昨日、音楽映画だったので、続けて、こちらはクラシック。
「25年目の弦楽四重奏」 ★★★★☆
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ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第一四番作品131は、アタッカ
つまり前7楽章を途切れなく弾くという難曲。 弦の音程を
合わせ直すことが出来ない、 つまり不協和音になる危険を孕むのだ。
この4人なら、その曲も完璧に弾きこなすだろうと思われるほどの
25年目を迎えるカルテット。
ところが練習中にチェロ奏者ピーター(クリストファー・ウォーケン)が、
指が動きにくいと言う。
彼が、自分はパーキンソン病で、引退をしなくてはならないと
打ち明けたことで、3人に動揺が走り、不協和音が響き始める。
第2バイオリンのロバート(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、
第1バイオリンを弾きたいと言う。
ところが、当然、味方すると思っていたロバートの妻で、 カルテットの
ビオラ奏者ジュリエット(キャサリン・キーナー)は 賛成しない。
正確無比の第1バイオリンのダニエル(マーク・イヴァニール)も
「君には無理だ」と突き放す。
ロバート・ジュリエット夫妻と娘アレクサンドラ(イモージェン・プーツ)、
ロバートの浮気、ジュリエットとダニエル等々揉め事が起きる。
いささか子供っぽいようなドタバタの中、
年長者のピーターは、このカルテットが存続できるのか、
自分の後のチェロ奏者をどうするかという危惧を抱えながら、
自分の退け時を計る苦悩を漏らす。
25周年演奏会の日が迫る。
はたしてこの弦楽四重奏団の演奏会は開くことが出来るのだろうか…。
一筋の道を歩む人で、それなりに成功した人は、
一芸だけじゃないな~さすが、深みがある…と思う時がある。
でも、え?意外なところで子供っぽい…と思うこともある。
今回の映画は、こちらなんだけれど、そこから最後に向けて、
芸術家として練り上げていくところが、ちょっと描き足りなかったような。
新しくカルテットに加わるのが東洋系(本物のチェリスト)というのが、
いかにも今の音楽界の傾向だなと思ったり。
もう少し音響のいい劇場で見たら、音も楽しめたのかしら。
映画としては、びっしり書き込んだ楽譜とか、
ああやっぱり、第2の人って、第1もやってみたいものなんだとか、
なるほどカルテットの1人が変わるということは、組み合わせはもちろん、
音質も変わるわけで、存続にもかかわるほどの大事だろうナとか、楽しめました。
。