打倒zeRo!! タイトルホルダー大集結!! 観戦記&自戦記1回戦

 

打倒zeRo!! タイトルホルダー大集結!! 観戦記&自戦記2回戦

 

↑こちらの続きになります。

 

 3回戦の対局は

 

 

 

 

 

 

 石沢、川村、軽部、たじま

 

 という対戦カードとなった。

 

 注目ポイントは1本目で大きなトップを取った石沢と川村だろう。

 

 決勝戦までに1人4本なので連勝を決めた方は決勝進出がかなり濃厚、3回戦終了時にして優勝にグッと近づくはずだ。

 

 対して3位スタートとなった軽部、たじまは最低でも連対以上はほしいはず。

 

 石沢or川村に対してトップラスを決められてしまうと優勝はこの時点で厳しくなってしまうので早くも勝負所である。

 

 見守る対局者以外の4人も石沢、川村のトップは勘弁してほしいというのが総意であったが果たして。

 

 

 東家 軽部

 南家 石沢

 西家 たじま

 北家 川村

 

 

 東1局

 

 

 

 真っ先に動いたのは北家の川村。

 

 この8sをチーして三色のみの仕掛けで発進。

 

 1回戦の鮮烈すぎるリーチ攻勢がまだ目に焼き付いているところであるが、門前では厳しいと判断するや否やノミ手でも仕掛けて局を回そうという姿勢。

 

 厳しそうな手では無茶はせずに見に回るというのも1つの手ではあるが、攻撃こそが最大の防御であるというのが川村の主張か。

 

 

 

 川村が次巡ドラの發をツモ切ると、中盤に發を重ねていた石沢がそれをポンして打中。

 

 本人としては配牌時点ではあまりやる気がなく、發が重なるならもう少し数牌を持って進行したいはずだったが重なりが少し遅かった。

 

 既に濃い目の河ではあるが、ポンをしてまだヘッドレスの2シャンテンという形である。

 

 

 

 先切りのつもりで切った發に声が掛かってしまった川村。

 

 次巡に5pを持ってきてノータイムで打5sで面子を壊してベタオリを開始する。

 

 このあたりの押し引きの判断はやはり徹底されていると感じた。

 

 川村は先制を取ることに重きを置いている打ち手であるが、後手を踏んだと感じた際のベタオリに全く躊躇がない。

 

 ここは先に書いたようにドラの發のポンをした石沢の河が濃く、ポン出しが安全牌に見える中であったことからポンテンの可能性も十分考慮したのだと思う。

 

 実際は石沢の手はリャンシャンテンではあったが、1pの受けはあるので当たり牌であってもおかしくないはずだ。

 

 かわしての仕掛け出しから發の先切り、そして躊躇の無いベタオリ、川村の麻雀が色濃く見える1局だったように思う。

 

 

 

 その5sをチーしてテンパイをとったのは親の軽部。

 

 タンヤオが確定していて58sと578pの受けがあり、それぞれ枚数も見た目十分に残っているので通常時であればギリギリまでテンパイは取りたくない手牌。

 

 しかし、石沢のドラポンを受けてしまい緊急回避的な意味合いで渋々チーテンをかけたといったところか。

 

 自身が親番ということもあり、ツモられてしまうだけで4000点の失点、放銃となってしまうと8000点の失点となるので自然な選択だろう。

 

 このチーテンは川村と同様石沢の河の濃さとポン出しの中への速度感を評価しての判断のように思う。

 

 河に字牌と一九牌しかほとんど切れていない、ドラポンは入ったものの速度感は無い捨て牌だったらワンスルーしていたのではないだろうか。

 

 

 

 結果は軽部がほどなく8pをツモっての500オール。

 

 アガった本人もまぁまぁ、他3人もドラポンと親のこの手形のチーテン500オールを見るとまぁまぁ平和に済んだ、と全員一定の納得感で始まったような3回戦のスタートだった。

 

 東1局1本場は先制リーチのたじまが石沢から2000は2300のアガリ。

 

 

 東2局

 

 

 

 受けが苦しいイーシャンテンの軽部であったが、嬉しい中を暗刻にしての南と1sのシャンポンで先制リーチ。

 

 河に1枚ずつ切れているが、誰も使っている人はいなさそうで読み通り2山の出アガリ3200からの炎の50符リーチだ。

 

 

