(1)から続いてます。

 

 

 

結婚して2人の生活が始まります。

 

 

私は夫の仕事について

あれこれ詳しく聞くことはありませんでした。

 

前の仕事(会社)をどうして辞めたのか、とか

そういうのもどうでもよかったし、

「ものを書く仕事をしている」ということ以外、

よく知りませんでした。

 

誰とどんな仕事をしているのかも、

どのくらい依頼や収入があるのか、も

あまり関心がなかったのです。

 

 

いま思うと、不思議なんですが、

若い時分は深い考えもなく、それで平気だったんですね。

 

 


 

 

なんのきっかけか忘れましたが、

あるとき原稿料の話になって、

 

原稿料は書いているときではなく、

「出版されてはじめてお金になる」というのを知りました。

 

 

これは、サラリーマン家庭で育った私には衝撃でした。

 

 

汗水流して、うーんうーん唸りながら

脳をフル回転させてパソコンに向かって原稿を書いている時間は

一文にもならないのです。

 

 

それでも月刊誌であれば、締め切り日と発行日が繰り返されますから

毎月決まったページを担当していれば、その分の収入は確実に入ります。

「連載」はありがたいのです。

 

 

ただ、一介のフリーライターがいくつも連載を受け持てるかというと、

それは難しいです。

 

 

 

私は夫がどんな人脈を持っているのかも

知りませんでしたが、

いろんな方面から、「単発」の仕事はいただいていたようです。

(これもずっと後に、請求書控えの綴りを見て知りました)

 

 

 

ただ、さっきも言ったとおり、

本(出版物)になって、はじめてお金が入る。

 

ということは

執筆作業と入金まで、タイムラグがある。

そして依頼があるときとないときがある。

 

 

 

これはもしかしたら、どんでもないことなのではないか。

 

 

 

このときはじめて、フリーランスという仕事の形態を

意識したのでした。

(遅い)

 

 

 

 

 

つづきます。