例年以上に、今年はクマさんが寝ないらしい。その代わりというわけでもないが、私が二か月ほど冬眠していた。まだ、もう少し眠っていようかとも思ったのだが、写楽が歌麿であったことにより、何か、人類の将来に対する唯ぼんやりとした不安を感じた。不確実だけれど、あなどれないこの事実。信じる者は救われるのか? いや、信じても信じなくても救われない。なぜなら、これが宇宙の摂理だからだ。
「レモさん、ブログの書き出しとしては、ちょっと文章かたいんじゃないれすか」
アパートの隣室の青山年男が背後から首をのぞかせる。
「いや、かたい、っていうか……えっ! お前いつからそこにいたんや?」
「10分ほど前からですけど」
「じゅじゅじゅじゅじゅっぷん! ていうことは……見た?」
私はブログを始める前に、ちょっとえっちな画像を見ていたのだった。
「小林ひとみ、及川奈央、ごちそうさまれした」
「でも、知らないだろう? 小林ひとみは……」
「子供の頃、ゴーオンジャー観ていたのれ及川奈央さんは知ってました」
(害水大臣ケガレシア役の及川奈央さんは下記で)
「ふぅ~ん。そりゃよかったね。じゃ、バイバイだ!」
私はブログを書かなければならないので、青山には早く帰ってほしかったのだが、
「ところで、写楽は歌丸であった、ってどういうことれすか?」
青山は、ホーム炬燵の対面に回りこんで座った。
「いや、歌丸ではなく歌麿だよ!」
「えっ、大食いの?」
「それは彦摩呂!」
「じゃ、綾小路?」
「それは、きみまろ。タレントさん」
「んじゃ、秀麿?」
「お前、わざとやってるな。しかし、半世紀以上前の『あかねちゃん』て漫画に出てくる秀麿、お前どうして知ってるんだ」
「うん、知らないです。秀麿ってのは、おやじの名前なんれす」
私は、座ったなりでずっこけた。青山秀麿て……。
「ねえ、レモさん。そこんとこ詳しく教えてくださいよ。ほいで、人類が救われないってのもね」
私にブログを再開させたのは、まぎれもなく写楽が歌麿であったことである。それが人類の滅亡につながるというのは、私が、今年書いた数少ない記事で解き明かすことができるのだが、実際、べたに文字を書き連ねても、読む方にとっちゃ読みづらいだろう。私だって、文字で埋め尽くされてれば、読むことをあきらめてしまうかもしれない。ここはひとつ会話文主体で書くことにしようか。青山年男に話すことを、そのまま書けばわかりやすいかもしれない。
「わかった。青年。説明する」
私はノートパソコンの画面越しに、青山年男に言った。
「お前、『べらぼう』観てるか?」
「いいえ、観てないです。NHKの大河ドラマれすよね」
「じゃ、東洲斎写楽とか喜多川歌麿とかは聞いたことあるだろう?」
「あります。浮世絵でしょう。葛飾北斎も知ってる。1,000円札の裏の絵」
「ま、有名だもんな。その有名な浮世絵師の中で、東洲斎写楽だけが、今までの浮世絵とは違って、顔の特徴をデフォルメした役者の大首絵を描いて人気を博したのだけれど、わずか10ヵ月ほどで忽然と姿を消してしまったんだ。どーこのだれかは知~らないけれど、だれもがみ~いんな知っている♪ ってね」
「それ知ってます。月光仮面の歌だ」

「実際、写楽は誰だってことで、歌麿か、それとも北斎か、ほかの絵師か、本屋の蔦屋重三郎ではないのか、と多くの歴史家たちによって研究された結果、現代では、徳島藩主蜂須賀家のお抱え能役者であった斎藤十郎兵衛であることがわかっている。ドラマでは、最終回の前の前の前の前の、前のえっさっそ♪」
「もう、マイムマイムは踊らなくていいれすから、先すすめてください」
両手を広げ、足を交差させ踊っていた私はうなづいて、炬燵の前に腰を落とした。
