぁよかった。……いえね、息子が商店街のカラオケ大会の替え歌の部で優勝しましてね、ご褒美にもらったものなんです」

本当は私が《宇宙人カラオケ大会》で優勝した商品なのだが、それは言えない。
息子が……と言ったのは、地球へ発ってから生まれたまだ見ぬ息子の事を想っていたからだろうか。

「あら、そうなの。お上手なんですね。……で、その息子さんは今は?」

「笑わないでくださいよ。栗ひろいにいってまさぁ」

最近読んだ大人の童話『大きな栗とリスの物語』の余韻があったので、つい口走って噓をついてしまった。

「え? 冬だっていうのに《栗とり》にいってるの?」
「お客さん、できれば《栗ひろい》って言ってくださいよ。栗とり、っていうのは……」

「あら、いやだ! おやじさんってエッチなんですね」
「はははっ。でもね、実際のところ、もう少し女性に興味をもってくれてたら、私も今頃はおじいちゃんになっていたかもしれない」

息子は地球人でいえば還暦くらいの年齢になるのだろうが、私の星では六十歳はまだまだ子供だ。

「あら息子さん、独身なの?」
「ええ、だから冬に栗ひろいなんかいってるんです。なんだかよく知りませんがリスってやつは、秋に拾い集めた栗を地中にうずめておくらしいんです。やつらは冬眠しませんからね。それを冬に掘り出して食べるんですが、忘れちゃうのもある。それが春になると芽が出て、三年で森の一部になってしまうんでさ」

「ふふふっ。そのリスの上前をはねようってことなのね。でも、なんかいい話じゃないですか」
「リスの上前の、どこがいい話なんです?」

「じゃなくってリスの物忘れの方よ。ほんとうはリスは知ってて、わざと掘り返して食べないんじゃない。きっと自分たちの子供たちのために栗の木を育ててるんだわ」

「う~ん、確かにそうかもしれない。子や孫のためにね……。そういやリスって漢字で書けば《クリのネズミ》(栗鼠)って書きますものね。やっぱり《栗とリス》は切ってもきれないや」

「あら、やだ。結局は、そうなっちゃうわけ」

ははははっ……。

「もう一本、熱いのいきましょうか?」

「そうね。じゃ、ぬるめの燗でお願い。ところで息子さんの替え歌ってどんなのかしら? 私、聴きたいな~」

「聴きますか?」

「え、聴けるの!」

「アカペラですけど、テープに吹き込んだのがありますから……」

この口からのでまかせに、すぐに私は対応し、第三の手をカウンターの下にしのばせると、第五の足にレコーダーをくわえさせ裏の駐車場まで伸ばしたのだ。

「わっ、楽しみ~」

「お客さん、八代亜紀の『雨の慕情』ってご存知ですか?」

「雨、雨、降れ、降れ、もっと降れ……って歌でしょ?」

「ええ、その『雨の慕情』の替え歌で『霜の極上』ってタイトルなんですが、賞品の極上霜降り肉をモチーフにしたとか言ってましたけど、はっきり言ってろくなもんじゃありません。これ、歌詞カードです。よろしかったら雨雨降れ降れのところはご一緒にお願いします」

「───では聴いていただきましょう。銀河商店街カラオケ大会替え歌の部優勝作品は、八代亜紀さんの『雨の慕情』の替え歌で『霜の極上』です」

         
        ♪  霜の極上   ♪

          心が忘れた あの肉も    
          舌が味を 覚えてる
          長い月日の 備長炭
          肉汁ポトリと たらしてた
          肉よ恋しい 肉よ恋しい
          めぐりめぐって 今は恋しい

          霜々ふれふれ もっとふれ
          私のいい肉 つれて来い
          霜々ふれふれ もっとふれ
          私のいい肉 つれて来い
                               


はっきりいって、今夜はずいぶん浮ついてしまった。
なにしろ、先日葉山で行われた宇宙人によるカラオケ大会の優勝賞品である霜降り肉を今日、宅配便でいただいたからである。

そんなよい肉を自分ひとりで食べるのが惜しかった。
といっても私の最愛の女房とまだ見ぬ息子は、宇宙の、30光年離れた星にいるのだから、食べさせるわけにはいかない。

だから、今日最後の客であった女性にワンブロック、プレゼントしたのだ。
いま私は……そう、宇宙人アイシムは場末の居酒屋のおやじをしている。
そうして、このすばらしい惑星に棲むろくでもない人間たちを観察しているのだ。

最近、マナーの悪い客が増えたが、ただ、今日の女性客はよかった。
私の話を……私の、作り話を信じて、あの替え歌まで一緒に歌ってくれたのだ。

この地球という星にはチ〇コン星人は私ひとりしかいないのだ。
栗ひろいにいっている息子などいるわけがない。
けれども彼女は、それを信じてくれた。

本当は、私が宇宙人カラオケ大会で八代亜紀の『雨の慕情』を歌ってもらった賞品の肉の説明についた大嘘を、彼女は信じてくれたのだ。

さっそく、私はカウンターの陰で、第二腰椎と第三腰椎の間にある、つまり背中にある奥の手を使って、歌詞カードをこしらえた。スパコン並みの頭脳を持つ私にすれば、替え歌などあっという間にできてしまうのだ。

 同時に私は、五本目であるまん中の足を裏の駐車場まで最大限に伸ばし、その替え歌をテープに吹き込んだ。

以前に言ったかもしれないが、真の私は足5本、手3本の軟体動物に近い生き物だ。
しかも、それぞれが10メートルも伸びるのだ。

そうして真ん中の足は排泄期間であるとともに、肛唇つまり肛門が進化した結果、ほとんど口唇(くちびる)としての機能を発揮できるようになり、言葉を話すことができるのだ。

 つまり、急いで録音した替え歌というのは、駐車場まで伸びた私の尻の穴で歌ったというわけだ。

結果、大いに楽しんでもらえたし、私自身大いに楽しませてもらった。
今宵の出来事は、間違いなく人類存続への一票となった。

おかげで今日、確信できたことが一つある。

なに? 缶コーヒーはBOSSだろう、ってかい? 

