面白く悲しくも出来ていた。出演も初老の男性2人、小品であまり話題になっていないようですが、お勧めです。
「お隣さんはヒトラー?」
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1960年5月、南米アルゼンチンに潜んでいたナチスのアイヒマンが、イスラエルのモサドに拘束されたニュースが放映されていた。アイヒマンは第二次世界大戦下、ユダヤ人数百万人を強制収容所へ移送した、ゲシュタポのユダヤ人移送局長だ。
ユダヤ人のポルスキー(デビッド・ヘイマン)は、ホロコーストで家族全員を失い、南米コロンビアの町はずれの一軒家でひっそり暮らしていた。家族の思い出の黒薔薇を大事に育てている。そしてアイヒマン逮捕のニュースを観る。
その彼の隣家に引っ越してきたのは、ドイツ人ヘルツォーク(ウド・キア)。なんとヒトラーそっくり。15年経てば…とポルスキーは確信する。
ポルスキーはユダヤ人団体に、ヒトラーが隣に住んでいると訴えるのだが、ヒトラーは1945年に死んでいると突っぱねられる。
ヘルツォークがヒトラーだという証拠を掴んでやると、ポルスキーは監視を始めるが、バッタリ顔を合わせてしまったり、挨拶されたり。
大事な黒薔薇が、ヘルツォークの敷地内になったが、その水やりに忍び込んで、ジャーマンシェパードに追われて大慌てをしたり。
やがて、ヘルツォークが助けを求めに来たり、チェスに誘われたり、絵が趣味のヘルツォークが、にこやかなポルスキーの肖像画を描くなど、2人は仲良くなっていく。
吠え掛かる犬にポルスキーがしでかしたことは許し難いが、しかし次に飼われたジャーマンシェパードにポルスキーは気に入られ、のしかかられて顔をなめられる。
しかしある日、ヘルツォークの友人が帰り際に「ハイル・ヒトラー」と挨拶をするのを、ポルスキーは目撃してしまう。
ネタバレだが、ヘルツォークは本当に“ヒトラー”だったのだ。安住の地を得られない彼が、何とも哀れを誘う。
監督のレオン・プルドフスキーは、ロシア生まれのイスラエル人。
南米には悪魔の医師と言われ、双子を実験材料にしたメンゲレもいた。彼はアルゼンチンにいたが、アイヒマン逮捕で、次は自分だと辛くもモサドの手を逃れてパラグアイへ逃げ、その後ブラジルへと国を変えて生き延びたが、怯え続ける一生だったとのこと。
私が小学生のころ、家で飼っていたのはジャーマンシェパードだった。甘えて飛び掛かってくると恐くて逃げるので、ますます喜んで追っかけてくる。ポルスキーが2匹目にのしかかられているシーンは、そのことを思い出し、好意を示されても彼はきっと怖いよねと、可笑しかった。
ウド・キアは、ドラキュラとかフランケンシュタインとか怖い役柄ばっかりのイメージだったので、「スワンソング」の美容師役で、これが彼とびっくり。この映画では見た目おっかないけれど、お人よしっぽいお爺さん、上手いです。
オマケです。ウド・キアの「スワンソング」のゲイの美容師さん。
どんな映画か気になる方は、私の感想ですが。