「うむ、わかりもうした。ドラマでは写楽は誰だ、というのが中盤からの見どころであり、それがもう最終回を迎える前の前の回に確定したんだ。つまり、歌麿が写楽だったというわけだ。もう一つ謎かけみたいにこいつは誰だってのがドラマの中盤にあって、それは蔦重が連れてきた唐丸という少年が、将来誰になるのかというのが話題だった。結果、唐丸は成長して歌麿になったのだが、その回のことをブログに書いたのだけれど、後日再放送を観て気になって確認してみると、えっらそうに唐丸は写楽だった! と書いてあった。 さっそく訂正し、次回ブログで自身への戒めの記事まで書いている。まあ、言い訳と言われればそうかもしれないが……」
(間違った記事というのは下記で)
『唐丸は後の写楽である』は間違いで ➡ 『唐丸は歌麿である』と訂正したのだが、しかし、その歌麿が最終回間際で写楽となるのだから、唐丸は後の写楽である。というのは間違いではなかったのだ。
(戒めの記事というのは下記で)
「消して、書き直しておけばよかったんじゃないれすか」
「そう。そうすりゃもう気にもならなかった。じゃあ、なぜ残したってことだよな」
「なんで残したんれす」
今日の青山年男は、語尾の『で』が『れ』になる割合がいつもより多いようだ。痔でも患っているのだろうか。
「それは俺にもわからない。なんで間違いをご丁寧に残したのか……恥ずいのにね。むしろ、何かの力が残すように働いたように思うんだ」
「何かの力って、なんれすか?」
「宇宙の摂理かな……。人智を超えた神の力。それは、宇宙人かもしれない。たぶん、『地球人、そこに愛はあるんか?』と問われてるのだろう」
「ははは。なにアイフルしてるんですか! しかも宇宙人て」
「いや、お前さ、最初に『人類が救われない』ってのも教えてくれって言ったろう」
「うんうん。言った」
「いま俺が書こうとしているのは人類の存亡につながり、それを決定するのが宇宙人と俺なんだよ」
青山は立ち上がり、ホーム炬燵の右側に入りなおすと、俺の額に掌をあてた。
「熱はないれすね。めし食ってますか?」
「いや、病気じゃない。めしだってサトウのパックご飯ちゃんと食ってるから大丈夫だ。これは冗談で言ってるんじゃない。それを俺が書いた過去記事で証明しようってわけだ。世の中には、未来のことが分かる予言者って人がいるだろう。俺は予言者ではないから未来のことはわからない。でもよ、俺が書いた(思った)ことが、将来実現していたとしたらすごいだろう? つまり、俺のブログは予言の書かもしれないんだ」
「ただの偶然じゃないれすか。それって」
「まあ、確かにな。偶然かもしれない。でも、わずかの間に何度もあれば、それは偶然じゃすまされない。ほかにもあるんだよ。『駅』って歌知ってるか?」
「竹内まりやの歌れすよね」
「そうだ。で、俺さ、アメブロに引っ越してから十年以上記事書いてなかったんで知らなかったんだけど、YouTubeが簡単に張り付けられるって知って、だったら竹内まりやさんの『駅』にしようって思ったんだわ。2000年のライブバージョンかっこいいし、この歌にはちょっとした思い出もあってね」
本来であれば、ここは当然というか絶対というか、いの一番にmisiaさんの映像を張り付けなければならない私だが、竹内まりやさんの『駅』という歌には想い出がある。
「おねーちゃんと観にいったとか?」
「そんなだったらいいんだけどよ、『駅』って曲名知らなかったから、しばらくの間『地下鉄』って自分の中では思っていたんだ。だから、そのあたりから書き始めて、最後に映像を張り付けようと考えて書きだしたんだけどな、この駅って、どこか特定の駅ってあるのだろうかと思って調べてみると、東急東横線の渋谷駅で、それが地上2階にホームがあるんだけど、な、なんと! 2013年に地下2階ホームになっていたんだ。これすごいって思わないか? 地下鉄の駅になってるんだよ」
「う~ん。マジックで言えばマギー司郎さんくらい」