それはキン〇マン星人のジョーンズのことだろ。彼も八代亜紀のファンらしいが、
わからないかね。

つまり、

──さびしい男女にはひと時を一緒に過ごせる《異性》が必要だ───

ということだ。

これは間違いない。

なにしろ《異星》人がいうのだから……間違いないさ。

 
                              (了)

世間ではクリスマスというのに、私は今日も今日とてパックご飯と出来合いの総菜でひとり晩飯を済ませると、茶碗を洗い、いつものように漫然とテレビを見ていた。

 

『100年先も残したい昭和の名曲』という午後6時から10時までの年末特番だ。

 

おそらく長時間だからそうなるのだろう、ビールのCMでは大手のメーカーがそろい踏みで、サントリーのCMを見て……あら? ちょっと気になることがあった。 

 

    

 

やっぱり、これは調べねばなるまいが、できればもう一度見てみようと思い、昭和の懐かしい歌よりもむしろCMを心待ちに待つという感じで、そのあとサッポロ、キリン、アサヒ、そうしてついに2度目のサントリーのCMが流れたのだが……さっきあったアレが、今度は、ない? ないバージョンもあるのか……。

 

ええぃ! 結局はネットで調べないとあかんわけやね、とPCで調べていると、

 

「レモさん、なに悩んでるんれす?」

 

と言いながら入ってきたのは、アパートの隣人である青山年男であった。彼はにやにや笑いながら炬燵の対面に潜り込む。

 

「クリスマスに雨なんて、ずいぶん珍しいみたいれすね」

 

今年は、全国的に24日と25日の両日が雨だった。

 

「そうらしいな。きっとサンタ苦労するだろうな……」

 

青山は、私の珠玉のしゃれなど気づかぬようで、まだにやにや笑っている。

 

「レモさん、あれ、あの子……見えます?」と言う。

 

私が振り返ると、玄関を上がったところの柱の前に、おかっぱ頭の市松人形のような小さな女の子が立っていた。

 

「おお……そこ寒いからこっちおいで!」

 

と私が言うと、青山は驚いた顔で私を見つめ、

 

「レモさん、見えるんですか!」

 

「見える、見えないって、あの子ついて子ちゃんやろう? さ、おいで、炬燵に入り」

 

私が手招きをすると、女の子はとことこと歩いてきて、私の側面に座った。

 

「え……でも、何でわかるんれすか?」

 

「なんでわかるて、あの子の髪の毛の下のおでこの眉毛との間の隙間のところにやな」

 

「あぁ~、なんかわざと『の』の字いれてきてますれすね」

 

「お前こそ、今日は『れ』が多すぎる。それより見てみろよ、うっすら『心』って見えるやろ。ちょっとすまんけど髪の毛あげておでこ見せたって!」

 

と言う私の指図で、女の子が両手で髪の毛を持ち上げると額には薄く紅く『憑』という文字が、ひっかき傷のように浮かび上がっている。

 

「その文字は憑依の憑という字や。つまり❝とりつく❞という字やな。だからその子は『ついて子ちゃん』や」

 

私は、驚いて硬直している青山に続けさまに言い放った。

 

「ええか、今は訊かんとく。お前が、ついて子ちゃんに出逢ったことや、なぜお前に彼女が見えるのかをな……」

 

そうしないと益々話が長くなるので。

 

「実は、いまテレビ観ててよ、サントリーのビールのCMで『プレモル子ちゃん』っていうのが画面に出ていて、それはまあええのやけど、どっちが先やろうと思ったんだよな……」

 
「どういうことれす?」
 
「俺さ、9月について子ちゃん書いたのよ。だから『ついて子ちゃん』と『プレモル子ちゃん』のどっちが先かって、思ってな」
「なんかさもしい考えれすね」
 
青山は、さげすんだ目で私を見る。
 
「なにがさもしいや。俺が後先を気にするのは、勝ち負けとか、まねしごんぼとかの話じゃなくて、こっちが先であれば、予知とかの……」
 
と私がしゃべているのを突然さえぎって青山はしゃべりだした。
 
「もう、その予知や予言の話は止めてくれませんか! 宇宙人が、なんたらアトラスという彗星に乗ってやってきて、それで人類が滅亡するとか、おかげでえらい目にあったんですから! もう最後だと思うから、競馬、パチンコ、風俗、暴飲、爆食で、お金ぜんぶ使っちゃって年末年始どうしたらいいのか! おまけに、ついて子ちゃんまでも……」
 
青山の怒りの言葉に、私は思った。こいつ怒ったら普通にしゃべれるんや。
 
「ああ、悪かったかなぁ。予知予言てのは、まあ当たらないもんだ。でも、ついて子ちゃんは、幸運の神なんだよ。その家を繫栄させる座敷わらしと同じで、ついて子ちゃんが憑いていれば今にツキが回ってくるって。あの藤井風は世界的な歌手になったし、ロッコンソーシャルも今年の紅白に出場するし、矢野顕子さんもさとがえるコンサートで益々人気だし、お前だっていいことあるって……」
 
話に夢中だった私だが、そばで暇そうにしているついて子ちゃんに気が付いたので、買い置きの満湖マークのプライドポテチンを勧めた。
 
「これ食べるか? 冷蔵庫にピルクルあるからとっておいで……」
 
 
          
 
この六角形の中の満湖マークと褐色のペッパーミル。買ったときはわからなかったが食べる段になって、定規を取り出し、計測し、12センチであることを、そうして先端の金属部分を含めると12.5センチであることを知った。勝ったか! 負けたか! 名にし負わばのプライドポテト、ズタズタにされる男性もあまたいることだろう。(六角形の中の湖は小池の小だったらしいのだが、小さい池よりは、水を満々とたたえた湖のほうがいいだろうと思考してなったらしい。知らんけど)
 
