カーネギー・ホールと、国立劇場と、ロイヤル・アルバート・ホール | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 タイトルで、施設の名前を三つ、あいうえお順で並べましたが、並び順に、それ以外の意味はございません。もしも、「カーネギー・ホールロイヤル・アルバート・ホールで、追悼のための式典(memorial service)を行います」と、米国人や英国人に言ったら、どのような返答が予想されるでしょうか。「生前、そのホールの舞台で活躍された芸術家の命日に、追悼のための催しが開かれるのかな」と、仰るかも知れません。

 

 もしも、「国立劇場で、追悼のための式典、もしくは、法事(Buddhist memorial service)を行います」と、日本人に言ったら、どのような返答が予想されるでしょうか。「生前、国立劇場の舞台で活躍された芸術家の命日に、追悼のための催しが開かれるのかな」と、仰るかも知れません。

 

 東日本大震災で亡くなられた方々の都道府県別の人数を、多い順に申し上げれば、平成24年版の防災白書によりますと、宮城県・9517人、岩手県・4671人、福島県・1605人、茨城県・24人、千葉県・20人、東京都・7人だそうです。因みに、国立劇場は、東京都の真ん真ん中、最高裁のおとなり、首相官邸からは1kmほどのところにあります。

一般的に、葬儀や法事というものは、故人のためのものであり、同時に、遺族のためのものであることは、重々承知している積もりでは居りますが、何故、政府主催の東日本大震災八周年追悼式を、宮城県、岩手県、福島県のいずれかではなく、東日本大震災で亡くなられた方の人数が7人である東京都で執り行うのか、しかも、その東京都の真ん真ん中にある、伝統芸能を演じる劇場で執り行うのか、理解に苦しみます(百歩譲って、何故、日本武道館ではないのか)。誰がための追悼式なのでしょう。

 

 大(だい)の大人が27名も、実行委員として雁首を揃えていながら、なぜ、誰も、このような結論に達して、変だと思わないのでしょうか。内閣官房副長官の杉田和博氏、内閣広報官の長谷川榮一氏、内閣府事務次官の山﨑重孝氏の3名を除く24名は、「このように、伝統芸能を演じる劇場で芝居を、いや、式典を執り行って有権者に訴求し、次の選挙でも勝つことは、この国の政治家の伝統芸だ」と、暗に仰りたいのでしょうか。僕は、今年も、そのように思っています。

 

 

神奈川県横須賀市にて

佐藤 政則

 

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