夫はフリーランスで仕事をしています。
おもに、専門分野での執筆や講演活動です。
私の父は地方公務員(市役所勤務)でしたので、
今おもえば、「安定」の職場だったわけです。
あとで母から聞いたことですが、
ご近所さんには銀行員や広告会社にお勤めの方がいて、
高度成長期やバブルの頃は相当羽振りが良かったようで、
比べて公務員はお給料が安いため、惨めな思いもしたようですし、
金銭的に苦労したようです。
私は子供だったので、その辺のことはよくわかりませんでしたが、
そういわれれば、家計簿のようなものを険しい顔で見ていた時がありました。
母は子供にお金の心配はさせたくない、という考えの人でしたから
贅沢こそできませんでしたが、不自由なく過ごさせてくれました。
そんな親の苦労も知らず、
大学に行かせてもらったのに卒業後フラフラしていた私。
縁があって今の夫と結婚するに至るのですが、
当時の夫は会社勤めをやめ、独立して2年目くらいでした。
いま思うと、よく結婚を許してくれたなあ、と
両親の懐の深さに頭が下がります。
私は、といえば、
お金の心配とか将来の不安とかまったくなくて、
楽天的な性格なこともあり、
「なんとかなるでしょ」という感じでした。
当時、私もアルバイトをしていましたので
二人で暮らす分くらいはどうにでもなる、と思ってました。
夫は知り合いの編集プロダクションから
原稿を書く仕事をもらっていました。
毎月、夫からその月の生活費をもらう、という形でした。
つまり、お財布を握っていたのは夫だったのでした。
結婚した当初、夫がいくらもらっているか、
貯金がいくらあるのかも全然知りませんでしたし、
知ろうとも思いませんでした。
が、あるとき、
私は原稿料というものについて
衝撃的なことを知るのでした。
つづく。