「でどこまではなしたのかな……。あ、そうそう、このプレモル子ちゃんというのは、『ちびまる子ちゃん』の20年後の世界を実写で描いたCMで、広瀬すずさんがまるちゃんで、伊藤沙莉さんがたまちゃんで、オダギリさんが花輪君だって。ほいで、2月からテレビで放送してるって。たぶん何度も観ていると思うんだけど、ちびまる子ちゃんだって知らなかったし、オダギリジョーを見たら『じゃあ、いいですぅ~』てCM
思い出して、でも、プレモル子ちゃんてロゴとして一瞬出るだけだから、音声で流れないから気づかなかったのか、ようわからんのよ。最近は『まあ、ええか』やから」
 
「じゃあ、予知とかは関係ないのれすね。よかった!」
 
「いや、それがあるんよ。別件で。安倍首相の暗殺についてだけどね」
 
「げっ、またこれから始まるんれすか」
 
「お互い文無し同士なんだから、結局は話すしかないんだよ。まだ、阿部さんが総理の時、護衛の不手際があったんだ。で、その護衛官ていうのかSPっていうのか、あまりにもぼんくら過ぎて護衛するための心構えみたいなことを書いたのよ」
 
 
「どうしてまた今頃に……」
 
「今月の18日に、安倍さんの銃撃犯である山上被告の地裁判決が出たんだ。無期懲役だ。テレビのニュースや情報番組では、当時の銃撃の映像が何度も流れ、それにつけても警護がぼんくら過ぎる、基本を理解していない、俺があんなに警護の心構えを教えてやってるのにだ」
 
「でも、ブログに書いただけで誰も見ちゃいないんだから、あまりにも不遜すぎるよ、レモさん」
 
おそらく青山は怒っているのだろう。まともに諭してくる。
 
「あの時、近辺には三人の護衛がいるのに、みんな離れてるってどうよ。一人は美術部員みたいに大きな鉄製の画板をもって何してんのよ、要するに護衛官が画板にならないと。ていうか、自分の身体で要人を護る。そのためには1メートル以内に陣取り、危険を感じたら要人を取り囲まないといけないのに。アメリカのSPであったなら、安倍さんは暗殺されなかった。一発目が外れているのだから、護衛官は安倍さんを地面に伏せさせ、その上に三人の護衛官が覆いかぶさる。それがわからないはずはないと思うのだが……」
 
「で、それが予知というのれすか?」
 
「護衛が不備で暗殺にいたったということだから、どうよ」
 
「さあ……」
 
「日本の歴代首相のうち現職で暗殺されたのは三人で、退任後暗殺されたのは安倍さんを含め四人いるんだ。第104代の高市早苗さんを含めて総理大臣は総数63人で、そのうち暗殺されたのが七人だから、確率は高いけど、実際に安倍さんは暗殺されたし、俺が言っていた甘っちょろい警護が原因というのも、まあ的外れじゃないだろう?」
 
「じゃあ、わかったれすけど、私はどうすればいいのれすか?」
 
「いや、別にお前は何もしなくってもいいんだよ。まあ、証人ってことで、いざとなったら証言してくれたらいいだけだ」
 
「え、えええっ! さ、裁判れすか?」
 
「いや、違う。そんな公式のことではなく、たとえば『あの人、こんなこと予知しましたと言ってますけど、本当ですか』と訊かれた場合に、『はい、言ってました』って言うだけだから……。しかし、あの『何かが宇宙からやってくる』で登場した男性、スリーアイアトラス待ち望んでいたからなぁ、なんか言ってあげた方がええやろか。たとえば『風立ちぬ、いざ生きめやも』くらいは……。そして、サンキュウ
 
「いや、それ堀辰雄じゃなく堀内孝雄じゃないのれすか!」
 
ありがっとう! は、谷村新司さんでした。勘違いしていました。あとで気づいて、
堀内孝雄さんの、サンキュウ! に書き換えました。 でないと話が落ちないので。 
 
 
 

「もう、ええか……」

 

なんとも寛容な言葉である。この言葉を吐けば……この甘露な言葉さえ呟けばすべての苦悩から解放される。すこぶる好都合な魔法の言葉だ。

 

もちろん苦悩から完全に解放されるわけではなく、二、三日も経てば、また憂鬱の花は密やかに咲き出す。だから「どうしようかな……」と考えて、「いややなぁ……」と悩んで、「まあ、ええか……」と自問して、そうして「もう、ええか……」と自分にあきらめさせる。

 

しかし、問題を先延ばしにするだけで、何の解決にもならない。けれども「もう、ええか……ひとりやし」と声に出して自分に言い聞かせて、一時しのぎでやり過ごす。

 

案外、あきらめるという思いが、心を解放してくれるのではないだろうか。私の場合はそうである。ただ、あきらめることが敗北感につながりそうだが、それだって、同じことで、敗北感でもええじゃないか! ええじゃないか♪ 

 

まあ、すべての苦悩と書いたけれど、私に限って言えば、苦悩とは世間一般から見れば、あほらしいことであって、やろうと思えば自分でできることであったり、金銭で簡単に解決できることであったりするものであり、ひとりだし、中年のおっさんだから可能であって、家族のある方や相方をお持ちの方々は、あきらめず、頑張って!頑張って!頑張って!頑張って!頑張って! 馬車馬のように事に当たって下さい。

 

ということで、今年の流行語大賞は高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」に決まったようですが、私の流行語大賞は『もう、ええか……』ということになります。ただ、私一人が呟くだけであり、これでは流行語には該当せず、だったら、今年観たドラマの、あのセリフかな……

 

(注) 私の「もう、ええか……」のええかは語尾が下がります。よって語尾が上がる笑福亭鶴光さんの「ええか、ええか、ええのんか」のええかとは全く違いますので……。

 

 

ある女性歌手が『星空のラジオ』という番組で、私の今年の流行語大賞は「プンスカピン」であると話されていました。これはご商売仲間のロックバンドの新曲のタイトルであり、言葉自体には意味がないということです。

 

