草原のドアをあけてゆく | 4コマ漫画「アメリカは今日もアレだった」

4コマ漫画「アメリカは今日もアレだった」

アメリカ暮らし漫画と昔の日本での愛犬物語です。

 

 草原でも、道路でも、庭でも、ピピはいつも鼻を地面すれすれに低くして歩きます。
なぜなら、ビーグルはもともと嗅覚系の猟犬としてつくられた犬種だからです。

地面をかぎやすいよう、体そのものも低いのです。


 そんなピピから見る世界は、いったいどんな眺めなのでしょう? 

わたしも、からだを低くして、顔を地面に近づけてみました。

 

・・すると・・・・ 

 

まず、草原が、ひとつひとつの草に変わりました。

丸い草、広い草、長く尖った草。
それらがぼんやりと混ざっていた草原ぜんたいの弱いにおいも、それぞれの草の息、その下の土の息、というぐあいに、くっきりと分かれたのです。

 

そして、ピピの高さから見ると、その草たちは、ドアになってゆれるのでした。
(おいで、おいで・・・・)
ドアはやわらかくゆれながら、どこまでも、どこまでも奥へ続いていきます。

 

その先に、なにかとんでもない、すばらしい世界が待っているように。