NMDAという病気を聴いたことがある?

映画「エクソシスト」の原作モデルの臨床像だとか。
私は知らなかった。これは実話だそうだ。


正確には抗NMDA受容体抗体脳炎。Wikiによれば、
日本では年間1000人ほどが発症、若い女性に多い。

症状は感情がコントロールできなくなり、
幸福と絶望を行き来し、周りの人々に
人間性が崩壊したかのような毒舌を吐く。
やがて昏睡に陥りそのまま死に至ることもあるとのこと。

まるで精神疾患のように見えるけれど、脳の病気。
間違えた治療をしていると死に至るが、
きちんと適正な治療をすれば回復が見込める。


「彼女が目覚めるその日まで」 ★★★☆☆
http://kanojo-mezame.jp/

スザンナ(クロエ・グレース・モレッツ)は、
念願のニューヨーク・ポスト紙で働くようになり、
良い記事を書いて認められたいと意欲満々。

恋人のスティーブン(トーマス・マン)ともいい関係。
父母(リチャード・アーミティッジ/キャリー=アン・モス)は
離婚していたが、2人ともスザンナを応援していた。

ところがある日、パーティの最中に、スザンナは
一瞬意識が遠のく感覚を覚える。そしてそれは徐々に悪化。

仕事もミス続きで〆切には遅れ、大事な約束を忘れ、
なんと取材相手に無礼な言葉を吐く失態すら起こす。

ついに激しいけいれんで病院に担ぎ込まれるが、
医師さえも原因が分からないという。幻覚があり、
統合失調症を疑われるが、その治療をしても良くならない。
手足も麻痺し、やがて、昏睡に陥ってしまう。

しかし、両親も恋人もあきらめなかった。
そして、ある医師が、まれな脳炎ではないかと気づく。

激しい発作などの病状をクロエが熱演。
少々幼過ぎる感じ?と思って観ていたが、
実際に病んだ原作者の写真を見たら、かなり似ていた。

闘病と家族や恋人の愛情物語ではあるが、何より
抗NMDA脳炎という病気を世に知らしめるため、
誰かの命、誰かの人生を救うための作品。

原作者のスザンナもそのために書いたと語っている。
ことに医療関係、精神・心理、保健の関係者は必見。