まったく意味のない言葉であっても、一度聴いただけで覚えてしまう言葉がある。さしずめ「プンスカピン」もそのたぐいの言葉なのだろう。素寒貧の私が言うのだから間違いない。ああ、節気の払いが……。

 

その節気の支払いに苦労する私の流行語大賞は、大河ドラマ『べらぼう』第46回

「曽我祭の変」で、クッキーさん演じる勝川春朗(葛飾北斎)が喜多川歌麿に西洋画にある遠近法を教えるときに、見得を切る役者の絵を示して手前がドーンで 奥がキュッキュ!」(この時の声音が面白い!)で、教わる歌麿が、すぐに理解したのも面白過ぎた。皆であんなに悩んでたのに……。

 

                         

 

この『ドーン キュッキュ』はオノマトペの内の擬態語であって、実際、突き出した左手がドーンと音を発しているわけではなく、奥の右手がキュッキュ鳴いているわけでもない。でも、そういうことなのだろう。いや、そういうことだわ、やっぱり。

 

そういえば、私も使っていた。ミュージックビデオの説明で、最初の方と最後だけだけど……。

 

misiaさんが、ダァーン、スーで、腰んとこすりすり上げ上げし、

胸んとこピロピロピロで、ぐるぐるダァ~~ンして、腕ビーーーンって、

もう、たまらんミュージックビデオです。

 

 

 

ま、「もう、ええか……」という言葉は、結局は怠け者の逃げ口上かもしれないね。

 

 

 

 

来年の二月に返還予定だった上野のパンダが、昨今の事情からか、前倒しで一月に返還となり、情報番組の多くが、今日は朝からてんやわんやの大騒ぎである。わて、ほんまによう言わんわ。

 

まあしかし、わては……やない、私は、12月6日を最後に下記パンダの写真をプロフィールから除外しました。

 

             

 

基本的にブログはモノクロでと思っていたので、パンダであればカラーであっても

モノトーンになるので、ちょうどよかったのですが、ただ、水面に顔をのぞかせるというのは、逆さパンダが映り、わかりづらかったかもしれなかった。

 

コンセント? 

レンコンの切り口?

それやったら何かの果物の切り口?

ん! まさか尻の穴? 肛門?  シリモンコン……

 

そこで採用したのが、我が家に棲みつく『座敷ぼっこ』です。

 

私のブログは、開店休業中が多いので、最初の頃、私の代わりに内緒で何か書いていたので、

 

「自分が書いたものは責任とれよ」と私が言うと、

 

「うん。わかった。事情は説明する。けど、ボクは鏡には映るけど直接眼で見ることはできないから、鏡に写ったのを撮ってそれを貼り付けて説明する」

 

ということで撮った写真があったのでプロフィールの写真にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私のことを「おっさん」だとか「阿呆」だとか……いうてました。

 

シティーハンターのりょうちゃんが年取ったのがちょっとショックだったなぁ。

 

 

ジング ベー♪ ジング ベー♪ ジング オー ザ ベー♬

 

12月も中頃を迎えると、テレビでは各局ともクリスマスソングを流している。

中でも山下達郎さんの「クリスマス イブ」は定番になっている。

ヒットのきっかけはJR東海のCM。

次の動画は、一本目(1988)が深津絵里さん、二本目(1989)が牧瀬里穂さん、で三本目(2000)が星野真里さん、深津さん、牧瀬さんなのですが……今回初めて見たので怖かった! 急にホラーが始まったのかと思った。 いや、失礼しました。

美しすぎて君が怖い、くらいです。

 

 

 

私はmisiaさんの『THE GLORY DAY』です。

次に『Holy Hold Me』。MVなのでサンタさんの生活の一部が見られます。

寝たばこをするとか……。普段は、宇宙船の中で生活しているそうですね。

 

 

そして、桑田佳祐さんの『白い恋人たち』。CMで流れるこの歌を聴きながら、当時私は『クリスマスラプソディー』という物語を書いていました。

 

 フリーターという呼称を嫌い、就職浪人としてのバージニティに自分を賭ける僕は、   クリスマス・イブのバイト帰りに変な男を拾ってしまった……。

 

 

 

 

 例年以上に、今年はクマさんが寝ないらしい。その代わりというわけでもないが、私が二か月ほど冬眠していた。まだ、もう少し眠っていようかとも思ったのだが、写楽が歌麿であったことにより、何か、人類の将来に対する唯ぼんやりとした不安を感じた。不確実だけれど、あなどれないこの事実。信じる者は救われるのか? いや、信じても信じなくても救われない。なぜなら、これが宇宙の摂理だからだ。

 

 

「レモさん、ブログの書き出しとしては、ちょっと文章かたいんじゃないれすか」

 

アパートの隣室の青山年男が背後から首をのぞかせる。

 

「いや、かたい、っていうか……えっ! お前いつからそこにいたんや?」

 

「10分ほど前からですけど」

 

「じゅじゅじゅじゅじゅっぷん! ていうことは……見た?」

 

私はブログを始める前に、ちょっとえっちな画像を見ていたのだった。

 

「小林ひとみ、及川奈央、ごちそうさまれした」

 

「でも、知らないだろう? 小林ひとみは……」

 

「子供の頃、ゴーオンジャー観ていたのれ及川奈央さんは知ってました」

 

(害水大臣ケガレシア役の及川奈央さんは下記で)

 

 

「ふぅ~ん。そりゃよかったね。じゃ、バイバイだ!」

 

私はブログを書かなければならないので、青山には早く帰ってほしかったのだが、

 

「ところで、写楽は歌丸であった、ってどういうことれすか?」

 

青山は、ホーム炬燵の対面に回りこんで座った。

 

「いや、歌丸ではなく歌麿だよ!」

 

「えっ、大食いの?」

 

「それは彦摩呂!」

 

「じゃ、綾小路?」

 

「それは、きみまろ。タレントさん」

 

「んじゃ、秀麿?」

 