 しかし先制リーチに屈して悠々と1人旅をさせてくれないのがこのメンバー。

 

 たじまが粘りながら狙い通り引っ張っていた孤立の3mにドラをくっつけての追っかけリーチ。

 

 リーチ平和イーペーコードラ1からの満貫確定と破壊力抜群の手だ。

 

 宣言牌が軽部の入り目であった中であるというのも勝負のアヤとして見ると面白い。

 

 

 たじまの追っかけリーチの2秒後に現れたのが第3の男川村。

 

 手広い形で先制リーチに通りそうなところを切りつつ粘っていたがようやく4mを引き入れてリーチドラ1の58m待ちで追っかけリーチ。

 

 先制はもちろん後手でも勝負になるとみると1軒だろうが2軒だろうが躊躇無くリーチリーチで畳みかけてくる。

 

 軽部の南1s、たじまの14m、川村の58m、それぞれ山に複数枚残っていたがこの誰もが勝ちたい捲りあいを制したのは…。

 

 

 

 たじま。

 

 最高位戦関西プロアマリーグ2018優勝、KBR(関西バトルロイヤル)という関西随一の規模のチーム対抗戦でも1期、2期と連覇を果たした社雀会チームの王である。

 

 牌捌きやマナー面にも長けていて、この1mツモのようにリーチ後のツモ牌を視聴者にここまで分かりやすく見せてくれるアマチュア雀士はなかなかいないだろう(笑)。 

 

 一緒に打っていて「しぶとい、諦めてくれない」という印象が強いたじまであるが、この1年程で更にその判断能力に磨きがかかっているように感じる。

 

 私が競技麻雀を始めて一番密に親交があったプレイヤーで対戦経験も多数ということもあるが、ここ1年の充実っぷりに脅威を感じ、決勝卓進出予想にも名前をあげた。

 

 

 この綺麗な手牌の1mツモにも7巡目に分岐点が存在していた。

 

 1枚切れのカン7pのノミ手のテンパイが入り、解説の山越は聞くまでもなくリーチ!と言っていたがたじまはテンパイ外しを選択。

 

 カン7p待ちは先制リーチで圧をかけられるという面では強いが、追いつかれてしまうと苦しすぎるという判断だろう。

 

 実戦ではくっつき候補として残していた3mに最高のドラ2mを引き入れてのテンパイであったが、このテンパイなら例えリーチを受けても戦えるという中終盤以降の決着を見据えた一打が最高の結果を生むこととなった。

 

 裏ドラは乗らないもののたじまが満貫ツモにリーチ棒2本を回収する大きなアガリで大きく抜け出す。

 

 

 東3局

 

 

 まだ2本目なのにもう何度目かという川村のリーチに対して、七対子に決め打っていた石沢が上手く仕上げて追いつきドラ待ちで追っかけリーチ。

 

 

 

 しかし奇しくもこの宣言牌の6mは川村の高めとなる当たり牌。

 

 テンパイしなければ決して打ち出される牌ではなかったので、上手くテンパイしてしまったが故に失点してしまうというのは麻雀の意地悪なところに感じる。

 

 川村が石沢から大きな8000のアガリをとる。

 

 

 東4局

 

 ここで更に畳みかけたい親番の川村にドラドラのチャンス手、9pをポンして中バックとチャンタを見据えた進行。

 

 

 

 9pポンから嬉しい中も鳴けてターツ選択の場面だが、川村の選択は23sの両面払い。

 

 1sが2枚切れになっていることと、自身の河に5sが2枚切れていて14sが目立っているということを嫌っての判断だったか。

 

 しかし、ここは見た目枚数で12mの自然なペンチャン払いか78sを払って14sと自身の河的に盲点となりやすいペン3mを狙うどちらかの選択がよかったように思う。

 

 

 

 

 

 石沢のリーチを受けてベタオリをするが、真っ直ぐいっていれば5800、高め12000のテンパイとなっていた4sで放銃という結果となってしまった。

 

 リーチに対してド無筋の5p7pを押せたかどうかというのは難しい話であったが、この日初めて川村の顔が曇った瞬間となった。

 

 石沢が裏を1つ乗せて2600を川村から出アガリ少し取り返す。

 

 南1局

 

 

 

 少し痛い放銃となってしまった川村であったが、字風の北を仕掛けて加カンし、36m待ちの役役ホンイツテンパイを5巡目にして入れる。

 

