オーバーオールQOLって何? | 過去問で目指せ合格❗️毎日1問リラ検クイズ

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日本リラクゼーション業協会主催の「リラクゼーションセラピスト認定試験」、通称リラ検の過去問、予想問題を中心に、毎日一問、出題していきます。

 

公式テキストVI-1「健康とは」からの出題です。

 

Overall QOL(総合的な人生の質)について、図のCに当てはまるものを選べ

 

 

 1.宗教

 2.人生観

 3.病気

 4.社会環境特性

総合的な人生の質、という重要そうなワードが出てきました。

でも、例によってテキストにはほとんど説明がありません。

で、出典を探してみました。

 

かなり苦労しましたが、ほぼ同じ図を発見(※1)

京大医学部の福原俊一教授が2002年に「日本腰痛会誌」に発表したもののようです。WHOが「健康」の定義を見直したころですので、当時は「健康とは何か」という議論が盛り上がっていたのでしょう。

 

QOLは、クオリティ・オブ・ライフ、生活の質という意味ですが、たとえば、普通に電車通勤しているサラリーマンに使う言葉ではありません。サラリーマンだって、長距離通勤や長時間残業を強いられる人は「生活の質」は低いわけですが、そういう時にはQOLが低いとは言わない。QOLはたいていは病院での長期療養者の治療環境について議論するときに問題になる言葉、概念です。

 

なので、あえて「QOLというのは、個人の身体的問題だけじゃないよ」と強調するために、こういう図を作成したんでしょう。

 

WHOが1999年に健康の定義を見直したとき、「スピリチュアルな健康」を定義に入れるかどうか議論した、という話を前回紹介しました。

 

でも、健康の意味をここまで広げていくと、健康=幸福と同じように見えてきます。健康とは幸福のことである、健康とは人生の満足のことである、という感じですね。奥が深い…というより、定義が広すぎでよくわからない。広すぎる定義は何も定義していないに等しいです。

 

テキストには「オーバーオールQOL」も「健康関連QOL」という用語もなんの説明もなしに出てきますが、わたしが調べられた範囲ではこの言葉は一般常識、というわけではなさそうです。あくまでも医療関係者の中だけでの概念だと思います。

 

だからといって試験に出ない、とは言えないところがリラ検の辛いところ。テキストを隅々まで読んでいるか、ということを問うためだけの設問も散見されるので、まあ押さえておいた方がいいんでしょうね。

 

では今日はこの辺で。

 

[2021/10/04 作成]
 

■参考資料

※1 QOL評価の具体的方法等について、福田俊一、2012

※2 第5回中央社会保険医療協議会議事録

 

■アロマウェブのデジタル問題集
今日の問題はデジ問に収録しました。

 

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