「お前、わざとやってるな。しかし、半世紀以上前の『あかねちゃん』て漫画に出てくる秀麿、お前どうして知ってるんだ」

 

「うん、知らないです。秀麿ってのは、おやじの名前なんれす」

 

私は、座ったなりでずっこけた。青山秀麿て……。

 

「ねえ、レモさん。そこんとこ詳しく教えてくださいよ。ほいで、人類が救われないってのもね」

 

 私にブログを再開させたのは、まぎれもなく写楽が歌麿であったことである。それが人類の滅亡につながるというのは、私が、今年書いた数少ない記事で解き明かすことができるのだが、実際、べたに文字を書き連ねても、読む方にとっちゃ読みづらいだろう。私だって、文字で埋め尽くされてれば、読むことをあきらめてしまうかもしれない。ここはひとつ会話文主体で書くことにしようか。青山年男に話すことを、そのまま書けばわかりやすいかもしれない。

 

「わかった。青年。説明する」

 

私はノートパソコンの画面越しに、青山年男に言った。

 

「お前、『べらぼう』観てるか?」

 

「いいえ、観てないです。NHKの大河ドラマれすよね」

 

「じゃ、東洲斎写楽とか喜多川歌麿とかは聞いたことあるだろう?」

 

「あります。浮世絵でしょう。葛飾北斎も知ってる。1,000円札の裏の絵」

 

「ま、有名だもんな。その有名な浮世絵師の中で、東洲斎写楽だけが、今までの浮世絵とは違って、顔の特徴をデフォルメした役者の大首絵を描いて人気を博したのだけれど、わずか10ヵ月ほどで忽然と姿を消してしまったんだ。どーこのだれかは知~らないけれど、だれもがみ~いんな知っている♪ ってね」

 

「それ知ってます。月光仮面の歌だ」

 

 

「実際、写楽は誰だってことで、歌麿か、それとも北斎か、ほかの絵師か、本屋の蔦屋重三郎ではないのか、と多くの歴史家たちによって研究された結果、現代では、徳島藩主蜂須賀家のお抱え能役者であった斎藤十郎兵衛であることがわかっている。ドラマでは、最終回の前の前の前の前の、前のえっさっそ♪」

 

「もう、マイムマイムは踊らなくていいれすから、先すすめてください」

 

両手を広げ、足を交差させ踊っていた私はうなづいて、炬燵の前に腰を落とした。

 

「うむ、わかりもうした。ドラマでは写楽は誰だ、というのが中盤からの見どころであり、それがもう最終回を迎える前の前の回に確定したんだ。つまり、歌麿が写楽だったというわけだ。もう一つ謎かけみたいにこいつは誰だってのがドラマの中盤にあって、それは蔦重が連れてきた唐丸という少年が、将来誰になるのかというのが話題だった。結果、唐丸は成長して歌麿になったのだが、その回のことをブログに書いたのだけれど、後日再放送を観て気になって確認してみると、えっらそうに唐丸は写楽だった! と書いてあった。 さっそく訂正し、次回ブログで自身への戒めの記事まで書いている。まあ、言い訳と言われればそうかもしれないが……」

 

 

(間違った記事というのは下記で)

 

『唐丸は後の写楽である』は間違いで ➡ 『唐丸は歌麿である』と訂正したのだが、しかし、その歌麿が最終回間際で写楽となるのだから、唐丸は後の写楽である。というのは間違いではなかったのだ。

 
(戒めの記事というのは下記で)

 

 

「消して、書き直しておけばよかったんじゃないれすか」

 

「そう。そうすりゃもう気にもならなかった。じゃあ、なぜ残したってことだよな」

 

「なんで残したんれす」

 

今日の青山年男は、語尾の『で』が『れ』になる割合がいつもより多いようだ。痔でも患っているのだろうか。

 

「それは俺にもわからない。なんで間違いをご丁寧に残したのか……恥ずいのにね。むしろ、何かの力が残すように働いたように思うんだ」

 

「何かの力って、なんれすか?」

 

「宇宙の摂理かな……。人智を超えた神の力。それは、宇宙人かもしれない。たぶん、『地球人、そこに愛はあるんか?』と問われてるのだろう」

 

「ははは。なにアイフルしてるんですか! しかも宇宙人て」

 

「いや、お前さ、最初に『人類が救われない』ってのも教えてくれって言ったろう」

 

「うんうん。言った」

 

「いま俺が書こうとしているのは人類の存亡につながり、それを決定するのが宇宙人と俺なんだよ」

 

青山は立ち上がり、ホーム炬燵の右側に入りなおすと、俺の額に掌をあてた。

 

「熱はないれすね。めし食ってますか?」

 

「いや、病気じゃない。めしだってサトウのパックご飯ちゃんと食ってるから大丈夫だ。これは冗談で言ってるんじゃない。それを俺が書いた過去記事で証明しようってわけだ。世の中には、未来のことが分かる予言者って人がいるだろう。俺は予言者ではないから未来のことはわからない。でもよ、俺が書いた(思った)ことが、将来実現していたとしたらすごいだろう? つまり、俺のブログは予言の書かもしれないんだ」

 

「ただの偶然じゃないれすか。それって」

 

「まあ、確かにな。偶然かもしれない。でも、わずかの間に何度もあれば、それは偶然じゃすまされない。ほかにもあるんだよ。『駅』って歌知ってるか?」

 

「竹内まりやの歌れすよね」

 

「そうだ。で、俺さ、アメブロに引っ越してから十年以上記事書いてなかったんで知らなかったんだけど、YouTubeが簡単に張り付けられるって知って、だったら竹内まりやさんの『駅』にしようって思ったんだわ。2000年のライブバージョンかっこいいし、この歌にはちょっとした思い出もあってね」

 

本来であれば、ここは当然というか絶対というか、いの一番にmisiaさんの映像を張り付けなければならない私だが、竹内まりやさんの『駅』という歌には想い出がある。

 

「おねーちゃんと観にいったとか?」

 

