渇き。 | 記憶のための映画メモ

記憶のための映画メモ

こんにちは!
大好きな映画も数日で忘れてしまう我が記憶力。
ユルユルの脳味噌に喝を入れるための映画ブログです。


渇き。


2014年/日本/118分
監督:中島哲也
出演:役所広司、小松菜奈、妻夫木聡、清水尋也、二階堂ふみ、橋本愛、森川葵、高杉真宙、國村隼、黒沢あすか、青木崇高、オダギリジョー、中谷美紀、他
おすすめ度(5点中) → 2.8


――― あらすじ ―――――――
妻・桐子の不倫相手に対して傷害沙汰を起こし警察を追われ、妻とも別れて自暴自棄になった男、藤島昭和。ある日、桐子から娘の加奈子が失踪したとの連絡が入る。成績優秀で容姿端麗な学園のカリスマだった高校3年生の加奈子。そんな彼女が、何日も帰っていないというのだ。自ら捜索に乗り出した藤島は、娘の交友関係を辿っていくうちに、優等生だとばかり思っていた加奈子の意外な一面が次々と暴かれていき、自分が娘のことを何一つ知らなかったことに愕然とする。おまけに行く先々で常軌を逸した狂った奴らに遭遇し、自身の暴走にも歯止めが掛からなくなっていく藤島だったが…。(allcinemaより)


―――  感想  ―――――――
まず最初に断っておかなければいけないのは、ワタクシ中島哲也監督が苦手なんです。映像がチャキチャキしてたりするのが分かりやすい例だけど、なんか落着きがないなって感じる時が多いんです。で、不愉快な気持ちになり映画的満足度も低いのになるんですよね。それでも予告編を観ていると、なんだか面白そうだなって思って劇場へ行ってしまうという、、、毎度このパターン。というわけで今回も観てきました。


高校3年生の藤島加奈子が行方不明になり、警察をやめたクズの父親が独自の捜索に乗り出す。捜査をすすめるうちに、娘のアレコレが明らかになっていき、しかもヤバイ奴らが出てきてしまう。娘よ一体どこに?的な話でした。


▲藤島加奈子が行方不明に。


▲そしてクズの親父が自ら捜索に乗り出すのでした。この白いジャケットがどんどん血で汚れていきます。が、なぜか着替えをしません(笑)。


▲捜査をすすめるうちに、加奈子に驚くような生態が明らかになっていく。


▲出てくる人たちも曲者揃い。

冒頭から短いカットの連続で“うへぇ”って嫌な気持ちになる(笑)。話は事件が起きた現在と、3年前の過去を行ったり来たり。シーンごとに時刻や日付が入るんだけど、現在の時刻表記に関してはちょっと分かりにい。別になくてもよかったとも思いました。


オープニングやシーンの切り替わり、血が出る瞬間などにアニメっぽい映像が差し込まれるんだけど、もしかしたらこの映画は、古いアメリカ映画でしかもB級トラッシュムービーっぽい雰囲気を狙っているのではと思いました。不死身に近い主人公が横暴の限りを尽くしながらも前へ進んでいく感じとかもまさしく。ちょっと飛躍した例をあげるなら、映像の雰囲気に「マチェーテ」に近いものを感じたりもしていました。

話も次の展開に映るときにイントロっぽく音楽が流れてきたりして、このわざと型にはめた作りがジャンルムービーっぽいなぁと思ったりもしました。にしても全体のトーンを掴むのに少し時間がかかましたね。


あと、ドラッグパーティー化したクラブシーンなどはかなりサイケな映像で実は超好み。もともと若者がふしだらに遊びまくっている描写が大好きだし、そこにアクセント的にCGが入ってくる感じもとてもマッチしていました。この辺は大好きです。


ただ、ところどころ。やっぱり不自然すぎるところがあって。

まず、2012~2014年という現代の設定で、この主人公のようなクズ親父が人をバンバン殺しまくることに多少違和感が。警察も無能っぷりを発揮。出ていった藤島の奥さん(黒沢あすか)が後半全然出てこないのもどうなのかなって思ったり。ヤクザに拉致られた藤島がボコボコにされるんだけど、そのあとどうやって解放されたのかが全然分からないつなぎも変。全編かなり断片的に作っているから、話を一本にくっつけるのがちょっと面倒(特に細かい部分を考えだしたらキリがない)。あと非常に残念だったのが、終盤の10分くらいがあまりにも蛇足に感じたこと。


やっぱり何かイラッとする作品でした。好きな方はごめんなさいね。