「まあな。縦じまのハンカチを手で揉んでから、拡げてみると横じまのハンカチになっているって感じと言いたいわけなのかな。まあ、たしかにその程度のものかもしれないけれど、うまく説明することができないんだよ。俺、話下手だからさ。ただ、何度も言うけど、俺は予言者じゃない。これだって予言したんじゃなく勘違いしていたのがそうなっていたってことであって、……余談だけど、ブログに書いてから二か月後くらいに『渋谷駅 100年に1度の大工事〜鉄道3社 日常を守り抜け〜』ってタイトルの新プロジェクトXやってた……何か俺のためにって感じもしたし、もちろん興味津々で観たけどね」
言いながら私は、二つの紙コップに粉末のショウガ湯を入れ、湯を注いだ。
「まあ、これでも飲んで……ちょっと休憩しようや」
「おれ、ずっと休憩していたけど戴くよ」
本来であれば、ネッカフェのインスタントコーヒーなのだけれど、最近の物の値上がりに頭がついていけず買うことすらできないのだった。
「ボスって知ってるだろう?」
「え、ブス?」
「それは、お前が酔っ払って持ち帰ったおねえちゃんのことだろう。鼻毛の?」
「あれは、朝目覚めたら横にバカボンのパパが寝ていて驚いて、ほいで、よーく見たら、外れたつけまつげが鼻の穴に……フォ、フォ、フォ」
「いや、自分だけ思い出し笑いするのずっこいぞ! ボスっていうのは缶コーヒーのBOSSのことだよ」
「うん、知ってる」
「俺さ、あのCM好きなんだよな。宇宙人ジョーンズ。それと『ろくでもない人間が住む素晴らしい惑星』というフレーズ。十何作か書いたかな。アメブロには最初の頃のを載せてあって、その中の『上手な休日の過ごし方』篇で、記事で取り上げたことが、やっぱり実現してるんだ。第74回のダービーなんだけど、全18頭中唯一の牝馬である三番人気のウォッカを応援している。しかし、俺は予言者じゃないから、予言じゃないんだよな。つまりこのシリーズは、最後に缶コーヒーを飲んで終わるので、お酒のウォッカがオチに最適だったわけで、それで推したんだが、結果、優勝した」
「へ~。で、レモさん買ってたの?」
「いいや買ってない。たとえ買っても勝ってない」
「え、え、どういうことれすか? かってもかってないって……」
「たとえ馬券を買っていたとしても、勝負には勝っていないってこと。なにしろ二着馬が14番人気で、3連単で二百万以上ついたかな……。それでさ、このシリーズのテーマというのが、人間を地球から駆除するかどうかを調査しに来た宇宙人が、人間のろくでなしさにあきれながらも、なにかしら感動し、結論を先延ばししてしまうというパターンで今でも続いている」
「でも缶じゃなくなっている」
「そうなんだよ。ペットボトルになってるし、ちょっとCMの質が落ちたよ。ところで、俺の名前は薔薇屋敷檸檬だろう」
「うん。だからレモさん」
「俺、名前から梶井基次郎の『檸檬』って短編小説が好きなんだけど、彼は、当時結核だったからか、常に心に不安とか焦燥とかあったし、あるいは学問や金銭や色恋など、いろいろと抱えていたようで、彼に言わしめれば得たいの知れない不吉な塊が、始終彼を押し付けていたんだよな。だから、それから逃れるように京都の町中をさまよい歩くんだけども逃げ切れない。でも、ある日、店屋で檸檬を買い、その紡錘形がなにか爆弾のように思えて、丸善の積み重ねた書籍の上に檸檬爆弾としてセットし丸善が書籍もろとも吹っ飛ぶのを想像しながら、少し和らいだ気持ちで町中へ消えていくのだけれど、俺だって、ひと頃、地球の自転を止めるスイッチを町中に探したし、できれば一瞬で公転をビタ止めできるレバーを探していたんだぜ」
「そんなスイッチやレバーなんてどこにあるんれすか!」
「いや、ないよ。そんなことはわかっているんだよ。梶井基次郎の檸檬と一緒だ。物理的に不可能だし、だから想像で実行する。檸檬を爆弾として仕掛けても、これは典型的な不能犯だし、地球の動きを止めるようなボタンもレバーもあるわけがない。心にある不安な塊を、他人に迷惑をかけず、というか知られることもなく、イメージのなかで吹っ飛ばす! そんな人って、今の世の中にいっぱいいるんじゃないか。ゲームで飯食ってるお前ならわかるだろう」
