わたしたちの朝は、ひとつのパターンができていました。
まず、夜明けごろ、ピピは寝箱をとびだします。
(ごそごそ・・・)
しばらくすると、
(ぷうん)
においがただよってきます。
(うんこ、したな・・)
でも、わたしはまだ起きません。
ピピも箱へもどり、横になります。
7時になります。
いよいよピピは正式に目がさめて、箱の中にすわります。
「くうん」
かわいい声で、わたしによびかけます。
でも、わたしは起きません。
「うう」
とか、
「まって」
とかうめき、ふとんへもぐりこみます。
ピピは、しばらくまっています。
が、とうとうしびれをきらして箱からとびだします。
重いシートをめくり、たたみをかじったり、壁をかじったりをはじめます。
ついに、わたしはひきずりだされます。
わたしがベッドからおりると、ピピはおおよろこびです。
だまったまま、からだじゅうを動かしておおさわぎであいさつします。
「ん、ん・・」
わたしはまだ眠り声で、てきとうにピピをなでます。
ねむるとき、ピピはひもでつながれるのですが、そのひもをはずしたら、わたしたちは怒涛(どとう)のように階段をおりていきます。
「だあん!!」
とちゅうからジャンプしてホールへ着地、つづいてピピはあがりかまちのマットごと滑走し、並べられたくつをけちらかして飛びおります。
それからわたしにドアを開けさせると、かがやかしい朝の庭へ、どっとくりだしていくのです。