2013年/チリ・フランス/130分
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演:ブロンティス・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、イェレミアス・ハースコヴィッツ、アレハンドロ・ホドロフスキー、クリストバル・ホドロフスキー、他
おすすめ度(5点中) → 4.2点
――― あらすじ ―――――――
1920年代、軍事政権下のチリ。幼少のアレハンドロ・ホドロフスキーは、ウクライナ移民の両親と北部の炭坑町トコピージャで暮らしていた。権威主義的な父の横暴と、アレハンドロを自分の実父の生まれ変わりと信じる元オペラ歌手の母の過剰な愛の中で大きなプレッシャーを感じて育ったアレハンドロ。学校でもイジメに遭い、孤独で辛い日々を送る。そんな中、共産主義者の父は、独裁者のイバニェス大統領暗殺を企み、首都へと向かうが…。(allcinemaより)
――― 感想 ―――――――
ヘンテコで独特で感動的。23年ぶりのホドロフスキー新作は予想通りいろんな感情が湧き起る映画でした。あまりちゃんと分かっていないのですが、どうしても書きたかったことをひとつだけ書いて感想とします。
もしかしたら僕だけなのかもしれないのですが、自分にとって一番何を考えているのか分からないのは、父親でした。会話のキャッチボールも微妙にずれてしまうし、どこに信念をもっている人なのかも分からない。
今作では父権的な父親が登場する。幼きころのアレハンドロ・ホドロフスキー自身の父親という設定で。
その父親はある日、独裁政治が行われているチリ大統領の暗殺をもくろみます。しかし、実現には至らず。で、その後いろいろあって各地を転々としたあとで、結局家族のもとに帰るんですね。
映画の中盤以降は完全に父親がメインになっているんです。
これね、父親に物語を与えることによって、父親を理解しようとしているのではないでしょうかね。
謎だった父親が物語をもつことで、人間として捉えることができるようになるというか。
そう感じてしまいました。
結局、変な映画だなーと思いつつも最後はえらく感動してしまいました。
ホドロフスキーの映画は、いつもそんな感じになってしまいます。