「……うん。わかる。もう数えきれないくらいの人間を斬ったり撃ったりしてる」
「な、そうだろう。非現実の世界だからできるんだ。でも、非現実だと思っていたのが現実になったら、怖くなるだろう?」
「そ、それは怖いれすね」
「俺さ、BOSSのCMを初めて見たころから思っていたんだけど、宇宙人ジョーンズは煮え切らない、地球を楽しんでいる。でも、これはCMだから仕方がない。もし本当の宇宙人が地球にやってきたら、何か知らないけど俺んところにくるんだよ。そして俺に言うんだ、『最後はお前にまかせる』ってな。そして、その頃の俺は言うんだ。『人類よりも地球を残す』って……もうすぐ、本物のジョーンズが来るかもしれないんだ」
「えっ、トミーリージョーンズれすか?」
「いや、彼はちょいちょい来てるだろう。本物の宇宙人が来るかもってこと。これはこの話の最後にする。その前にもうちょっとゴソゴソする」
「ああ、中国は広島生まれの手品師ゼンジー北京のようにれすか?」
「マギー司郎とかゼンジー北京とか、もしかしてお前、全国爆笑訳有手品師連合共同組合の会員なのか、古いのによく知ってるよな……。で、そのゴソゴソなのだけれど、俺、YouTubeよく観るんだけど、ある時、お勧めで『じゃりン子チエ』が期間限定であがっていて観たんだけど、過去に書いたよなって思って、自分のブログ内検索すると二つあがってきて、あわせてこの三つの話が三つとも親子の遺伝をテーマにした回のものだったんだよ。これ、どう?」
「ちょっと、ちがうんじゃないれすか」
「ま、俺もそう思うから小声でしゃべったんだけれど、だったら、これはどうだろうかな、地震が起きた時刻に見ていた夢の出来事が、現実の出来事とリンクしているってのは……どう?」
「もう、なんなんれすか?」
「なんなんて言われても、俺は藤井風ではないし、まあ、予知夢みたいなものだから、ほな次の話へ行こかぁ」
「え、まらあるのれすか?」
「これで最後や。3IATALS(スリーアイアトラス) 恒星間天体が今太陽系を通過中なんだけど、これ発見したのは今年の7月1日で、それ以降、各国で観察され調査されたんだけど、何かおかしい。おかしいって面白いってわけじゃなく、不思議なんだよな。何か意図をもってやってきた感じでさ……」
俺は炬燵の上に鎮座する、お茶葉のカンカンや今では薬入れとなっている桃屋のごはんですよの瓶や食卓塩の瓶、メンタームの缶、鉛筆、ハサミ、懐中電灯、DMなどを床に下した。
「あ、手伝います」と青山は、2、3回折ってから丸めて投げ捨ててあるスーパーやコンビニのレシートを一つ一つまとめながら、その一つを拡げて言った。
「イカ焼くか? いや、焼かん! て、なんれすか」
「あ、それ小ネタ。テレビ観てて、これ使えるかなって……」
「こっちは、モジリスト写楽はしゃらくさいのもじり、ってかいてます」
「メモ帳の代わりなんだけどね、半月ほどですてちゃう。さあ、これでいい」
私は、きれいに片付いた天板のうえに、小銭入れから硬貨をつまんで並べた。
「この真ん中の五百円玉が太陽だ。その次に百円玉を火星、五十円玉が地球だ、へてから十円玉が木星としようか。太陽系って中心に太陽があり、そのまわりを惑星が同じ方向でしかも同じ平面上で回っているんだ。これ黄道って言うんだけど。回っている向きも同じで、炬燵の天板を上から見ると、左回りに回っている。そこへアトラスは、上からでもなく、下からでもなく、斜めからでもなく、ほぼ黄道と同じ、つまり炬燵の天板の上を転がっていくんだ。いいか、一円玉をアトラスとしよう」
俺は一円玉を人差し指で押さえ、天板の上を滑らせた。
「しかも、秒速58キロメートルってべらぼうなスピードで、太陽系を突っ切っていく。でもな、計ったように地球や火星や木星に接近できるコースや時期をとってるんだ。ほかにも色が変わったり、太陽の反対側に出る尾が太陽側に出たりと常識外れで、ハーバード大学の有名な教授は、地球外生命体によって作られた人工的な宇宙船である可能性もあるって主張してるんだ。10月の29日だったかな、太陽に最接近して、それ前後は地球からは太陽に隠れてて見えないので、その間にゼンジー北京のようにゴソゴソしてたかもしれないし、途中でコースを変えてくるかもわからない」
