お気楽な生活から、突然押し付けられた赤ちゃんを、
必死で育てる男を「最強のふたり」のオマール・シーが演じる。


「あしたは最高のはじまり」 ★★★★☆
http://ashita-saikou.jp

サミュエル(オマール・シー)は、フランスの海辺で
ボートの雇われ船長をしながら、楽しく遊ぶ毎日を送っていた。

そこに、依然付き合ったことのあるクリスティンが突然現れ、
3か月の赤ちゃんを「あなたの娘よ」と置き去りにしていく。

慌てたサミュエルは、フェイスブックの写真を頼りに、
ロンドンに向かうが、クリスティンは見つからない。

言葉も通じず、お金もなくして困り果てていたサミュエルを
救ったのは、ゲイのベルニー(アントワーヌ・ベルトラン)。

ベルニーの紹介でサミュエルはスタントマンとして高級取りに。
2人の「パパ」は赤ちゃんを愛し、育てていく。

ここまでの前半、オマール・シー全開のお気楽大騒ぎ。
嫌いじゃないけど、この調子で行くの?と少々不安になったところで…

8歳になったグロリア(グロリア・コルストン)の前に、
行方不明で、連絡すらなかったクリスティンがメールをよこし、    
突然現れて、母親だから、ニューヨークに連れて行くという。

グロリアと離れたくないサミュエル、母親を慕うグロリアと、
身勝手なクリスティンとのすったもんだ。遺伝子検査って、
娘を押し付けたが、父親かどうかは確信がなかったってこと?

それに医師がサミュエルに告げる「長くはない」という一言が、
字幕ではサミュエルなのかグロリアなのか見当がつかない。
う~ん、病気に持っていかなくてもいい話だったのにね。

ということでシリアスな話に突入…でもやっぱりコメディ調。
惚れっぽい、心優しいベルニーがいい味付けで、
グロリアは映画初出演が、すごく元気に溌剌と演じている。
突っ込みどころはいろいろあるけれど、コミカルな愛情物語って好き!

原題は、“Demain Tout Commence”直訳で「明日は全ての始まり」
ガストン・バシュラールの言葉だって。彼は訳書もいろいろ出ていて、
育児書制作中に保育学の故津守眞・房江夫妻に勧められて読んだ。
懐かしいけれど、バシュラールもビックリのサミュエルだろうな。