恐怖の報酬 | 記憶のための映画メモ

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こんにちは!
大好きな映画も数日で忘れてしまう我が記憶力。
ユルユルの脳味噌に喝を入れるための映画ブログです。


恐怖の報酬


1953年/フランス・イタリア/149分
監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
出演:イヴ・モンタン、シャルル・ヴァネル、フォルコ・ルリ、ペーター・ヴァン・アイク、ヴェラ・クルーゾー、他
おすすめ度(5点中) → 4.7


――― あらすじ ―――――――
メキシコにほど近い中米の町ラス・ピエドラス。マリオは同じ食い詰め者や札付きたちの集まるこの町で、恋人リンダや仲間のジョーと苦楽をともにしていた。そんなある日、町から500キロ離れた山上の油田で大火災が発生、犠牲者も続出してしまう。石油会社は一刻も早く消火させるため、ニトログリセリンの使用を決断。そこで危険なニトログリセリンを運搬する4人を賞金付きで募集し、マリオ、ジョー、ビンバ、ルイジが選ばれた。こうして彼らは2台の運搬車に乗り込み、現場へ向かうのだが…。(allcinemaより)


―――  感想  ―――――――

午前10時の映画祭でやっていたので久しぶりの再鑑賞。やっぱメッチャ面白れぇ!


舞台となるのは中米の町。ここには仕事もなく、金もなく、毎日を無為に過ごしている男たちがたくさんいる。みなここから逃げ出したいと思っているが、金がないのでどうしようもないという状況です。


▲みんないつも酒場でダラダラとしているんですね。


▲服装もいつも同じでね。本当にお金がないんだなって。主人公のマリオ(左)はオシャレに首にスカーフを巻いていますが、それも鉢巻みたいに細く萎れています。


▲で、この生き地獄ともいうべき場所に、ジョー(左)という男がやってきます。マリオは「こいつは大物だ」と思い、ジョーにすっかり懐いてしまいます。また、ジョーの登場により、もともといたメンバーが仲違いしたりします。


さて、ある日町から離れたところにある油田で火災が発生。これを沈下するため、やむなくニトログリセリンという爆薬を現地まで運ぶというドライバー急募の知らせが入ります。報酬は2000ドル。当時の価値は分からないけどかなりの金額なんでしょうね。一刻もはやくこの場所から逃げ出したいと思っていた男たちは、この仕事に人生再生のチャンスを見出すんです。


▲こーして男どもが集まり、面接や試験を受けることになります。

集まってきた人が揃いも揃って自身の職業を「運転手」って言っているのは笑えます。

で、選ばれた男は4人。2人一組で2台の車を転がすことになります。荷台には大量のニトログリセリンが積まれています。


で、ここからの緊張の連続が半端ないんです。荷台のニトログリセリンがいつ爆発するのかという恐怖がベースにあり、いろんなトラップが待ち受けているんです。


ガタガタした道を抜けるためにある程度のスピードを維持しながら走っているともう1台とぶつかりそうになったり、とんでもない急カーブが待ち受けていたり、どこかに意地悪なプロデューサーがいるんじゃないかって塩梅で道のど真ん中に大きな石が落ちていたり…。おまけにもっとも面白いのは、相棒が頼りなくて“つかえねーコイツ”ってなる描写ですね。

この映画、しょうもない言い方をしてしまうと、金のためにエグい仕事をするサラリーマンのお話とも見て取れます。



▲こんな絶壁でカーブしたり。


▲行く手を阻む岩をニトロで爆破したり。


▲あんなに憧れていた先輩のジョーは実は小心者で使い物にならなかったり。


▲タッグ戦に見えなくもない両チームのぶつかり合いも面白い。

一難去ってまた一難って感じで続き、ほっと一安心したときにルイジたちのトラックが爆発してしまうシーンは実に見事で。その一連の流れは唸るしかありません。


▲実力主義的なマリオが先輩のジョーを沼で轢いてしまうのとか、すさまじいシーンだし。


▲でもそんななかにも、友情があったりなんかして。


まぎれもない名作!単純で力強い映画!大好きっすね★