我が国では、既存の法令に、新しい条文を挿入するとき、例えば、第9条と第10条の間に、新しい条文を挿入するときは、「第9条の2」という風にします。なので、「第〇〇条の2」とあれば、その条文が、法改正によって、既存の法令に付け加えられたことが分かります。
そんなにはないのですが、「第〇〇条の2の2」という風なのも、あります。法改正の度に、新しい条文の挿入が繰り返されたことが、読み取れます。
政治資金規正法第19条の2第2項と、同法第19条の3第1項の間には、同法第19条の2の2(資金管理団体による不動産の取得等の制限)が、あります。政治資金規正法において、資金管理団体というのは、細部を端折って平たく言えば、「議員及び地方公共団体の長になろうとする者、それらの選挙において候補者として届出があった者、既にそれらの職に就いている者が、代表者を務める、とある特典が付いた政治団体」のことです。あれっ、あんまり平たくなっていないですね。
資金管理団体の代表者は、「現職の議員や地方公共団体の長、もしくは、それらになりたいと強く思っている人達」なので、まさか、そういう人達が、政治資金で不動産を買うなんてありえないと、思いたいところですが、現にそういう人達がいたから、政治資金規正法に、「第19条の2の2」が付け加えられました。
だって、議員も人の子、怪我をしたり病気になって、急に、議員としての政治活動ができなくなり、引退を余儀なくされるかもしれません。不動産を買っちゃった後、急に引退を余儀なくなれたら、その不動産をどうする積もりなのでしょう。政治資金の中身が、全て自己資金であれば、何も問題はありませんが、「政党交付金の交付を受ける政党等」に所属する議員であれば、ばんばん、公金を受け取っていますし、日本国民からの寄附も受け取っておられるでしょう。
あれっ、「もし、食事をしながら政治に関する会議をしたとしても、政治活動に当たるのは、会議をした部分のみです。食事の部分は、あくまでも、必要な栄養素などを吸収する活動です。なので、その飲食代を会議費用として政治資金収支報告書に記載することは、不実記載です。レストランは、会議をしたことに対して、料金を請求しているのではなく、食べ物と、食べ物を食べる環境を提供し、相手方がそれを受領したことに対して、料金を請求しているはずなので」という結論に、すぐに行き当たると思っていたのですが、すみません、全然、近づいていませんでした。
次回の投稿で、少し、資金管理団体「陸山会」の事件に触れてから、結論に向かって、書き進んでいきたいと思っております。宜しくお願いします。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則