15世紀、李氏朝鮮王朝第4代国王世宗(セジョン1397-1450)と、
歴史に残る天才科学者チャン・ヨンシル(蔣英實1383-1450)の物語。


世宗大王 星を追う者たち」 ★3.5


http://hark3.com/sejong/

世宗(ハン・ソッキュ)は、国の発展のために才能ある者を取り立てた。
ヨンシル(チェ・ミンシク)も奴婢から武官になり、水時計を制作。

当時、朝鮮は明国の支配下にあり、時間や暦も明国同様であったが、
日照も季節もずれて生活や農事に差し障り、朝鮮独自のそれを必要としていた。

ヨンシルは日時計、簡儀(緯度計測器)、天文儀器など次々に発明。
世宗はヨンシルに心を許し、2人で星空を見上げて語り合う。

当時は朝鮮独自の文字はなく漢字を使用していたが、下層階級は読めない。
世宗はハングルを「発音を教える記号」として作り、普及しようとした。

朝鮮独自の暦や言語を、明国が喜ぶはずがない。それを恐れ、
2人を引き離さなくてはと、重臣たちは謀をめぐらす。

そして王の輿が大破し、責任者のヨンシルは罪を問われる。
歴史では、それ以降のヨンシルの記録は途切れる。

科学一筋、どこか素朴な風貌で、身分を越えた王の行為に戸惑いつつ、
それに応えようと懸命なヨンシル、
王の威厳と素の人間性を感じさせる世宗、ともに上手い。

水時計や、天体観測儀が見事に制作されて、作動する映像が面白い。
当時の明の従属国であった朝鮮の悲哀をも感じさせる。ホ・ジノ監督。