「でも、テレビや新聞じゃやってないれすね」
「オールドメディアは腐ってるからね。社員の二割は外国人で一割は宇宙人だからかもしれない。いつも駄洒落言ってるあのタレントは、だから外国人の姿をした宇宙人で、つまりふたなりだ」
「じや、ということれ失礼します」
「ちょっと待て! まだ終わってないだろ」
「もう四時じゃないれすか。クレヨンしんちゃん始まっちゃうんで」
「わかった、終わるって。正直俺もしんどいから……。ええと、なんだったかな……そう、このアトラスだけど、おれブログに書いてるんだよね」
「ということは、現実に起こるってことれすか……」
「いや、短編の物語として書いたんだけど、話の中では起こるかどうかわからない。だから楽しみに待っていよう、って感じで、いや、……だったら、なにも怒らないのかもしれないなぁ~」
「いまさら何も起こらないって、そんな無責任な……。どんなストーリーなんれす」
「うん。さっきの『駅』の歌の件なんだけどな、この歌は竹内まりやさんが中森明菜さんへ創った歌なんだけど、ひと悶着あって竹内まりやさんもセルフカバーして歌っているんだ。だったら、どうゆう話なんだろうかと検証して書いた。まあ、独断だけれどね。
【出逢いは『スローモーション』で始まり『飾りじゃないのよ涙は』で終わる】
【明菜は『眠れぬ森の美女』で歌い、まりやは『竹取物語』のかぐや姫で歌う】
まあ、男女の不倫の果ての物語として書いたわけよ。これで『駅』は終わりだと思ったのだけど、3Iアトラスが発見されて、しかも宇宙船かもしれないっていうSNSを観ていると、もしかすると宇宙からジョーンズさんたちがやって来るかもしれない、だったら『駅』の男性を主人公にして、二人称で書いてみよう、ついでにお前も、食堂の主人で出演させて……」
「えっ、おれ出てるんですか?」
「ああ、青山食堂の不器用な店主っていう役でな……。しかし、そうだよな~。俺、断定してないんだよな……宇宙船だった、とか宇宙人がいたとか……」
「じゃ、どうするんれすか! どう責任とってくれるのれすか!」
「なんで責任取らなきゃならないのよ。じゃあ、さっきのイカ焼きの話でもしてお開きにする?」
「あの、レシートのメモ書きれすね」
「うん。俺さ、最近、日本酒に戻したんだけど、テレビ観ながら寝ちゃったみたいで、眼がさめて鼻かんだんだけど、なにこれ? って感じで三回とも鼻汁じゃなく酒だったわ。逆流してた。そんな状態で観ていたテレビだったからうろ覚えなんだけど、女の人が出ていて『イカ焼くか?』って訊くんで、そりゃ焼いた方がうまいで、刺身もええけど、なんやったら阪神の地下行ってイカ焼き十個ほど買うてくるか言うたら、『焼かん!』って怒られて、なにやってるんやテレビは……。他に三人のインターンの人が並んで座っていて、めまいの診断するんやが、三人がぜんぜん違う見立てで、えっ、ちゃうのんこわ! と思って消した。後々考えてみると、イカ焼くかというのは医科薬科のことで、女の人は医科薬科大学の先生で、焼かんというのは夜間のことで、なんか聞き間違いしてたみたい。ははは」
「なにが、はははなんれす!」
「ほしたら、二人で踊ろうか? エッサッソ!」
とにかく、私は断定してないだけで、アトラスは宇宙船でもなく宇宙人も来ないのだとは言い切れないだろう。そうして私の場合、結果としてそうなっていたという、およそ予言とは真逆のものであり、であれば、結果はどうでるかわからない。
地球最接近は12月19日らしいから、まだ結論は出せない。
それまで人類はみんなで手をつなぎフォークダンスを踊ろう!
マイム マイム マイム マイム マイム エッサッソ!