ホビット3部作の第一部「ホビット 思いがけない冒険」

HFR3Dの映画館で観ました。3時間があっという間。

★★★★☆


「ロード・オブ・ザ・リング」の60年前の物語。
穏やかな暮らしを好むホビット族のビルボ・バギンスが、
自分の物語を書こうとしている。

そこにフロドが来る。ああ、ビルボは指輪のことを書くのだろうナ…。
このビルボ、シャーロックのワトソン君のマーティン・フリーマンなのね。

そして話は60年前にさかのぼる。
灰色の魔法使いガンダルフがビルボの家に来て、扉にしるしをつけ、
ドワーフたちがわさわさと押しかけるところ、面白い。

ガンダルフに忍びの者としてドワーフの旅に同行するよう言い含められ、
ドラゴンを退治して奪われた故郷を取り戻そうとする13人のドワーフと、
ガンダルフと一緒に、ビルボは困難な旅に出る。

トロールに食われそうになったり、ゴブリンに襲われたり、
オーク鬼に追い詰められたり。
「また!」と思うところで、ドワーフの王ト―リンが「またか!」

そんな中でエルフの滝の多い避け谷のシーンは美しい。
エルムンド卿や、女王ガラドリエルの静けさにホッとする。

3Dで見たので立体的で面白かったし、蝶が飛んだり、大岩が落下したり、
矢が飛んできたりと、まさに3D用なんだわ!と思うシーンも数々。
3時間の長さを感じさせない、ハラハラドキドキ。


初めて気づいたこと、魔法使いに白のサルマンがいて、
灰色のガンダルフがメインキャストなのに、なぜ灰色なのかと思っていた。


その灰色のガンダルフが、

勇者でもないホビットをなぜ困難な旅に加えたか。

ガンダルフが、

「白のサルマンは、優れた者が何かを成し遂げると思っているが、
私は日常の中の思いやりや愛情が、何かを成し遂げると思う」
といったセリフを言うところがある(正確ではありません)。

その時に、そうだ!生きていくということは、

そんなに白黒ハッキリはできない。
だから、灰色であることに大きな意味があるのだ…と。
(ガンダルフは、最後に白のガンダルフになるのだけれど…)

保育学者の津守眞ご夫妻が、
「試験で選りすぐられた子供ばかりの集団が強いと思うでしょうけれど、違う。


いろんな子供がいて、その中で助け合って学んでいく。

そういった集団の方が、 本当の意味で強い」と

おっしゃられたことを、ふと思い出した。

綺麗にはいかない。

そのなかで、揺らぎながら自分を立て直していく。


ビルボが逃げ出したくなる気持ちから、故郷を愛し帰りたく思うからこそ、
故郷を取り戻したいドワーフたちと、困難に立ち向かう気持ちになって行く。

トールキンの『指輪物語』、原作は映画より面白い。
本棚を見たら『トールキンー指輪物語を創った男』も買っていたし、
『トールキン〈中つ国〉地図』もあった。久しぶりに地図を広げて楽しんだ。