「そんなだったらいいんだけどよ、『駅』って曲名知らなかったから、しばらくの間『地下鉄』って自分の中では思っていたんだ。だから、そのあたりから書き始めて、最後に映像を張り付けようと考えて書きだしたんだけどな、この駅って、どこか特定の駅ってあるのだろうかと思って調べてみると、東急東横線の渋谷駅で、それが地上2階にホームがあるんだけど、な、なんと! 2013年に地下2階ホームになっていたんだ。これすごいって思わないか? 地下鉄の駅になってるんだよ」

 

「う~ん。マジックで言えばマギー司郎さんくらい」

 

「まあな。縦じまのハンカチを手で揉んでから、拡げてみると横じまのハンカチになっているって感じと言いたいわけなのかな。まあ、たしかにその程度のものかもしれないけれど、うまく説明することができないんだよ。俺、話下手だからさ。ただ、何度も言うけど、俺は予言者じゃない。これだって予言したんじゃなく勘違いしていたのがそうなっていたってことであって、……余談だけど、ブログに書いてから二か月後くらいに『渋谷駅 100年に1度の大工事〜鉄道3社 日常を守り抜け〜』ってタイトルの新プロジェクトXやってた……何か俺のためにって感じもしたし、もちろん興味津々で観たけどね」

 

言いながら私は、二つの紙コップに粉末のショウガ湯を入れ、湯を注いだ。

 

「まあ、これでも飲んで……ちょっと休憩しようや」

 

「おれ、ずっと休憩していたけど戴くよ」

 

本来であれば、ネッカフェのインスタントコーヒーなのだけれど、最近の物の値上がりに頭がついていけず買うことすらできないのだった。

 

「ボスって知ってるだろう?」

 

「え、ブス?」

 

「それは、お前が酔っ払って持ち帰ったおねえちゃんのことだろう。鼻毛の?」

 

「あれは、朝目覚めたら横にバカボンのパパが寝ていて驚いて、ほいで、よーく見たら、外れたつけまつげが鼻の穴に……フォ、フォ、フォ」

 

「いや、自分だけ思い出し笑いするのずっこいぞ! ボスっていうのは缶コーヒーのBOSSのことだよ」

 

「うん、知ってる」

 

「俺さ、あのCM好きなんだよな。宇宙人ジョーンズ。それと『ろくでもない人間が住む素晴らしい惑星』というフレーズ。十何作か書いたかな。アメブロには最初の頃のを載せてあって、その中の『上手な休日の過ごし方』篇で、記事で取り上げたことが、やっぱり実現してるんだ。第74回のダービーなんだけど、全18頭中唯一の牝馬である三番人気のウォッカを応援している。しかし、俺は予言者じゃないから、予言じゃないんだよな。つまりこのシリーズは、最後に缶コーヒーを飲んで終わるので、お酒のウォッカがオチに最適だったわけで、それで推したんだが、結果、優勝した」

 

 

 

 

 

「へ~。で、レモさん買ってたの?」

 

「いいや買ってない。たとえ買っても勝ってない」

 

「え、え、どういうことれすか? かってもかってないって……」

 

「たとえ馬券を買っていたとしても、勝負には勝っていないってこと。なにしろ二着馬が14番人気で、3連単で二百万以上ついたかな……。それでさ、このシリーズのテーマというのが、人間を地球から駆除するかどうかを調査しに来た宇宙人が、人間のろくでなしさにあきれながらも、なにかしら感動し、結論を先延ばししてしまうというパターンで今でも続いている」

 

「でも缶じゃなくなっている」

 

「そうなんだよ。ペットボトルになってるし、ちょっとCMの質が落ちたよ。ところで、俺の名前は薔薇屋敷檸檬だろう」

 

「うん。だからレモさん」

 

「俺、名前から梶井基次郎の『檸檬』って短編小説が好きなんだけど、彼は、当時結核だったからか、常に心に不安とか焦燥とかあったし、あるいは学問や金銭や色恋など、いろいろと抱えていたようで、彼に言わしめれば得たいの知れない不吉な塊が、始終彼を押し付けていたんだよな。だから、それから逃れるように京都の町中をさまよい歩くんだけども逃げ切れない。でも、ある日、店屋で檸檬を買い、その紡錘形がなにか爆弾のように思えて、丸善の積み重ねた書籍の上に檸檬爆弾としてセットし丸善が書籍もろとも吹っ飛ぶのを想像しながら、少し和らいだ気持ちで町中へ消えていくのだけれど、俺だって、ひと頃、地球の自転を止めるスイッチを町中に探したし、できれば一瞬で公転をビタ止めできるレバーを探していたんだぜ」

 

「そんなスイッチやレバーなんてどこにあるんれすか!」

 

「いや、ないよ。そんなことはわかっているんだよ。梶井基次郎の檸檬と一緒だ。物理的に不可能だし、だから想像で実行する。檸檬を爆弾として仕掛けても、これは典型的な不能犯だし、地球の動きを止めるようなボタンもレバーもあるわけがない。心にある不安な塊を、他人に迷惑をかけず、というか知られることもなく、イメージのなかで吹っ飛ばす! そんな人って、今の世の中にいっぱいいるんじゃないか。ゲームで飯食ってるお前ならわかるだろう」

 

「……うん。わかる。もう数えきれないくらいの人間を斬ったり撃ったりしてる」

 

「な、そうだろう。非現実の世界だからできるんだ。でも、非現実だと思っていたのが現実になったら、怖くなるだろう?」

 

「そ、それは怖いれすね」

 

「俺さ、BOSSのCMを初めて見たころから思っていたんだけど、宇宙人ジョーンズは煮え切らない、地球を楽しんでいる。でも、これはCMだから仕方がない。もし本当の宇宙人が地球にやってきたら、何か知らないけど俺んところにくるんだよ。そして俺に言うんだ、『最後はお前にまかせる』ってな。そして、その頃の俺は言うんだ。『人類よりも地球を残す』って……もうすぐ、本物のジョーンズが来るかもしれないんだ」

 

「えっ、トミーリージョーンズれすか?」

 

「いや、彼はちょいちょい来てるだろう。本物の宇宙人が来るかもってこと。これはこの話の最後にする。その前にもうちょっとゴソゴソする」

 

「ああ、中国は広島生まれの手品師ゼンジー北京のようにれすか?」

 

「マギー司郎とかゼンジー北京とか、もしかしてお前、全国爆笑訳有手品師連合共同組合の会員なのか、古いのによく知ってるよな……。で、そのゴソゴソなのだけれど、俺、YouTubeよく観るんだけど、ある時、お勧めで『じゃりン子チエ』が期間限定であがっていて観たんだけど、過去に書いたよなって思って、自分のブログ内検索すると二つあがってきて、あわせてこの三つの話が三つとも親子の遺伝をテーマにした回のものだったんだよ。これ、どう?

