飛行機の中で観た「リンカーン」 

http://www.foxmovies.jp/lincoln-movie/


画面が小さいから見にくくて暗かったんだけど… 

「実に“政治的”な映画」としかいいようがない。★★★☆☆


奴隷解放を定めた、アメリカ合衆国憲法修正第13条、

南北戦争の終結間際に、下院での可決をなんとか通そうとして、

議員に職を与えたり、説得したり脅したり、あらゆる手を使う。”


どうしてこの法案を通したいと、リンカーンが願ったのかが 

ほとんど描かれていないから、その裏工作ばかりが目につく。


南北戦争では、多数の犠牲が出た。

リンカーンの息子もその1人。妻はリンカーンを責める。


リンカーンを演じたダニエル・デイ=ルイスは、そっくりさんかと思うほど。

二男は戦争に行かせないという奥さんのヒステリーに手を焼くところなど、

家庭がうまく行っていたとも思えず、そのリアリティはある。


多くの死者を出した南北戦争に対し、厭戦気分が国民にあり、

南北戦争を終わらせるには、第13条を可決するしかない。

みんなそう思い、法案可決に賛成するしかない…と思わせる。


しかし一方で、南軍の将軍は、南北戦争終結に動いていた。

戦争が終わってしまえば、奴隷解放はする必然が無くなる…。

リンカーンは策を弄しても、この法案を通そうとする。


なるほど、政治とはまさに裏工作…と言うことがよく分かるのだが、

スピルバーグは、それを目的にしたのだろうか?


ということは…まさにオバマの今の立場を援護するために???

実に実に“政治的”な作品だ。


ただ、リンカーンの言う、目的地にたどり着きたい。

しかし途中には沼や流砂がある。その場合、目的に向かって

まっすぐ進んで沼にはまっては、目的地に着けない。着くためには、

曲がることも、遠回りも必要だ…と言ったようなセリフがあったが、

この考えは、あらゆる場合に必要だと思う。様々な運動でも…。