胸腸肋筋の支配神経は? | 過去問で目指せ合格❗️毎日1問リラ検クイズ

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日本リラクゼーション業協会主催の「リラクゼーションセラピスト認定試験」、通称リラ検の過去問、予想問題を中心に、毎日一問、出題していきます。

 

 

1級で実際に出題された問題をレビューしています。
今日は、筋と支配神経についての問題です。

支配神経は2級ではまったく触れられていないので、1級で初めて勉強する内容です。
テキストでは39個の筋と支配神経の組み合わせが出ていますが、実際に出題されるのはたったの1問。
これも捨てたくなりますね~。

でも、面倒なところをポロポロ捨てていると、いつのまにか合格点を割り込んでしまいますし。
なにより、セラピストの知識として知っておくべきことだと思いますので、頑張って覚えましょう。

さて、テキストで出てくる神経は以下の19種類です。
・顔面神経
・三叉神経
・副神経
・頸神経
・肩甲背神経
・腕神経叢直接枝
・肩甲下神経
・腋窩神経
・肩甲上神経
・筋皮神経
・胸背神経
・肋間神経
・脊髄神経
・腰神経叢筋肉枝
・下殿神経
・上殿神経
・仙骨神経叢
・閉鎖神経
・坐骨神経


これに対して、支配される方の筋肉は39種類。

テキストには図がなかったので、ネットで探してみました。

<出典:骨格筋と支配神経(前面)@ナースフル>

 


<出典:骨格筋と支配神経(後面)@ナースフル>
 

また、覚え方としては、神経の走行イメージを持っておいて、その経路上にある筋肉を結び付けていくのがよいように思います。

たとえば、肩甲背神経は首の付け根当たりから背骨と肩甲骨の間を下に向かって走行していますが、この経路にあるのは、肩甲挙筋、大菱形筋、小菱形筋。筋肉の位置関係がわかっていれば、これらはセットで覚えることができます。

<肩甲背神経とその支配筋@アロマウェブ>

 


では、実際に出た問題を見てみましょう。

筋と作用と神経の組み合わせで正しいものはどれか


 1.腰腸肋筋:脊柱の伸展・屈曲:肋間神経 
 2.胸最長筋:胸椎・腰椎の伸展・屈曲:脊髄神経 
 3.腹横筋:腹圧を高める、体幹を固定:肋間神経
 4.腸肋筋:大腿骨を外側に転じる:腰神経叢
 

単純な筋肉と支配神経の組み合わせではなく、そこに筋の作用も組み合わせてあるので、消去法が使いづらい設問方式になっています。
 

支配筋と神経だけみていくと、選択肢の1、2、4の筋は脊柱起立筋を構成する筋で脊髄神経支配ですから、1と4は誤り。

 

選択肢の2と4は支配神経は合っているので、作用の方を見ることになりますが、選択肢の2は「伸展と屈曲」という反対の作用を書いてあるので、これがあやまり。正しくは伸展と側屈です。

 

ということで、正解は選択肢の3。

これはなかなかの難問です。

背中の筋肉の全体的な構成については、テキストには説明がないので、全体像がいまいちつかめません。

前から気になっていたので、今回ついでに調べてみました。

まず、背中の筋肉は、表層、深層、中間層で3種類に分けられます。
 ・棘腕筋=表層に位置する筋群。広背筋・僧帽筋・菱形筋・肩甲挙筋など。
 ・棘背筋=深層に位置する筋群。長背筋・短背筋など。
 ・棘肋筋=棘腕筋と棘背筋との中間に位置する筋群

このうち、深層に位置する棘背筋は長背筋と短背筋で構成されていて、脊柱の動きに関連して作用します。
長背筋は、さらに板状筋、脊柱起立筋、横突棘筋に分かれます。
テキストにでているのは、このうち脊柱起立筋


脊柱起立筋は、背骨に近い側から棘筋、最長筋、腸肋筋の3種類にわかれています。
それぞれがさらに3種類に分かれるので、全部で9種類あります。
棘筋胸棘筋、頸棘筋、頭棘筋
最長筋胸最長筋、頸最長筋、頭最長筋
腸肋筋胸腸肋筋頸腸肋筋腰腸肋筋

このうちテキストに出ている脊柱起立筋は6つ。赤字にしてみました。

どういう理由で一部だけリストアップしてるのかよくわかりませんが、全体の構成がわかるようにしておけば、もっとわかりやすいのに、と思います。

 

これら脊柱起立筋群は脊柱にくっついている筋なので、まとめて「脊髄神経支配」と覚えておくことができます。
脊柱起立筋の全体の構成がわかっていると、胸棘筋とか腰腸肋筋とか、細かい筋ごとに個別に記憶する必要がないので便利です。

最後に、支配神経を覚えて、いったいどんないいことがあるのか、という話です。

 

たとえば、胸郭出口症候群では、硬くなった筋と骨の間に神経が挟まれて圧迫され、痛みやだるさが生じます。この場合、指先に違和感が出ているからといって、指先を揉んでも意味がない。絞扼しているのが小胸筋や胸鎖乳突筋、斜角筋だったら、そこを緩めないといけません。

実際に施術をしていても、たとえば太腿の外側がだるい、とおっしゃるお客様では、腰やお尻を施術したときに、太腿の外側に「ビリビリくる」「効く~」ということも多くて、この場合、太腿の外側のお疲れは、腰神経叢や仙骨神経叢と関わっていることが推察できます。

お客様が訴える箇所を施術すればそのお疲れが解消する、というようなシンプルなことばかりではない(かもしれない)ので、適切な施術箇所を考えるためにも、神経の走行についてはある程度は知っておいたほうがよいと思います。

また、テキストに出ているのは体幹に近い神経ばかりで、たとえば上腕から前腕で疲れが出やすい橈骨神経や尺骨神経、脚では腓骨神経や脛骨神経への言及はありません。このあたりは、自分で調べつつ、覚えていかないといけないところだと思います。

では、今日はこの辺で。

◼️参考資料
◆脊柱起立筋の構造・作用と鍛え方、日本パワーリフティング協会 https://www.jpa-powerlifting.or.jp/erector-spinae


◼️アロマウェブのデジタル問題集

※実際に出題された問題は「重要問題」として、収録しました。

※39の支配神経リストは、特訓問題として収録しました。

 

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