シアターイメージフォーラムで、フランス未公開映画傑作選の1本「刑事ベラミー」を観た。
主演は名優ジェラール・ドパルデュー(毎回、もうちょっと痩せたら~と思う…)。

http://www.eiganokuni.com/meisaku5-france/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD18862/index.html

ニームにある妻の実家で、休暇を楽しんでいるベラミーを訪ねてきた男がいた。
ノエル・ジャンティと名乗るが、探って行くと、そんな男はいない。

彼は、ベラミーに「私は殺していない」と訴える。
自動車事故で死んだと思われていたエミール・ルレ(ジャック・ガンブラン)。

ルレは妻がいるのに、ダンス相手のフット・マッサージの女性に夢中になり、
保険金詐欺を企み、自動車事故を起こしたのだ。では、事故で死んだ男は?
実際にあった保険金詐欺事件にヒントを得て書かれた脚本だとか。

ベラミーの母違いの弟(クロービス・コルニャック)が訪ねてくる。
前科があり、いい加減な態度で、ベラミーを怒らせる。

この2つの物語が同時進行していくのだけれど、事故で死んだ男やジャックの
何とも不器用な生き方、彼らに自殺願望はあったのか、なかったのか…。

ルレの妻の死や、ルレの恋人の裏切り、ルレは本当に殺人を犯したのか違うのか…
なんともやり切れないような筋書きだが、
ベラミーの妻フランソワーズ(マリー・ビュネル)とベラミーの微笑ましいような愛情、

死んだ男はなぜホームレスになったのか、かつて暮らした女性の優しさがいい。
妻のかかりつけの歯医者のゲイカップルも良い味わい。

ベラミーがマンホールに落ちそうになって、フランソワーズが危うく腕をつかまえる場面、
人生は、どこで暗転するか分からない不安さを象徴しているかのよう。
フランス南部、ニームの光景が美しい。

★は、3か4かとちょっと迷うが、
私の好みには会っているから★★★★☆にしておくかな。