クモの巣の水玉 | 4コマ漫画「アメリカは今日もアレだった」

4コマ漫画「アメリカは今日もアレだった」

アメリカ暮らし漫画と昔の日本での愛犬物語です。

 

 こんなふうにして、金毘羅さまから先、わたしとピピは、山のふもとのコンクリート壁の上の草地をつっきります。
つっきる、といっても、六月ともなれば草は大きく緑にしげり、地面そのものもでこぼこしているので、わたしたちのからだも上に下に、やっぱりでこぼこ、動きながら進むのです。

 

草地はやがて、民家の敷地の裏がわを通っていき、雨にぬれた木々が、水玉だらけのクモの巣をいくつもかかえて立っています。
その木々の下をくぐると、葉っぱのしずくやクモの巣の水玉が
はらはら はらはら
ぽろぽろ ぽろぽろ
と、わたしとピピの頭や肩に、背中やしっぽに、こぼれ落ちてくるのでした。

そのあとは、つきあたりの坂道を水路ぞいにあがります。
この水路は、ずっと前、ピピが道路の下のちいさなトンネルからのぼっていたのに、それを知らないわたしがいっしょうけんめいに海の干潟(ひがた)のほうをさがしていた、あの水路です。