アデル、ブルーは熱い色 | 記憶のための映画メモ

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ユルユルの脳味噌に喝を入れるための映画ブログです。


アデル、ブルーは熱い色


2013年/フランス/179分
監督:アブデラティフ・ケシシュ
出演:アデル・エグザルコプロス、レア・セドゥ、サリム・ケシュシュ、モナ・ヴァルラヴェン、ジェレミー・ラウールト、アルマ・ホドロフスキー、バンジャマン・シクスー、他
おすすめ度(5点中) → 4.7


――― あらすじ ―――――――
高校生のアデルには上級生の恋人トマがいたが、満たされぬものを感じていた。そんな時、髪をブルーに染めた女性とすれ違い、心奪われる。すぐにトマに別れを告げたアデル。ある夜、偶然入ったバーであの青い髪の女性と再会する。彼女の名はエマ。年上の美大生だった。知的で洗練されたエマに急速に惹かれていくアデル。ほどなく、互いに心だけでなく肉体も激しく求め合うようになる2人だったが…。(allcinemaより)


―――  感想  ―――――――

エンドロールが終わっても席から立てなかった。

しばらく放心状態になり混乱する頭をそのままにしてみた。


昔、自分には不釣り合いの芸術家肌の女性に一目ぼれして、恋愛するに至ったことがある。

渾身の力で背伸びをしていたように思う。


充実と不安がいつも一緒で、その不安定がまた刺激的で。


彼女の知り合いは同じく芸術畑の人たちで

同じ空間にいると、今作のアデルのように萎縮してしまう自分が情けなかった。


案の定、関係はあっさりと終わってしまったけど

そんな当時の思い出がフラッシュバックするようで、なんだか正気を保てなかった。



アデルとエマは女性同士だが、レズビアンであることを特筆すべきではないでしょう。


同性愛者という理由で同級生のなかから浮いてしまうアデルが

芸術家たちのなかでは平凡な人間として浮いていて、アデルの立ち位置にクラクラしてしまう。



上流階級のエマと、普通の家庭に育ったアデル。

文才のあるアデルにエマは創作を進めるが、アデルは先生という堅実な職業につく。


エマに絵の才能があったのは明らかだが、

おそらくアデルにも成功を夢見るだけの才能は備わっていたはず。

アデルがその野心を抱かなかったのは、育った家庭環境の違いに起因するところが大きいように思う。

二人の亀裂は最初から入っていた。それでもくっついちゃうから恋愛は厄介で楽しいんだろう。


芸術家仲間を招いたパーティにおいて、

エゴン・シーレの話が出てきた時点で崩壊の音色が響いていたように思う。

アデルが別の人間と寝ることで寂しさを紛らわせたのが、エマとの別れを決定付けたけど

そんな行動をとってしまうアデルを、先生という真面目な職業につくアデルを、今作は優しく包み込む。

アデルは生徒の前では涙を見せない。彼らが去った後に泣き崩れる。その姿勢が気高い。


俳優をやっていたけど不動産屋に転職した男性が、アデルを探そうとするラストカット。

その後ろでは、アデルが初めてエマを見かける時と同じ音楽が使われているではないか。

新しい物語が芽吹いている。

なんて素敵なエンディングなんだろう。



ゲロゲロゲロ~。気持ち悪い文章からスタートしてスンマセン(笑)。

こんな話を告白してしまうぐらい、この映画の影響力はすごい!ということですね。

感想自体もまとまりがなく、いつも以上に酷いwww。けど許してチョンマゲ。


生涯かけて大切にしたい映画がまた増えましたよ。