 

 

 

 

「ちょっと、ちがうんじゃないれすか」

 
「ま、俺もそう思うから小声でしゃべったんだけれど、だったら、これはどうだろうかな、地震が起きた時刻に見ていた夢の出来事が、現実の出来事とリンクしているってのは……どう?」
 
「もう、なんなんれすか?」
 
「なんなんて言われても、俺は藤井風ではないし、まあ、予知夢みたいなものだから、ほな次の話へ行こかぁ」

 

 

 

 

「え、まらあるのれすか?」

 

「これで最後や。3IATALS(スリーアイアトラス) 恒星間天体が今太陽系を通過中なんだけど、これ発見したのは今年の7月1日で、それ以降、各国で観察され調査されたんだけど、何かおかしい。おかしいって面白いってわけじゃなく、不思議なんだよな。何か意図をもってやってきた感じでさ……」

 

俺は炬燵の上に鎮座する、お茶葉のカンカンや今では薬入れとなっている桃屋のごはんですよの瓶や食卓塩の瓶、メンタームの缶、鉛筆、ハサミ、懐中電灯、DMなどを床に下した。

 

「あ、手伝います」と青山は、2、3回折ってから丸めて投げ捨ててあるスーパーやコンビニのレシートを一つ一つまとめながら、その一つを拡げて言った。

 

「イカ焼くか? いや、焼かん! て、なんれすか」

 

「あ、それ小ネタ。テレビ観てて、これ使えるかなって……」

 

「こっちは、モジリスト写楽はしゃらくさいのもじり、ってかいてます」

 

「メモ帳の代わりなんだけどね、半月ほどですてちゃう。さあ、これでいい」

 

私は、きれいに片付いた天板のうえに、小銭入れから硬貨をつまんで並べた。

 

「この真ん中の五百円玉が太陽だ。その次に百円玉を火星、五十円玉が地球だ、へてから十円玉が木星としようか。太陽系って中心に太陽があり、そのまわりを惑星が同じ方向でしかも同じ平面上で回っているんだ。これ黄道って言うんだけど。回っている向きも同じで、炬燵の天板を上から見ると、左回りに回っている。そこへアトラスは、上からでもなく、下からでもなく、斜めからでもなく、ほぼ黄道と同じ、つまり炬燵の天板の上を転がっていくんだ。いいか、一円玉をアトラスとしよう」

 

俺は一円玉を人差し指で押さえ、天板の上を滑らせた。

 

「しかも、秒速58キロメートルってべらぼうなスピードで、太陽系を突っ切っていく。でもな、計ったように地球や火星や木星に接近できるコースや時期をとってるんだ。ほかにも色が変わったり、太陽の反対側に出る尾が太陽側に出たりと常識外れで、ハーバード大学の有名な教授は、地球外生命体によって作られた人工的な宇宙船である可能性もあるって主張してるんだ。10月の29日だったかな、太陽に最接近して、それ前後は地球からは太陽に隠れてて見えないので、その間にゼンジー北京のようにゴソゴソしてたかもしれないし、途中でコースを変えてくるかもわからない」

 

「でも、テレビや新聞じゃやってないれすね」

 

「オールドメディアは腐ってるからね。社員の二割は外国人で一割は宇宙人だからかもしれない。いつも駄洒落言ってるあのタレントは、だから外国人の姿をした宇宙人で、つまりふたなりだ」

 

「じや、ということれ失礼します」

 

「ちょっと待て! まだ終わってないだろ」

 

「もう四時じゃないれすか。クレヨンしんちゃん始まっちゃうんで」

 

「わかった、終わるって。正直俺もしんどいから……。ええと、なんだったかな……そう、このアトラスだけど、おれブログに書いてるんだよね」

 

 

 

 

「ということは、現実に起こるってことれすか……」

 

「いや、短編の物語として書いたんだけど、話の中では起こるかどうかわからない。だから楽しみに待っていよう、って感じで、いや、……だったら、なにも怒らないのかもしれないなぁ~」

 

「いまさら何も起こらないって、そんな無責任な……。どんなストーリーなんれす」

 

「うん。さっきの『駅』の歌の件なんだけどな、この歌は竹内まりやさんが中森明菜さんへ創った歌なんだけど、ひと悶着あって竹内まりやさんもセルフカバーして歌っているんだ。だったら、どうゆう話なんだろうかと検証して書いた。まあ、独断だけれどね。

 

  【出逢いは『スローモーション』で始まり『飾りじゃないのよ涙は』で終わる】

  【明菜は『眠れぬ森の美女』で歌い、まりやは『竹取物語』のかぐや姫で歌う】 

 

まあ、男女の不倫の果ての物語として書いたわけよ。これで『駅』は終わりだと思ったのだけど、3Iアトラスが発見されて、しかも宇宙船かもしれないっていうSNSを観ていると、もしかすると宇宙からジョーンズさんたちがやって来るかもしれない、だったら『駅』の男性を主人公にして、二人称で書いてみよう、ついでにお前も、食堂の主人で出演させて……」

 

「えっ、おれ出てるんですか?」

 

「ああ、青山食堂の不器用な店主っていう役でな……。しかし、そうだよな~。俺、断定してないんだよな……宇宙船だった、とか宇宙人がいたとか……」

 

