正直、申し上げまして、迷っています。今夏の選挙のことであれば、散々、迷ってきたので、もう、あまり迷っていませんが、選挙そのもののことではなくて、公職選挙法143条16項について、迷っています。この条項に対する、あまりにも御寒い現状を目の当たりにし、どう対処することが、一日本国民として正しいのか、迷っています。
まぁ、迷っているということは、選択肢は、既に絞り込まれていて、その絞り込まれた選択肢のうちのどれを選択するかで、逡巡しているということですが。
この条項は、結構、長い条項です。ひょっとしたら、今後、参照することがあるかもしれないと思い、本年の1月25日の投稿で、他の、同じく長い条項と共に、引用だけさせていただき、その後、ほったらかしの状態でした。こんなところに、まさかの坂があるだなんて、思いも寄りませんでしたが、ありました、まさかの坂が。143条16項の論点を明確にするために、大胆に、短くしてみます。
公職選挙法143条16項の要旨
候補者の政治活動のために使用される当該候補者の氏名又は当該候補者の氏名が類推されるような事項を表示する文書図画等で、次に掲げるもの以外のものを掲示する行為は、第1項の禁止行為に該当するものとみなす。
二(号) ポスターで、当該ポスターを掲示するための板を用いて掲示されるもの以外のもの(第19項各号の区分による当該選挙ごとの一定期間内に当該選挙区内に掲示されるものを除く。)
つまり、今夏の参院選に出馬しようと思っている者は、「自分の政治活動のための、自分の名前入りポスター」、もしくは、「自分の政治活動のための、自分の名前が類推できるような事項入りポスター」を、板を用いて掲示してはならない、ということです。そして、今夏の選挙前の約6か月間は、そういうポスターを、板を用いずに掲示することも、してはならない、ということです。
で、皆さんのご自宅の周辺は、どうでしょうか。ぐるっと見渡せば、「名立たる政党の公認を受けて今夏の参院選に出馬しようと思っている者」の名前入りのポスターが、たくさん、掲示されていると思います。名立たる政党は、何を根拠にして、143条16項に該当する行為、つまり、立候補予定者の違法行為を、公然と幇助しているのか。
関係当局に伺い、ご相談申し上げ、名立たる政党の言い分を、教えていただきました。名立たる政党は、あのポスターは、「政党の政治活動のための、立候補予定者の名前入りポスター」なので、143条16項に該当しないと、言い張っているそうです。
笑止千万、勘違いも甚だしいと、言わざるを得ません。今、公然と掲示されている「立候補予定者の名前入りポスター」は、公認や推薦を出している政党にとっては、政党の政治活動のためのポスターですが、同時に、立候補予定者にとっては、立候補予定者の政治活動のためのポスターです。
ミウラさんも、ミハラさんも、ナカニシさんも、カネコさんも、アサカさんも、もしも、立候補を予定されておられるのなら、「そのポスターは、立候補予定者の政治活動のためのポスターでもある」ことは、是非とも、ご承知いただきたく、お願い申し上げます。
「政党の政治活動のためのポスターだ」と言い張ることによって、立候補予定者の行為の違法性を阻却(そきゃく)することは、できません、不可能です。立候補予定者の違法性は阻却(=無き者にすること、排除すること)できませんので、残念なことではありますが、「一日本国民として、しかるべき対処をせざるを得ない」と、僕は考え、それなりの覚悟を決めつつあります。いつも以上に長い文章になり、申し訳ない限りです。
拙い相談にも関わらず、丁寧にご説明をしていただきました、複数の関係当局のご担当者様に、改めて、感謝の意を申し上げる次第です。誠に、有り難うございました。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則