 ソウズを1枚も切ってもいないのにマンズのホンイツテンパイはさすがに読めない。

 

 不気味な仕掛けではあるが、36mは山にも十分残っており、手牌的にも誰が余ってもおかしくないのでアガリは時間の問題か。

 

 

 

 

 

 

 放銃の貧乏くじを引いてしまったのはまたしても石沢。

 

 カンが入っていることもあって仮テンを取って待ち頃の牌でリーチという構想だったのだろう。

 

 先処理的な意味合いで内側の方から切ろうとした6mが不運にも川村のビックリ箱のようなホンイツ手にヒットしてしまった。

 

 またしても川村が石沢から大きな8000のアガリをとる。

 

 南2局は石沢の先制リーチにトップ目のたじまが追っかけるも石沢が制して1000オール。

 

 南2局1本場はたじまの先制リーチを仕掛けてかわした軽部が石沢から2000は2300のアガリで進行。

 

 南3局は親のたじまが仕掛けて川村から大きな3900でトップ目に再度浮上する。

 

 南3局1本場は軽部の勝負手のリーチがかかるもツモれずに1人テンパイで流局。

 

 

 南4局

 

 

 

 まずはラス目の石沢が中をポン。

 

 自身の着アップのためには倍満ツモか跳満直撃が必要なので、ここはラスを受け入れて終わらせにいく選択か。

 

 現状優勝争いの一番手となる親の川村が2着目となっているが、13002600以上のツモ、直撃を取ることが出来れば3着に落とすことが出来るので素点回復も含めて一石二鳥となって嬉しい。

 

 解説でも少し触れたのだが、役牌がもう1つ重なって8000のテンパイとなったときにたじまからアガると川村の着を落とすどころか1位に押し上げてしまうこととなるが、その時はどういう判断をしていたのだろうか。

 

 僕自身はたじまから満貫をアガらない方が良いと捉えていた(山越はアガるとのこと)のだが石沢はどういう構想だったのだろうか。

 

 

 

 しかし、ラスを受け入れて終わらせにいった石沢を嘲笑うかのようにこの男は淡々とリーチをかけ続けるだけである。

 

 リーチのみのペン7p待ちだが、卓上ではこのリーチを実らせてはまずいと戦慄していたことだろう。

 

 ここで川村がトップを取ることになると+が約90オーバー、石沢を大きなラスに沈めて2番手が+20pt弱と完全に川村の1人抜け状態となってしまう。

 

 だが、仕掛けている石沢も親リーチに対して到底押せる手牌ではない…。

 

 誰か…誰か…この誰もが向いたくない川村の親リーに待ったをかけれる勇者はいないのか…。

 

 そんな勇者なんてそうそう現れるわけがないと思っていたが、「諦めない男」が卓上にいたことを我々は忘れていた。

 

 

 

 たじまだ。

 

 トップ目で絶対に放銃はしたくない親リーを受けているので現物を連打してベタオリという選択肢も十分もある中で、通りそうなところを切って形を維持。

 

 そして見た目枚数が苦しい受けながらも今通った69待ちのテンパイを入れると、無筋の5mをスッとリーチモンスター川村の懐に切り込んでいった。

 

 

 

 

 そして、手詰まっていた軽部の対子落としの6pを捉えてタンピンイーペコードラ1の8000の大きなアガリで卓上と解説席に安堵と平和をもたらすことに成功する。

 

 今度某国民的RPGをプレイする際には勇者の名前は「たじま」にしようと心に決めた瞬間だった。

 

 この勇者たじまのアガリで2回戦が終了。

 

 5万点オーバーのトップかつ、暫定1位であった石沢を大きなラスに沈めることに成功したたじまは理想的な結果となっただろう。

 

 2着となった川村も優勝争いの一番手となりそうな石沢をラスにして自分が+の2着なら上々といったところか。

 

 3着の軽部はトップや2位まであと一歩というところでまたしても3着と1本目に続いて消化不良の結果に。

 

 4着の石沢は川村への2回の満貫放銃が痛かったがどちらも手形的に仕方ない形だったのでリセットのつもりで次戦以降に臨むはずだ。

 

 3回戦

 

 たじま +52.3

 川村  +13.0

 軽部  −15.8

 石沢  −49.5

 

 

 

 

 4回戦に続く。