ジュンパ・ラヒリが原作を推薦というのが気になっていたため、中身をあまり確かめずに、時間が合うので観たのだけれど。

「靴ひものロンド」

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イタリアのある家庭を描いた作品。
ジェンカの軽快なステップ、楽しい映画かな?と思ったらすぐに、夫(ルイジ・ロ・カーショ)
が妻(アルバ・ロカヴェル)に告げる。
「女性と関係を持った」(え~っ、妻に突然なんで言う?)。

その一言に怒り狂う妻(これは当然かも)

「パパは家が牢獄だって(そりゃそうでしょうよ)。だからパパを閉じ込めちゃいましょう」と子供たちをそそのかす妻、茫然とする夫。
夫はローマの仕事場でその女性と暮らし始め、ナポリの家庭を顧みない。

長年、別居していた夫妻だが、年月を経てよりを戻して同居する(この神経が分からない)。

夫の「夫婦を続けるには話さないことが不可欠だ」の言葉は、一緒に暮らしても、長年の不信感はぬぐえない証のよう。

そしてバカンスへ行き、帰宅して茫然、家中が荒らされていた。
泥棒か?いったい誰が?

自分の裏切り行為を、後先を考えずにポロッと口にする夫。軽薄すぎるでしょ。よほどの覚悟を持って告げるか、秘密を墓場まで持って行くか。
何でこんな中途半端なことをするのか。

原因を作った夫が悪いに決まっているけれど、いたいけな子供が2人もいるのに、取り乱し過ぎの妻。
子供を味方につけて、夫をいびる執念深さは、夫が妻のそうした面に嫌気がさして、恋人を作り家庭から逃げ出した要素かも。

こんな状態なのに、またよりを戻すなんて…。
どちらか1人でも親として子供を思い、自分で自分を支え、なんとか良い方向を探り、覚悟を持って自立して生きる姿を、せめて子供には見せてほしかった。
だから、子供2人も結局は乗り越えられない。

父親の少し変わった靴ひもの結び方、いつの間にか息子も同じ結び方をしていた。親のいがみ合いもまた、何らかの歪みを伝えてしまうのだろうか。

靴ひもで靴が縛り付けられるように、家庭も親子も縛りつけられていて、しかも各家庭それぞれの縛り付け方がある。あまりにややこしいと靴ひもは簡単にはほどけない。素足になって自由に駆けるためには、破壊衝動すらいるのだろうか。

なんだか共感できない人物ばかりだった。観終わってもあまり気分が良くない。反面教師?にはなるのかしら。