「じゃ、どうするんれすか! どう責任とってくれるのれすか!」

 

「なんで責任取らなきゃならないのよ。じゃあ、さっきのイカ焼きの話でもしてお開きにする?」

 

「あの、レシートのメモ書きれすね」

 

「うん。俺さ、最近、日本酒に戻したんだけど、テレビ観ながら寝ちゃったみたいで、眼がさめて鼻かんだんだけど、なにこれ? って感じで三回とも鼻汁じゃなく酒だったわ。逆流してた。そんな状態で観ていたテレビだったからうろ覚えなんだけど、女の人が出ていて『イカ焼くか?』って訊くんで、そりゃ焼いた方がうまいで、刺身もええけど、なんやったら阪神の地下行ってイカ焼き十個ほど買うてくるか言うたら、『焼かん!』って怒られて、なにやってるんやテレビは……。他に三人のインターンの人が並んで座っていて、めまいの診断するんやが、三人がぜんぜん違う見立てで、えっ、ちゃうのんこわ! と思って消した。後々考えてみると、イカ焼くかというのは医科薬科のことで、女の人は医科薬科大学の先生で、焼かんというのは夜間のことで、なんか聞き間違いしてたみたい。ははは」

 

「なにが、はははなんれす!」

 

「ほしたら、二人で踊ろうか? エッサッソ!」

 

とにかく、私は断定してないだけで、アトラスは宇宙船でもなく宇宙人も来ないのだとは言い切れないだろう。そうして私の場合、結果としてそうなっていたという、およそ予言とは真逆のものであり、であれば、結果はどうでるかわからない。

 

地球最接近は12月19日らしいから、まだ結論は出せない。

それまで人類はみんなで手をつなぎフォークダンスを踊ろう!

 

マイム マイム マイム マイム マイム エッサッソ!

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「ひきずり総理。バカ総理! 選挙で、女負かして、ぷっぷっぷっ!」 

 

子供たちは蜘蛛の子を散らしたように駆けてゆき、振り返った鬼が追っかけていく。

 

日曜日の午後の公園は、いつにもまして賑やかだった。

 

 

「かあさん、孫の、ん太郎は帰ってきたのか?」

 

かつての総理も、今では家で隠居の身である。

 

「まだ、ですけど、……なにか?」

 

「いや、私のせいで虐められてやしないかと思ってね」

 

「流行語大賞にもなりましたものね……『ひきずり総理』。でも、ん太郎は、名前でい

 

じめられているので、大丈夫ですよ。強い子ですから」

 

「そうか。しかし、総理なんてならなきゃよかったな……」

 

 

いまから遡ること数年前、大阪万国博のあった年だった。

 

与党痔民党の総裁に初めて女性が選ばれた。

 

このことが、日本国に初めて女性の総理大臣が誕生するというニュースとなり、太平

 

洋の最西端の島国のことであるにもかかわらず、世界を駆け巡った。

 

ただ、その数日後に、連立与党であった肛明党が関係を白紙に戻したことにより、野

 

党が連合することにより総理大臣の椅子を奪取できることとなったのだ。

 

そこで脚光を浴びたのが、この男、つまり酷民党の党首である。

 

彼は「総理大臣になる覚悟はある」と、街頭演説で言ってしまったのだ。

 

しかし、それは覚悟としてはあるが、政策の違う野党が連合して数合わせでなるもの

 

ではないということを言いたかったのだが、それが言葉質としてとられると、みんな

 

に煽られ、おだてられ総理になってしまったのだ。

 

もちろん、総理になってまんざらでもなかったが、それは一瞬で消え去った。

 

  ー 日本初の女性総理を引きずりおろした男 ー

 

まるで犯罪人のように、世間では噂された。

 

おそらく教科書に載るだろう、『初の女性総理を引きずりおろしたひきずり総理』

 

テレビや新聞など大手マスコミは比較的に好意的であった。

 

国内のフェミニストは風邪でも引いたのか長期療養中であった。

 

ただ、SNSは虚実混交でお祭り騒ぎで、諸外国や世界のフェミニストには叩かれた。

 

同月に来日したトランプ大統領には、

 

「WHO ARE YOU?」と問われたが、

 

「なんだ、ちみは?」と通訳がなまっていたので、

 

あ、そういうことか、……アメリカンジョークだと勘違いし、

 

「なんだ、ちみは? ってか。 そうです私が変なおじさんです」

 

と応えてしまい、関税が50パーセント掛けられそうになった。

 

各国の首脳会議では、イタリアのメローニ首相が、前任の首相を汚物を見るような眼

 

で見ていたが、まったく同じような眼で見られた。

 

なんとか頑張ってみるものの、次の総選挙で大敗し、痔民、三性の連立内閣が誕生し

 

初代総裁であるラテックス梅子が首相に選ばれ、日本では女性よりも先にニューハー

 

フが総理大臣になったのだった。

 

 

 

 

まあ、実際は、ん太郎のおじいさんが言うように、基本的政策の違う政党同士が、容易に数合わせで総理大臣を奪取するというのは、国民を無視した行為であり容認されるものではないだろう。とはいえ、まあ、痔民党だって、媚中の肛明党を取り込んだせいで、外国人土地買収、メガソーラー、外免切替、ビザ免除……いま、問題になっていることの根本原因は、そこにあるのだから、現首相は最後の最後に土産として、解散を宣言し、花を咲かせてみるのはどうか……。

だって、解散したがってたじゃん!

 

しかし、総裁選では、党に所属する議員は、その党首の名前を書く、というのがあたり前田のクラッカーである。

 

だから、結局は、今回、初の女性総理大臣は誕生するだろうな……。

 

最初に、条件を付きつけゆさぶり、連立を解消へと持っていくのはあの国の指示だろうし、痔民党にこびりついて政権内にいることがあの国の戦略なのだろうから、肛明党は結局は、妥協したようにして戻ってくるのではないだろうか。しらんけど……。